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歌う介護士

看取りをしたご入居者から「あなたの声は癒される」と。お一人一人を思い浮かべながら、ずっと歌い続けています。

身体についている管を外す意義

2009-11-11 01:21:10 | Weblog
排尿困難や入院時に排尿カテーテルが装着される。
つまり、尿を溜めておく【ウロバック】がその先に繋がっている。
30センチ画くらいで1000ccほど溜められるものだ。

引っ張られると、痛い。
また、尿路感染も起こし易い。

神経性の膀胱だということで、このカテーテルを装着したまま入居したYさん。
入居して半年経った。

先月末、カテーテルを抜いて見ることにした。
自力での排尿が出来れば・・・、
順調に出来た!

なんとカテーテルを抜いて2日目出、車椅子を上手にうごかしている!
全く自走のやり方など教えてもいない。
これまで車椅子の扱いなどしたこともないYさんなのだ。

Yさんは、上半身の筋力がある方なのだが、
これほどまでに出来るとは!驚いた。

うちの施設のダイニングの狭いところを上手に車椅子を操ってでてくる!
目を見張ってしまった。
チューブがついている間は、何とか我慢していたのだろうが、
外して自由になったと思えたのだろう。
途端に、
自分の意思が、はっきり表出した。
感情までも浮かんできている。
言葉も文脈で話せる。
なんと、クイズまで解いて「若いうちに勉強しないとダメだア」と叱られてしまった。(笑い)
名前を書いてください。というと、たどたどしいながらも署名していただけた。

体が動けなくなると、精神的にも認知力が低下していると思いがちだが、
本人は黙っているけど理解できている場合がある。

ケアするものは、そこを良く視て判断しなければならない。

Drに話してみた。
「チューブ1本で変わるんだよねえ。」と、他の人の場合もそうだったと振り返る。
身体に余計なものがつけられていると、できるはずの身体能力が抑えられてしまうのだろうか。

確かに、動けていた人がチューブをつけると恐くて動けなくなり、
だんだん歩行できなくなるという事例もある。
実際に、そうなりつつある人が身近にいて、何とかリハビリをと考えている。

ウロバックに夏服で作ったカバーをかけてみたり、
そのまま歩行器にぶら下げても目立たないようにするのだ。
「こんなものつけて人に会いたくない」
人は意外と見えていないのだが・・・。
格好を気にするより、動くほうを気にして欲しいなあ。