行雲流水の如くに

見え始めたロシアの敗北のシナリオ

ロシアがウクライナに侵攻して半年がたった。

ロシアのプーチンは強気を装うが、戦略面と経済面において苦境に立たされつつある。

 

戦略面ではNATO諸国から提供された高性能のミサイルが、ロシアの後方基地を攪乱している。

特に東部や南部などへ軍需物資を送るための兵站基地であるクリミヤ半島を叩いているのが効果的だ。

ウクライナは、ロシアとまともにぶつかる前線ではどちらかというと守りに徹している。

戦局が不利な時は躊躇なく撤退している。そして相手のスキがあれば再度奪還している。

そして高性能兵器でロシア軍後方の飛行場や弾薬庫、指令本部などを叩くとともに、ゲリラ組織を敵の奥深くに潜入させているようだ。

この戦法はランチェスターの「弱者の戦法」と言われるもので、非常に賢い戦い方だ。

 

経済制裁がじわりと効きだしているようだ。

ロシアの強みは石油と天然ガスが豊富にあることだ。

そのパワーを利用してヨーロッパ(特にドイツ)に脅しをかけていたのだが、これはロシアにとっても痛しかゆしの戦法だ。

NATO諸国が天然ガスの輸入代替先を見つけたり、石炭火力を再度使用すれば何とか乗り切れる目処が立ちつつある。

この天然ガスはパイプライン以外で運送するのが難しいのでロシアは他の地域に転売できない。

それで余った天然ガスを1日当たり1000万ドル(14億円ほど)燃やしているという。

そんなこんなで外貨準備高はピークに比べて11兆円減少しているらしい。

 

ロシアは徐々に追い詰められつつある。

しかしバイデンのアメリカは慎重だ。追い詰めすぎて「窮鼠猫を噛む」事態を避けようとしている。

それは核の使用だが、そのようなことはだれも望まない。

それだけに「この戦争の終わらせ方」が極めて大事になってくるのだ


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コメント一覧

megii123
田尾さん
貴重なご意見ありがとうございます。
現場に密着した事実は、私も参考になりました。
ありがとうございます。
いかなる理由があろうが、他国を軍事力で侵略する行為は許されません、私もまったく同意いたします。
田尾
2010年からウクライナとロシアに個人的に関わってきた経験から申し上げますと 
まず
2014年の政変はヤヌコビッチ元大統領がEU加盟の仮調印を反故したことによってキーウの大学生達が独立広場でデモを始めた事に共鳴した市民達のデモに対して警察、SBUが暴力的に抑え込もうとした事に暴力的に対抗した結果、ウクライナ最高議会でヤヌコビッチ元大統領が弾劾されロシアに逃亡し新政権が誕生したと解釈しています。
その過程で欧米、ロシアがどれだけ関与したのかは公判を維持できるだけの確たる証拠があるのでしょうか?私は見た事がありません。
現在もウクライナではウクライナ最高議会がこの戦乱の中で機能しています。
2014年も機能していました。
クリミヤ侵略当時、プーチンは軍を派遣していなかったとメディアで発表していましたがその後、軍を核の準備と軍を派遣していたとメディアに述べています。

ドンバスにおける親露派の武装蜂起はウクライナ政府からテロリストとして国内法で指定されています。
これに武力を持って対応しているウクライナ政府をロシアは非難できる立場にはないと思います。
更にそのテロリストに武器支援、ロシア軍の介入とやりたい放題だと思います。
ウクライナ政府軍とテロリストとロシア軍との闘いにおいて多数の住民が巻き込まれ犠牲になっています。
親露派やロシアは市民に多数の死傷者がでていると訴えますが、親露派のテロリスト民兵もその数字に含まれています。

現在のウクライナへの全面的なロシアの侵略も含めてロシアが軍事介入侵略をしなければこのような状態にはならなかったのは間違いないでしょう。
どこの国だろうと他国への侵略はどのような理由があろうとも認められません。

人殺しにも理由があるようにロシアが侵略を始めた理由があるでしょう。
しかしそれを認める事は法治社会を否定する事になります。
megii123
文化系さん
2014年にウクライナで何が起きていたのか?
ある程度アメリカの仕掛けがあったと思いますが、ロシアかNATO諸国かという選択について、ウクライナ国民はNATO寄りを選択したわけです。
それを不満だからと言って武力を絡めた簒奪は許されるものではないでしょう。

