goo blog サービス終了のお知らせ 

暁の雲(平安語調平成日誌)

花をめで 鳥をうらやみ 霞をあはれびつつ
露をかなしぶこころ ここに記す
秋の月を見るに 暁の雲に会へるがごとし

雲は襲ふ 襲(かさね)の空を・・・

2011-06-26 | 樹木・植物・動物・有職故実

水無月 二十二日 払暁(ふつぎゃう)・・・

卯の刻(6時)を 過ぐれば この日 夏至の日輪は すでに 高く

午の刻(正午)に 天頂には 白雲・・・落つるかに 見えて
風 騒がし・・・

酉の刻(18時) 未だ 明るき空に 染まる雲の ありて

雨雲の 訪ひ 

かき消す 風伯(ふうはく:風神)

薄き雲のさま とりどり なるに・・・・・・絶えて 見る人も 無し

縹(はなだ:薄藍)の 空に 桜を かさねて

黒雲は おそふ

天の 花を・・・

など・・・思ひ 暮らすほどに 日 暮れぬ

♪・・・「暮る」と「明く」と めかれぬ ものを 天の花 いつの人まに うつろひ ぬ らむ・・・♪(本歌45古今) 

白き 花の衣(ころも)を 見てしより・・・

2011-06-16 | 樹木・植物・動物・有職故実

高き 枝 に

夜ごと 映ゆる は

泰山木・・・

光 に 垣間む(かいまむ) 

たちばな の 花

うつぎ は・・・

いと 清げ なり て

虫 さへ 来 て ある に

低き に 誘う かやうなる 花 に

絶えて 来る 虫 の なけれ ば・・・さ なむ めり
毒 の あれ ば なり・・・

甘茶 は

暗き を 好み

つつじ さつき は 日 を 好む

日々花 は さまざま 種 あり て 
疾く(とく)咲き 疾く(とく)しをる

ガーベラ なる 軒の下 に 宿る 異国の白 も あり
♪・・・皆 ひとは 花の衣に なりにけり 白き袂(たもと)よ 乾きだにせよ・・・♪(本歌847古今)

思ひ貶す(おとす)や 雨後の稚児百合(ちごゆり)

2011-06-13 | 樹木・植物・動物・有職故実

昔 あづけ られ し 寺 に

心ばへ 浅き 稚児 あり て

苛まれ り (さいなまれり)

幼かり し 吾れ  
かたち やつれ たる ぞ・・・
なかなか さる方 にて は あはれ なり けむ かし・・・(ーー;)

僧 なる 人 の いふ やう

「御 清まし(みすまし)の 事 など させ し 稚児 なれど
さかしらに 戯れ事(あざれごと)多く・・・」など

さても よう はしたなめ られ たる 稚児 なり けり・・・

♪・・・思ひでて 恋しき ときは 稚児百合の 泣きて しをると 人 知るらめや・・・♪(本歌735古今) 

労はり(いたはり)養ふ 白き山吹

2011-06-09 | 樹木・植物・動物・有職故実

軒の下 なる 薄闇の中 より 誘う もの あらむか? と 見えて・・・
ちかう寄りて しばし 見入る に・・・

白き山吹 咲きたる あり

「実の ひとつ だに 無き ぞ かなしき」さま して

七つ 八つ 九の 十・・・ と 今年は あまた 咲けど

はつかに 暗き所を 好みて
まして 一重なれば・・・黒き実をつけむか? など 気色取る

白き花 は・・・目立て 耳立てられて いたはしう と こそ

覚え らるれ・・・???(^^;) 

長雨のあした 修羅の道

2011-06-05 | 樹木・植物・動物・有職故実

長雨の夜に 久しき病にて去にし人の
「黄泉にて待たむ」など 言ひ残せし事 思ひ出でて

あしたに 出づ

薄雲の 空 見上ぐるに・・・

”長からぬ 命のほどに 忘るるは いかに 短かき 心なるらむ・・・”など 悔ゆ

日輪を 隠して あれば なむ めり・・・

浮かぶ雲さへ まして・・・思ひ浮かぶる かひもあらじ とぞ 思ふ

いと あさましくて・・・見上げし空に やがて 円光 浮かびつ

朝な 夕なに 見上げし 日の影の 
わが ためには ことにもあらねど・・・激つ(たぎつ)瀬のごとく うらむれば

♪・・・夢に出でし 君は なかなか つらからで 今まで 生ける 身をぞうらむる・・・♪(本歌5拾遺)
 

