今年も気が付いたらもう3月中旬。気候もすっかり春めいて(っていうか初夏っぽい)、関東では来週にも桜が開花するという話だ。去年の旅行記が全然進んでないのに、なんだか焦る~
というわけで、今回はトルコの地震の話ではなく、途中になっていた旅行記を再開する。前回はローマ滞在3日目にトッレ・アルジェンティーナ広場に猫を見に行った話で終わっていた。翌日は移動日で、ライアンエアーでローマを16:35に発ち、ヨルダンの首都アンマンに21:30に着く予定だった。
この日は朝7時半に目覚めたが、チェックアウトギリギリまでホテルにいて、荷物をまとめたり、SNSを眺めたりして過ごした。移動する日は体力を消耗するので、観光はしない主義なのだ。身体が弱いから、ちょっと無理をするとすぐ瀕死になるんですもの…
11時間際にチェックアウトしにいったら、フロントには前夜も見かけた若い男性が座っていた。エリザベッタさんの息子さんかもしれない。イタリアの小さいホテルはたいてい家族経営なのだ。彼も感じが良かったが、コーヒーは勧めてくれなかった。やはり、このホテルではエリザベッタさんが当番の時だけコーヒーが出るのだろう。
ホテルにスーツケースを預け、テルミニ駅に向かった。空港に行くには早すぎるので、駅のカフェで時間をつぶしてから、ホテルに戻って荷物を引き取り、また駅に引き返して空港行きの列車に乗る段取りだ。駅で荷物を預けるとお金がかかるからな…
前日に目をつけておいた広いカフェテリアに座ってカッフェ・マッキアート(スチームミルクを垂らしたエスプレッソ)を飲み、PC作業をして時間をつぶした。
エスプレッソは安かったが(座っても€1.3)、すぐ飲み終わるので長居しずらかったぜ…
1時間ほどで切り上げて、券売機で空港までのチケットを購入し、駅付近のバールで昼食用のサンドイッチ(tramezzino)とビールを買ってから、ホテルに戻って荷物を引き取った。
イタリア国鉄の券売機では、アラビア語が選べるんですよ、奥さん!(誰得情報)
サンドイッチを買ったバールでマリトッツォを発見。ミニサイズは€1.2。
関係ないが、マリトッツォって、絵本「僕を探しに」のあいつに似てませんかね。
これなんて、そのものじゃないですか??
閑話休題…
スーツケースを引きずりながらまた駅に戻り、迷いながら空港列車(レオナルド・エクスプレス )の乗り場にたどりつく。この時点で既にかなり疲れていた。何回も乗ったことがあるのに、乗り場が変わったわけでもないのに、なぜいつも迷うのだろう(それは極度の方向音痴だから)
ようやく列車に乗り込み、発車と同時に缶ビールを開けて飲み始める。疲れた体に染み渡る…と言うほどではないが、ぬるくてもまあまあ美味しい。
おじさんマークのモレッティビール
周りを見渡したら、他の乗客は何も飲食していなかった。もしかしたら車内は飲食禁止かもしれないと思い、慌てて飲み終える。FFP2のマスク着用義務もあることだし。
空港に着いたらもう14時近くて、ライアンエアーのカウンターの前には長蛇の列が出来ていた。並んでいたら、しばらくしてから係員がやってきて何か聞かれ(聞き取れなかった)、端末のある所に連れていかれて何やら入力させられ(もたもたしてたら結局代わりにやってくれた)、搭乗券をプリントアウトしてから、カウンターに連れていかれた。
当時私は調査不足で知らなかったのだが、ライアンエアーは自分で事前にオンラインチェックインをして搭乗券をプリントしないといけないらしい(参考)。そうしないと高額なペナルティを払わされるとネットに書いてある。私の場合は、空港で係員がやってくれたので、ラッキーだったのだろう。ライアンエアーって、安い分だけ罠が多い気がする。
カウンターの窓口にいたイタリア人のおじ様にパスポートと搭乗券を差し出すと、ヨルダン入国のためのQRコードと旅行期間をカバーする保険の証書を出すように言われた(日本人は事前の入国ビザ取得は不要)。出国前にヨルダン大使館に電話して聞いた通り、QRコードはあらかじめ出してプリントアウトしてあったが、保険証書などない。そういえば、電話に出た男性に「保険に入っていますか?」と聞かれたなあと思ったが、後の祭りである。(旅の下準備編)
QRコードの紙を差し出しつつ、私のクレジットカードには海外旅行保険が付いている(本当)、でも証書はないと伝えたら、「証書が必要だ。証書がなかったら、カードに保険が付いていることがどうやって分かるっていうんだ」と言い返され、押し問答になる。クレジットカードのコピーでは駄目だという。
私は「だってないものはないんだもん。証書がなくても、ヨルダンは絶対に私を入国させてくれるから大丈夫!!」と謎の自信を前面に押し出して言い張り、その様子を見ておじ様が少し考え、どこかに電話して確認してくれ、結局ワクチン接種証明のコピーでいいことになった。良かった、手元に用意しておいて…
問題が解決したので、後はスーツケースを預け入れて、タグを出してもらうだけになったが、これがなかなか出てこなかった。プリンターの調子が悪かったのだ。一難去ってまた一難とはこのことか。
おじ様は険しい顔で「Mannaggia!」(マンナッジャア、「くっそ~」くらいの意味)とプリンターに悪態をつき、何度も入力しては失敗してため息をつき、ふとこちらの方を見上げて、「残念ながら、今日は何もかもうまくいかないんだ」と申し分けなさそうに言い訳した。なんだかんだ言って、いい人のようだ。私はローマ教皇のような微笑を浮かべ、忍耐強くその様子を見守った。
待ちくたびれた頃、おじ様が不意にガッツポーズをして、「Ce l'ho fatta!!!」(チェロファッタ=「やった!」「できた!」)と誇らしげに宣言し、ようやくプリントアウトできた荷物のタグの半券を渡してくれた。私は拍手をしてねぎらい、感謝の言葉を述べる。まさか時間内に印刷できるとは思わなかったわい…イタリアらしい展開で楽しかったが、非常に時間がかかった。やはり空港には余裕を持って到着するのが正解だ。特にイタリアでは。
出国手続きをする前に、手早くサンドイッチを食べ、ペットボトルの水を飲み干した。手続きはすぐ終わったが、アンマン行きの便が遅れているようで、スクリーンになかなかゲート番号が出ない。やっとゲート番号が出て、急いで移動して搭乗口の列に並ぶ。アンマン便は結局約30分遅れで離陸した。
ここまで書いて力尽きたので、続きは次回~
(おまけの花写真)
ベンチ飲みの時に眺めた早咲きの桜
夜に写真を撮ると必ずボケる…
(続く)