あなたを語る（アイちゃん）

親愛なるアイちゃんへ

嫁いで行ったのは５ヶ月前のことでしたね…
アイちゃんの部屋を整理していて見つけたママがアイちゃんに宛てて書いた手紙があったので…
ここで紹介しておこうと思います。

「アイちゃんへ

お手紙ありがとう。
大変な数日間だったね（中略）…パパが怒鳴ってくれたこと、ボケちゃんやユイちゃんが心配してくれたこと、ママと長城で定食をお腹いっぱい食べたこと…いろんなこと忘れないで、これからまたアイちゃんらしく笑顔で頑張ってね。
ママの娘に生まれてきてくれてありがとう。
しあわせな結婚をして、子どもができたら一番に教えてね。
孫の顔を見るのを楽しみにしています。
アイちゃん、愛してるよ

２００６、１１、１７　　　ママより」


「アイちゃんへ

アイちゃんが書いてくれた手紙をいつもかばんに入れて持ち歩いていたママをバカだと思うでしょうね。
どうして自分の人生を大切に生きてくれないのかと、残念でなりません。
人に迷惑をかけない生き方をする。とても大切なことをアイちゃんに教えられなかったママを許してください。
もっともっと話をしていれば、こんなことにはならなかったのではないかと思え…もう子育てにも自信がありません。
（中略）
自分の人生だから、自分を大切に、あせらず、ゆっくり歩いていってもいいのではありませんか？
（中略）
アイちゃんの人生だから、好きにしなさい。　　
　
ママより」


もう５年半も経つんですね…
ママはアイちゃんを守ることに精一杯で…まわりが何も見えていなかったかもしれません。
誰にも相談せずに家出までして…ママは自分の意思表示をして貫き通しました。
ママの子に生まれなければ、アイちゃんはもっと違った人生を歩めただろうと思うと…ちょっと涙がでます
でも…ママは娘たちの幸せのためなら「ダメなものはダメ！」と言い、信念を貫き通す…
迷惑かもしれないけれど…これがママなのです。

アイちゃんが今年のはじめに「結婚するから」と衝撃的なひと言を口にして以来…
ママの生き方や信念が…少々ブレていったような気がしています。
親離れ子離れの時期がやってきて、ママは思い知らされたんです…
あなたたち３人がどんなにかけがえのない存在だったかということを…。

バランスの取れた状態が心地良く…ママは幸せでした。
３人とも家から通える学校や仕事場を選んでくれましたね…。
今年の春から１人減り…２人減り…ママにはきついお仕置きのようでした。
ほんとに寂しくてたまらなかった…
ママはたぶん…明るくてもボロボロだったような気がします。

アイちゃんの彼があいさつに来る？
やめて～～しばらくは会う気にもなれなかったけれど…
「今日来てもらって！」
ママの無茶ぶりは相当なものだったでしょうね

玄関を開けて緊張した面持ちで「こんばんは」と挨拶した彼を見て…
「どうぞ」ひとことそう言って台所へ行って…ママは泣きました
この人がアイちゃんの…ひと目見て…なんだかほっとした
緊張の糸が途切れたようでした。

すぐみんなは和気あいあいな雰囲気になりかけていたけれど…
ママはそれがイヤで
「ちょっと言わせてもらうわね」そう言って…思いのタケを吐き出した
「あなたにあげるために○○年も一生懸命アイちゃんを育ててきたわけじゃない！」
何言ってるんだ状態が止まらなかった

３０分くらい？泣き泣き母親の思いを訴えて…
アイちゃんも泣いていた…
彼はママの眼を一時もそらさなかったね…
ママはそんなふたりの姿に…参りました。
彼にならアイちゃんを任せられる…母親の直感です。
「アイちゃんをしあわせにしてね…ふつつかな娘ですけどよろしくお願いします」
そう言って、最後はみんなで深々と頭を下げました…。

子を持つ親として…母親代表として、ひとこと言っておきたいことがあります。
親にどんなに反対されようと、覚悟さえあれば貫き通せばいい！
特に母親は口ではいろいろ言うけれど…我が子が幸せなら、それでいいんだから。
そのことだけ覚えておいてね。

世の親御さんたちが通る道…
親離れ子離れのタイミング…
いろんなことを体験しながら歩いていく人生…
良くても悪くてもたった一度きりの人生…
だからこそ大切にしなきゃいけない自分の人生…。

「この世で頑張ったことを１つだけ言いなさい」と天国の入口で天使に尋ねられたら、ママは迷わずこういいます。
「この世に授けてくださった愛する３人の娘を一生懸命育てあげました」と…。

次はアイちゃんの番！

「よく頑張ってたねおめでとうそして、ありがとう」

アイちゃん、ママはこれまでいっぱい頑張ってきたから…
これからは自分のやりたいことをやっていいでしょ？
ワイルドにいくぜぇ～（笑）