朝日新聞がかなり本格的な世論調査を行った。(郵送方式で対象者は全国337の選挙区から選んでいる)
次の首相に求める資質を5択で聞いたのが次だ、
①公正さ・誠実さ 40%
②リーダーシップ 22%
③政策・理念 20%
④調整能力 11%
⑤発信力 4%
安倍首相の4選反対は66%に上るから、国民の大部分は安倍晋三に「うんざり」しているのだろう。
何よりも、公正さや誠実さに欠ける。責任感もない。
「公正さや誠実さ」があると思われているのは、石破茂と枝野幸男だ。
今のようなコロナ対応の拙さが来年まで続けば安倍晋三の4選はあり得ないだろう。
すると自民党では岸田文雄と石破茂の戦いになる。
いい勝負だ。小泉旋風が沸き上がった時のような風が吹けば石破総裁はあり得る。
「自民党の中から首相が選ばれ続ける方が良い」 44%(疑似政権交代)
「衆院選による政権交代で首相が変わるほうが良い」 46%(与野党政権交代)
この数字を見ると、「疑似政権交代」と「与野党の政権交代」が拮抗している。
このところ、立憲民主党を中心とするリベラル系の野党の影が薄かったので、この数字の出方には意外感がある。
さらに意外だったのは、18~29歳の層と30歳の層が本格的政権交代を望んでいるほうがやや多かったことだ。
18~29歳ーー44対47 30歳代ー37対47
そして従来から反安倍層である70歳代はーー41対53という数字だ。
従来安倍支持と思われていた若い層が、政権交代待望論に軸足を移したような感じがする。
逆にいうと50代や60代の人たち(特にリーダー層)へのイライラ感を感じ始めているのではなかろうか?
危機に対して何ら有効な手を打てていない、ということに対してだ。
もともと70代は、安倍政権の隠蔽・改ざん体質に対し怒りを感じている。
苦労知らずの世襲政治家や偏差値エリートがこの国の中枢を占めている現状は憂うべきものがある。
生きるか死ぬかの本当の苦労をしていない。
危機に際してなすすべなく呆然とたたずんでいる姿を見ると、「情けない」の一語に尽きる。
安倍首相が緊急事態宣言を発した日に次のように述べた。
「最悪の事態になった場合、責任をとればいいというものではない」
これでは、国家は国民を必ず守るという指導者の覚悟が感じられない。
この覚悟無き指導者を国民は信頼することができない。
次期総理は「公正・誠実な人」を望むという有権者の判断は正しいと思う。
平日道を踏まざる人は、事に臨みて狼狽し、処分の出来ぬもの也 西郷隆盛
常日ごろ道義を踏み行わない人、正しい生き方を行わない人物は、異変や不測の事態に出くわすと、あわてふためき何をしてよいかわからぬものである。