Paradise for Stupids

愚者の楽園たるこの国周辺で起こる愉快なことをつぶやきます

日本国の生産性は大丈夫か

2013-06-11 01:08:32 | ワークスタイル
本日久しぶりに午前様になってしまった。Virtual Private Network(VPN)が普及して以降、久しぶりである。VPNと携帯電話があればどこにいても仕事関係の仲間と連絡が取れる。よって、私は特別なことが無い限り、午後7時前にはオフィスを後にすることにしている。今日、帰りが遅くなったのは、若手社員向け研修の成績評価委員として、評価に立ち会わなければならなかったからだ。この評価プロセスが、今時信じられないほど愚劣なものだった。

評価の進め方は至って単純だ。受講生のプレゼンテーションを聞き、評価結果を審査票に書き込む。各評価委員の評価を合計した結果、得点が高いものがアワードを貰うというものである。

特に、問題もなくプレゼンが終わり、後は集計を残すばかり。帰れるものかと思ったら評価委員は残ってほしいと事務局のおばさんが言う。集計結果を確認してほしいというのが理由だそうだ。女性蔑視と取られかねないが、社内間接部門の女性、特におばさんは基本的に恐ろしく仕事が遅い。例にもれず、たった8名の評価委員による評価結果の集計にも関わらず1時間もかかってしまった。単なる足し算にである。

さぁ、帰れるかと思ったら、最上位3名を指して、この方々はこの順番で良いですか、と我々評価委員に問いかけるのである。予め決められたルールに則って決まった順番を、密室談合で変えてしまおうというのだろうか。何やら各部門間のバランスとやらがあるらしい。評価委員は皆、沈黙である。他の方々の思いは分からないが、少なくとも公平な裁定でないことは確かである。ここで30分は時間を浪費してしまった。結局、大した意見は出ず、ようやく解放されたのが23:00である。

意義ある作業で時間を費やすのは厭わない。我々は少なくともプロフェッショナルであるし、その職務を全うするのが使命だからだ。しかし今日(正確に言えば昨日であるが)の午前様は、最悪の経験であった。たかが研修の評価、それにも関わらず単価の高いシニアな社員を待たせながらの評価結果算出という非効率なプロセス、その総仕上げが予め決められたルールを無視した順位付けの示唆である。これが一体ビジネス上どんな意味があるのであろうか。

我社の業績は芳しくない。昇給は無く、むしろ減給対象社員がどんどん増えている。間接部門の予算は削られ、肩たたきが着実に進行しているらしい。しかし未だにこんなくだらない作業に従事する内勤者がいるとは驚きである。嘗てのようにこの国の生産性を上げるには、まだまだ絞り上げるべき非生産的活動者がいるようである。