ボーフム集会所の庭
今朝早く車で集会所に向かっていると、ラジオから、聞こえてきた。
「子供は小さな大人ではない。子供には子供として必要なものがある。」
どうやら、新しい健康保険をめぐっての議論らしい。子供の保険料を、大人の何%にするか否かの問題だ。大人を基準に考えず、子供を独自の存在として考えて欲しいというのが、主旨らしい。
さすが、19世紀に「子供」という存在を「発見」した国、ドイツだ、と思った。「グリム童話」、も「キンダーガルテン(幼稚園)」も発祥の地はドイツだ。ドイツ浪漫派の画家、フィリップ・オットー・ルンゲは、子供を好んで描いた、それも子供の視線から。すなわち、子供の背の高さから見た世界を描いた画家だ。それまで、ただの小さな大人だった子供は、大人と同様の過酷な重労働をせねばならなかったが、「子供の発見」によって、新しい文化が生じた。
でもまた、この文化が失われつつある。「子供服」は、大人のミニチュアになり、子供にすべての決定を任せる親まで登場した。ドイツだけではない、日本もドイツ以上に子供文化が危機に晒されている。
でも、朝のラジオで、さらりとこんな言葉を言えるドイツのアナウンサーには好感をもった。何度聞いても、これは「名言」である。
コメント一覧
小林直生
yasu
小林直生
shizunai
最新の画像もっと見る
最近の「ドイツ名言珍言集」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
- 21世紀の人智学(108)
- 我が蔵書(6)
- ヨーロッパ精神史研究所より(336)
- ブログ生声版(5)
- 3・11東日本大震災と福島原発事故(1245)
- つぶやきの泉(424)
- ドイッチェ・ムズィーク・ドイツの音楽(24)
- 日本を外から見ると (21)
- 新・中東ヨルダン王国を行く(21)
- 素晴らしい鉱物の世界(50)
- 中東ヨルダン王国を行く(16)
- 日記(18)
- 漫遊写真館(173)
- ドイツ名言珍言集(17)
- ノンジャンル(803)
- 不定期な日誌(128)
- 知っていた?ルドルフ・シュタイナーのこんな事あんな事(8)
- 小林直生の動向と近況(286)
- ドイツの美味と不味(14)
- ドイツ紀行(39)
- 旅行(0)
- グルメ(0)
バックナンバー
人気記事