数日前、日本語教室に最近通ってきているトルコ出身のクルド人の主婦から、「日本の洗濯機はどうしてお湯が出ないの?」と質問された。
トルコ系クルド人にこの質問をされるのは2度目だ。(前回の話はこちら) どうしてと言われても、私にも説明できない。日本と外国の水質の違いを云々する説もあるが、どうも説得力がなく、私は信じていない。生産ラインを増やしたくない家電メーカーの陰謀なのでは・・・だって、食器だって人間の体だって、お湯で洗ったほうが油汚れが取れやすいじゃないですか。衣類だって同じじゃなかろうか。
トルコの洗濯機は30度から90度まで段階的に温度が選べ、彼女は下着などの雑菌が気になるものは、90度で洗濯した上にアイロンをかけていたそうだ。なお、洗剤は白・黒・その他の色用の3種類があって、衣類を色分けして洗濯するのが普通だとか。
私がかつて滞在していたイタリアでも洗濯事情はまったく同じで、洗濯機には温度を指定するつまみがあったし、洗剤も色によって使い分けていた。そして、イタリア人の主婦はシーツからパンツ・タオルに至るまでアイロンをかけるのだ。シーツにアイロンをかけるなんて、考えただけでしんどい。そもそも私はアイロンを持ってないが。
「お湯じゃないと汚れや雑菌が取れない」「日本では白い服がだんだん黄ばんでいく」とクルド人の彼女は訴えかけるのだが、出ないものはしょうがない。私が「日本の洗濯機は昔からお湯が出ないのです」「私たちはバクテリアと共生していますが、特に問題はありません」とおごそかに宣言すると、彼女は苦笑しつつ、「日本は清潔で素晴らしい国だけど、こういう些細なところに違和感を感じるわ」という感想を漏らした。
彼女は夫や子供とイスタンブールから来日してほぼ1年になるが、こちらには親戚や同郷の知り合いがおらず、孤立した生活を送っているそうなので、日本で暮らしていく中で生じる様々な疑問や問題を相談する相手がいなかったらしい。些細な問題でも積もり積もれば山となり、在留許可や言葉の問題、子供の学校への適応等の深刻な悩みを抱えている外国人に追い討ちをかけることにもなりかねない。
ちなみに、彼女には「日本の水道水は飲んでも大丈夫か?」とも質問された。トルコでは、飲料水は水屋さんからまとめて買うことが多いのだ。イタリア人も普通水道水は飲まないし、ヨルダンでも「水道水は飲まないほうがいい」と忠告されたことがある(無視したが)。ボランティア仲間の日本人女性によると、100均で水道の蛇口に取り付けられる浄水装置が買えるということなので、それを紹介してもらった。100均では効果に不安があるので、もう少し高めのやつも。私はイタリア在住の日本人の友人や知り合いの間でよく使われているブリタ(BRITA)というメーカーのポット型浄水器がいいと思う(日本の友人で使っている人もいる)。とか言いつつ、結局は水道水を飲んでいるわけだが…(炭酸水やアルコール飲料を飲むほうが多いですがね)
ブリタのポット型浄水器(参考) 近所のヨーカドー系スーパーで見かけた。
(おまけ写真)暑い日に歩いていて見かけた行き倒れ風の眠り猫。猫も水分をたっぷりとって欲しい。
(参考)洗濯機の温度関係の情報
https://sumaiweb.jp/articles/8003
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1057376800
(終わり)