ウクライナ国民はロシアの侵略に大きな怒りと悲しみを抱いています。
だから彼らは立ち上がったわけで、そうでなければロシア軍の侵攻を喜んで迎え入れたでしょう。
9vs9qvsq
今回はたった一言。
2014年の反政府暴力革命、親ロシア政権転覆をアメリカが導いたことはシリアでの画策と同じ。これに対して反対勢力が東部とクリミアの独立目指してロシアに頼んだ。ここでもう戦争が起こっているんですよね。以降この2月まで1万人も死んでいるのだから。
言いたくはないけれど、イラク戦争と比べたら、遙かに説得性がある。あっちはあっち別の話だけど、あのときこれだけアメリカを責めたのか、日本の新聞などは?
megii123
文化系さん
確かにロシアのプーチンにとって、言いたいことは山のようにあるでしょう。
しかし自国が攻められたらまだしも、他国に侵略してそれを正当化することは認められません。
正当防衛が認められるのは相手から殴られて身の危険を感じた時に反撃が許されます。
今回は宇宙衛星ですべてロシアの行状は捕らえられています。

この戦争は、ロシアがもうこれ以上戦争を継続できない、と思う段階まで続くでしょう。
それがウクライナを介した米ロの戦争の一形態なのでしょう。
9vs9qvsq
 2022年2月のウクライナ前段階を僕は書いてきました。2014年の新ロシア政権への暴力革命、大統領逃亡という事件の事です。その時のウクライナ新政権人事について米大使館が決めたに等しいという西欧では有名な証拠ニュースも紹介してきました。そのあと東部とクリミアとの「独立」にロシアが動きました。同時に、ここに「アラブの春」の最後、シリアとは逆方向の「成功」を僕は見たのです。以降、東部ではずっと戦争状態が続き今年2月までの死者は1万人と言われています。
 こここに、ウクライナのNATO接近が加わっていった。

 ロシアはこのアメリカの画策に、自国の滅亡を予感し始めたということなのです。

 このすべての経過を、「戦争を仕掛けたロシアが悪い」と言って、事態は治まっていくでしょうか。

 という以上すべくをもってこそ、「アメリカの世界地政学を見よ」と言っているのです。上にその内容も書きました。イラク戦争。アラブの春とその結末。そして今、ロ・ウから中国・台湾へ。このようなことを話して来たつもりなのですが。
megii123
文化系さん
今回のロシアによるウクライナ侵攻は、どう考えてもロシアの味方をするわけにはいきません。
明らかに侵略戦争です。
ウクライナにとっては正義の戦いです。
どうしてもウクライナ側に立った見方をするのはやむを得ないと思っています。

その上で、ロシアが輸出できない天然ガスを燃やしているのは事実のようです。
明らかに天然ガスの輸出量は減少しています。
さらにそのせいもあって外貨準備高は減少しているのは事実です。
英米の悪さ加減(金融戦争を仕掛けているなど)はまた別の次元で問題にすべきでしょう。
明白に他国の領土侵害を行っているのはロシアです。
中国も習近平体制になってから他国への恫喝を隠さなくなりました。
ロシアのウクライナ侵略を許せば、世界中が強いもの勝ちの世界になり許されるものではありません。
9vs9qvsq
 この見方には賛成しかねます。日本の新聞は、西欧以上に英米ニュースしか流さないから。ただし、英国はアメリカよりももっと急先鋒なのですが、これは自ら飛び出したEUにエネルギーを売るのが生命線だからで、イギリスの動きを西欧の動きと見るのは違う。
 また、国連による、マウリポリ陥落前後の「命の通路」作りの動きと、穀物輸出での国連・トルコ調停とは極めて意味深なものがありました。国連、トルコが英米を信じているにしては、失敗もあったりして、複雑な動きだったと思います。何度かやり直して、秘密主義に徹して行ったところがある。

 何度も述べて恐縮ですが、ロ・ウ戦争は、いくらロシアがまず悪いにしても、そこだけ指摘しているだけでは地球が悪くなっていくだけだと考えます。英米発祥の金融株主利益第一主義経済による世界支配と、そのための米、中国対策とを視野に入れなければロ・ウ戦争の本質も見えてこないと思います。

 ここでは、アメリカと日本の相対的貧困世代の多さを思い描いてほしいです。ただ、これで中国を批判してはいけないと思う。今の中国は、日本の60年代段階同様の農村激動を抱えている段階ですから。日本がアメリカ経済に追随して20年で、購買力平価一人当たりGDPの世界順位が30位も落ちたことも思い出してほしいです。
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