Yesterday Today and Tomorrow と  移りゆく・・・

2011-06-02 | 樹木・植物・動物・有職故実

「ふるさとの なまりなつかし」停車場に降り
「岩倉高校」なる学舎に沿ふて東に行くに ややありて 松が谷2丁目に差し掛かりぬ

ここに 「聖徳寺」といふ・・・ 鎮西の流れをくむか・・・
浄土宗の寺ありて その庭に かぐはしき「匂ひ蕃茉莉(ばんまつり)」の花 いま盛りなり

きのふ

けふ 

あす・・・と

初め 濃き紫に咲きたるが 

明くれば 藤色に褪せて

また明くれば 白く抜けゆく花なり

「わざとならぬ芳香」を放ち 一重の花 さまざま向きて 色 散りばめたるさへ 匂ひやかなり
皐月みそか 浅草詣でのついでに 立ち寄りぬ 

いとも かしこし 香の花

2011-05-28 | 樹木・植物・動物・有職故実

雨上がりに 見上げし橘(たちばな)の木に 黒き大いなる蝶ゐて

そこ ここ 飛びまはる様に 目を凝らしたるに

花たちばなの はづかに見へし 夕べかも・・・・・・・

低き棚には 貴(あて)やかなる茉莉花 こまごま咲きて

夜さりににほふは これか かれか とぞ 思ふ

なにごころなく咲きみだれし様の

銀や

金に

色移れば

なにとやらむ・・・・・・・
♪・・・たれか待つ 花たちばなの香をかげば かさねてかほる 茉莉花(ジャスミン)の色・・・♪(本歌139古今)
 

大儀の「田植え」 今は 無し

2011-05-26 | 樹木・植物・動物・有職故実

武蔵の国 皐月の声を聞けば 処々にため池の目立ちて

こ は 誰(た)が水にかあらざるはなく

大かた 水田を司る 役人の 筋なき管理にくたされて(朽たす:けがす)

やがて そこここの田へ 流れゆく

鍬入れ

代掻きはもとより

今は みな 機械にて取り行ふ農事の暇に 田の養ひ人は 他所にて働くがならひなり

平素 人一人居らぬ田・・・養ふ人の 狭き心根の如くに ちまちまと小さき区画を為し
「何をか分けむ・・・」とぞ 思ひ眺め入るは われのみか・・・?

苗代の苗も 早場米とかや・・・いまだ丈の至らぬを植う

田植え女(め)などは 昔話にしのぶのみにて さらになし

山林・川谷(せんごく)・丘陵に神ありて その財を 民に分かつ・・・

しかして 「田植え」は神事なり

皐月二十五日 今上の帝は 形ばかりの神事を為すのみ

いはむや 下々に於いてをや・・・

田植機にて植えし苗は 七日もたてば はや 丈は倍にならむか?

また七日たてば 緑 一面に敷き詰め

その後は 鴨に頼みの 草取りの畦・・・

あいなだのみの皐月空

2011-05-19 | 樹木・植物・動物・有職故実

皐月八日 東の空 少し明かりて

品品しき(しなじなしき)薄色の空・・・澄み渡る五月の風さえ吹いて

白鳥の 羽根を広げたるやふなる巻雲ありて ひねもす 空 眺めやるに・・・

白妙の薄衣(うすぎぬ)

落ち行く天の羽衣(あまのはごろも)

日に染まる天蓋(てんがい)

どれもどれも 霞(かすみ)を掃き散らかしたるやうなれど

かやふなる空に棲み(すみ)
瞋恚(しんい:怒り恨み)の報い さらになければ・・・
われは・・・国土の衆生ならず・・・業(ごう)尽きにけり・・・
とは 思はむや?
 

