外国で一時的個人的無目的に暮らすということは

猫と酒とアルジャジーラな日々

2022年イタリア・ヨルダン・トルコ周遊記(10)~ローマ3日目・トレビの泉と遺跡猫たち・後編~

2023-02-15 05:14:41 | イタリア

 

 

今回もまた、ずいぶん間が空いてしまったが、去年の旅行記を再開する。前回はローマでの3日目、トレビの泉などを経由してトッレ・アルジェンティーナ広場の保護猫施設を見た後、昼食を取ってからホテルに戻って休憩したところで終わっていた。

 

 

ローマ3日目の夕方、ホテルで昼寝などしてから、夕方また出かけた。

 

テルミニ駅地下のコナド(スーパー)で夕食を買って帰るだけのつもりだったが、ふと気が変わり、トッレ・アルジェンティーナ広場にもう一度行ってみることにした。広場の周りにいた人たちが、夕方になったら猫がそこら中をうろうろしていると言っていたことを思い出したからだ。

 

バスに乗るため、駅前のバスターミナルに向かって歩いている時、カラビニエーリ(Carabinieri 憲兵、以下カラビニ)の車両が何台か、サイレンを鳴らしながらすごい勢いですっ飛んで行った。何事かと思ったら、少し先のマクドの前に停車して、そこから降りたカラビニ数人が、先に来ていた同僚たちに合流していた。

 

 

 

 

なんか盛り上がってる。

 

 

周りに野次馬さんたち(イタリア人も観光客も)が群がっていたが、誰にも何が起こっているのか分からないようだった。カラビニがTシャツなどを押収している様子だったので、偽ブランドのTシャツを売る移民の行商人が摘発されたのかもしれない。よくあることだ。それにしては、やけに大がかりだった気もするが。

 


駅前からH40番のバスに乗ってトッレ・アルジェンティーナ広場に向かった。バスのチケットは乗降口付近に設置されている刻印機を通す必要があるが、機械が壊れていて、使い物にならないことが多い。この時もそうだった。チケットに日付・使用開始時間を刻印しなければ、無賃乗車扱いになるのだが…

 

 

車窓から見えたヴェネツィア広場とヴィットーリオ・エマヌエーレ2世記念堂

 

 

トッレ・アルジェンティーナ広場には間もなく着いた。前回も書いたが、この広場は中心部分が周囲より一段低くなっていて、古代ローマの神殿の遺跡があるのだが、現在は閉鎖されている。

 

 

広場をぐるっと回って猫を探そうと思い、ほんの少し歩いたら、下の遺跡のところをうろついている猫たちを発見。上のベンチのところでも、イタリア人のおじさんが猫数匹を餌付けしている所に遭遇した。

 

 

すでに満腹してくつろぎモードになっている猫もいれば、まだエサを待っている猫もいた。

 

 

近づいた女性は持ち物検査を受けていた。

 

 

夕方涼しくなってから出直したのは正解だった。うふふ…

 

猫おじさん(仮名)の邪魔をしないよう、広場を一回りして、下の遺跡の周りにたむろしている猫たちの写真を撮った。

 

 

分かりにくいけど、何匹かいる。

 

 

大体みんなだらだら寝そべっていた。保護猫施設でご飯を食べた後で眠いのかも。

 

 

 

 

 

しばらくしてさっきのベンチのところに戻ったら、猫おじさんの姿はもうなかったが、彼にエサをもらっていた黒猫はまだいた。

 

 

すみっこでくつろぎタイム

 

 

すでに満腹なはずだったが、私がカメラを取るためにカバンを開けたら、その音を聞いて「おっ、エサをくれるのか」とばかりに寄ってきて、おねだり態勢に入った。それをみて、他の猫たちも寄ってくる。みんなもう食事を済ませているはずなのだが。

 

 

「おらおらエサ出せにゃ~」(極道派)

 

 

「3日前から何も食べてないにゃ~」(演技派)

 

 

「エサがまだあるのは分かってるにゃ~」(透視派)

 

 

要求されるままに、ちゅ~るやちゅ~るビッツをあげていた時、イタリア人の母娘がそばに立って、こちらを眺めているのに気が付いた。中学生と小学生くらいの女の子2人と、おそらく私より年下だと思われる母親の3人連れだ。下の子にちゅ~るを1本譲ってあげて、一緒に餌付けした。将来の猫好きを増やすための啓蒙運動の一環である。

 

母親の話によると、彼女たちはかつてこの近所に住んでいたが、5年ほど前にアブルッツォ(自然豊かな州、田舎とも言う)の小さな町に引っ越していて、この時は親戚を訪ねてローマに来ていたという。ここに住んでいた頃は、この広場には30匹くらいの猫がうろうろしていたのに、ずいぶん数が少なくなったと驚いていた。保護猫施設で避妊・去勢手術を進めているせいかもしれない。みんな手術をした印に耳がカットされた「さくら猫」だし。そう教えたら、彼女は当惑した顔をしていた。その気持ちはよくわかる。

 

日本もそうだが、近年世界的に野良猫の避妊・去勢手術が恐ろしいスピードで進められている。野良猫が多くて、それが観光客を引き寄せる要素の一つとなっているトルコなど、中東諸国もその例外ではない。このままいけば、いずれ子猫があまり生まれなくなり、野良猫の数がどんどん減少して、地域によってはもう見られなくなるかもしれない。次世代の岩合さんは、世界ネコ歩きが出来なくなるかもしれない。そして、手術を進めているのは猫を愛する人達だ。「かわいそうな野良猫をなくすため」に。

 

かわいそうな野良猫をなくすことが、野良猫の減少・絶滅に繋がらない方法はないものだろうか…(難しい問題だ)

 

 

母娘が去った後、私もエサやりを終えて、またバスに乗ってテルミニ駅まで帰った。

 

 

 

 

屋根に監視カメラが2台

 

 

駅のコナドで夕食用にツナとトマトのパニーノ、赤ワイン、ビールなどを買い込む。ホテルに戻ったら、まずシャワーを浴び、ビールを飲んで一息ついた。

 

 

今回初めて飲んだイタリアビール。ビール味だった。(味を覚えていない)

 

 

テレビを観ながらパニーノを食べ(美味しかった)、ワインを飲んだ(普通だった)。私の好きなイタリア国営テレビRAI3の長寿番組「CHI L'HA VISTO」をやっていた。いつまで続くんだろう、この番組…

 

 

翌日は夕方の便でヨルダンに移動するので、体力を温存するために観光はせず、11時ギリギリにチェックアウトして駅のカフェでPC作業をし、早めに空港入りしようと考えていた。アンマン到着は夜9時半の予定で、そこからバスとセルビス(乗り合いタクシー)で旧市街に出て、ホテルに向かうつもりだった。さて、無事にたどり着けるだろうか…

 

 

(続く)


コメント (6)
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