人間の常識を超え学識を超えておこれり日本世界と戦う
敗戦後東大総長となる南原繁が太平洋戦争の開戦の日に詠んだ短歌だ。
(なんということをするのだという嘆きであろう)
学問から得られる知見からすれば、アメリカと日本との国力差は、GDPは12倍、石油は721倍あった。
通常の常識を持っていれば、これだけの国力差があれば戦うなどという発想はない。
しかしここでも日本人が陥る悪い癖が出た。
「物的な国力差を克服するのが大和魂だ」 と精神主義に陥るのだ。
菅内閣が推進する「GOTOキャンペーン」も似たようなものである。
「4000万人が利用しても200人弱しか感染者は発生していない」と強弁して泥沼に足を突っ込んだまま。
さすがに分科会の尾身会長が、悲愴な面持ちで、
「個人の努力だけに頼るステージは過ぎた」
それでやっと札幌、大阪発着を除外した。
ところが東京と愛知県が、より積極的な国の関与を求めている。
主体性のない政府の対応は、地域間の利用者の不公平感を拡げる。
さらには感染拡大が全国に広がって医療崩壊が起きたら、一体だれが責任を取るのか?
菅首相も安倍晋三のように、
「責任を取れと言われても困る」と言って逃げ回るのであろうか。
政府の戦略の誤りを個人の責任や犠牲で補おうとするのか。
「GOTOキャンペーン」は一旦停止しすべし。一度立ち止まって考えよ!