木の花は・・・(藤の盛りに 桐を見る)

2011-05-14 | 樹木・植物・動物・有職故実

「枕草子」に 木の花はとあるは これなり

散りたるを 寄りて 足下に見やれば

薄紫の花弁に 鹿の子ちらしたるやうなる 薄き斑紋のある様 
掩い囲みたるミドリハコベの 恥ずかし と思ふまで ひそやかにたふとし

皐月の空に 日をかへし 輝ける木の形

いと かなしふ あはれなり

婆様は 「墓参りには 紫に麗しき 藤の花咲きてから・・・」など言うも

「長き枝に ボテボテと咲きたる藤の 如何せん・・・」など 返す

藤は たふとからず 材は うねうねと曲がるばかりにして 用をなさず
桐は 材の目 密にして 質余り 硬からず・・・故に 箏となし 下駄となす

さも ありつる 撓む(たわむ)心根のまはりに
咲き起こせし房のさま まことにかしこく 人の
かくありがたき姿とぞ思ふ・・・  
♪・・・草深き かすみの谷に 桐かくし 照る日のくれし けふにやは あらぬ・・・♪(本歌846古今)

初夏なる 菖蒲は いづくにか・・・

2011-05-10 | 樹木・植物・動物・有職故実

こ は 卯月二日の空 なり

卯月二日は 旧の如月廿九日なれば

卯月三日は 旧の弥生の朔(ついたち)に当たるべし

五月雨に似合う花の いまだ咲かざるは 如何ぞ・・・

太陽暦 いと あはれなり

五月晴れ とは うつつ世には 水無月の晴れにてさぶらふ・・・

遅れて眺むる 新暦の空に
♪・・・はつなつの はつかに声を聞きしより 中空にのみ ものを思ふかな・・・♪(本歌481古今)

五常(義・慈・友・恭・孝)備はる 蓮華草

2011-05-03 | 樹木・植物・動物・有職故実

卯月二十七日 レンゲの初つ見す

こ は うつくしき女児に似てけり

影は 薄く 未だ 冴え渡らねど

行き行くままに 色を添え

群れ生ふ姿は 畑の条理に従がうが 和ごし(なごし)

側目(そばめ)に見れば 

めぐみ深く 土に親しく

窒素同化なる行ひの すぐれて

斯く 丈もいたらぬに うやうやしくぞ見えける

はるかなる野辺に まめまめしく継ぎ行く様は つれなくも見えで 孝あるやうにおぼゆ

蓮華田の 吾が濁心を洗へば 則楽その中にありて

大地に 千畳のをみなごの香 有るがごとし 
  

薄明光の午後

2011-04-30 | 樹木・植物・動物・有職故実

卯月二十七日 申の刻かと思ふ頃ほひになりて
ふと 見上げたる 桔梗の色のごとき天に
かまびすしきエンジンの音を置きて やがて行く影ありけり

小半時ばかり過ぎたるに
軒の上より射し来る光ありて 春にはあらぬが・・・
「久方の光のどけき・・・」など ささめきゐる

身を乗り出だして 遠く 天を仰げば

大いなる雲のほころびより もれ出づる白き光明の

くの字に曲がりて

やがて広ごり

やがてすぼまる
♪・・・光良し 雲良し と ひとに告げやらば 来てふに似たり 待たずしも あらず・・・♪(本歌692古今)

夏の夕 愛で惑う花

2011-04-27 | 樹木・植物・動物・有職故実

こ は 八重の 堅き つぼみにて

つやめく葉のさまも  しめやかに

虫さえ 遊び来たるも いとをかしく つらつら眺めたるに・・・

卯月十日 奥ゆかしふ あはれに 開きけり

露けき姿に
婆様 「芯のなければ 受けられぬ様は もて悩み種(ぐさ)なり」などいふも
「見るべき人見れば 気高く 恥ずかし」など 返す

この椿 名をば 三浦乙女 といひたり

馴れ睦びたき花 とは かくあるをいふべし

いと 清げなること 限りなし

おぼろ夜の月に くらべて

2011-04-24 | 樹木・植物・動物・有職故実

去るほどの 如月の月は 隈なく
氷(ひ)のごとく 透ほりて さゆるなり

欠けゆくままに 明け残りたるは 更にもいはず

こは 弥生二十日の月にして ゆゆしとまでは思はねど
雲の奥のかたにありて ものうげなり

遠く 見ゆる月

残りたる月

雲を 友と為し

雲に まがふ月

この卯月十九日には 雲の天蓋に宿りたる姿 ふと心寄せに見る

♪・・・おほかたは 月をもめでじ これぞ この つもれば 人の 老いとなるもの・・・♪(879古今)