日本のみならず世界を見渡しても指導者たちの劣化が著しい。
「国民のための政治」を捨て去って自分の権力維持に汲々とする姿は「見苦しい」の一語だ。
このような状況が続けば、ますます政治に対する無関心層が増えるのではないかと危惧していた。
しかし日頃の忙しさ追われて政治への関心が薄れていた人たちが、コロナ過の引きこもりを契機として政治に対してまともに向き合おうという姿勢になって来た。
こんな中で今注目を集めている映画があるという。
大島新(父親は大島渚)監督が制作したドキュメンタリー映画「なぜ君は総理大臣になれないのか」である。
小川淳也(香川県出身、当選5回)
94年自治省に入省、2005年初当選。民主党、民進党、希望の党を経て、無所属となり現在立憲民主党代表特別補佐。
大島監督の奥さんと小川夫婦が高松高校の同期の縁でつながりができたという。
大島監督は次のように語る。(3年半ほど前)
なんで、小川さんみたいな誠実で優秀な人が、自民党の議員ではないというだけで、あんなわけのわからない2回生より(格付け)が下なのだろうと憤りを感じました。小川さんに対しても、「あなたは、初めて会った13年前の2003年に、俺に”総理大臣になる”って言ったじゃないですか。なんで、なれないのですか」という思いを持ちました。
私自身、今から30年ほど前に高松で単身赴任したことがある。
それだけに高松に対する思い入れがあり小川淳也議員については前から注目していた。
特に国会中継(予算委員会)でのデーターに基づいた質問は鋭く、頭の良さは折り紙付きだ。
高松高校は香川県の優秀な人材が集まる高校だから当然なんだろう。
応える安倍晋三はまともに答えられず関係ない話を長々としゃべるか、時々切れて傍聴席のヤジに反応するだけ。
政治家の資質に「清濁併せ呑む」というのがある。
おそらく小川淳也にとって、もっとも不得手な分野なのだろう。
しかし小川淳也には才と誠がある。
不得手を嘆かず自分の持ち味を存分に発揮すべきだろう。
西郷隆盛遺訓
夫れ天下誠に非れば動かず、才に非ざれば治まらず。
誠の至る者其の動く也速やか、才の周ねき者その治むる也広し。
才と誠と合し然後(しかるのち)事をなすべし。