行雲流水の如くに

派閥解体は使命感喪失による必然の流れーー特に宏池会と清和会

自民党の派閥による裏金作りが露見して追い詰められたためか、岸田首相は「宏池会」解散を決めた。

「宏池会」と言う名は、池田勇人が創始者である。

高崗のうてなに臥し以て宏池に臨む   後漢 馬融

高楼から広い池を見渡すような余裕のある心持で、いつもあわてず騒がずに政治を行うべし、という意味だ。

首相になった池田勇人は「国民所得倍増計画」を発表し、日本の経済成長の原動力になった。

「寛容と忍耐」を標語に掲げ「私はウソを申しません」を連呼したのは、

前任者が岸信介(安倍晋三の祖父)だったからだろうか。

 

岸田文雄は明らかに池田勇人を真似している。

しかし両者の人間の度量が違うし、池田には「この国を良くしよう」という高い志があった。

岸田が宏池会終焉の役割を担うのはそれなりの必然性がある。

権力欲だけでこの国の経綸は出来ない。

また裏金作りの巣窟になったような感のある「清和会」も当初は違った。

「清話会」の創始者は福田赳夫。

清廉な政治は人民を穏やかにする、という意味の「政清人和」(晋書)。

しかしこの汚れようは何としたものか。

 

自民党の派閥の解体は、起きるべくして起きた。

当初の高い志を忘れてカネまみれの政治に堕した結果であろう。


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コメント一覧

megii123
kenちゃん、こんにちは。
カネとポスト絡みの派閥は、当面なくなるでしょうが、残念なことですがまた遠からず復活するでしょう。
人類が生まれてこの方、集団で生活することが生き延びた大きな原因でしょう。脳内に刷り込まれていますから、簡単には無くりませんね。

「先輩には嫌われましたが何より同輩・後輩が慕ってくれました」
これがkenちゃんの真骨頂ですね。
まさに派閥のボスになっていたでしょう。(笑い)

麻生太郎は偽悪者ぶっていますが、下の者から見たら案外仕えやすいのかもしれません。
knsw0805
行雲さん、おはようございます。
派閥というもの、庶民にとって「弊害あって一利なし」ですが、自民党議員にとっては「自分を守る盾と甘い利益の享受」でなかったのかと思います。日本は昔から村社会・村八分の世界ですよね。議員は一匹オオカミは怖かったと思います。私が議員だったらどうだったかといつも考えます。前に書きましたが私も村を作るのは物凄い上手ですし、先輩には嫌われましたが何より同輩・後輩が慕ってくれました(爆)やはり田中角栄あたりから金権政治・金まみれの政治が横行したと思います。私が意外だったことは、小さかったあの麻生が弱小派閥を上手いこと吸収して大派閥まで成長したこと、ここに日本型村社会の悪しき例が潜んでいると思います。私も無論行雲さんと同じ意見「派閥解消論」です。
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