サリバン米大統領補佐官は、中国の習近平国家主席と会談した。
会談が実現したのは、偶発的な衝突への双方の危機感の裏返しともいえる。
米国もそうだが中国も外交にかけてはしたたかである。
表面ではいかに強硬な姿勢を見せても、一方で必ず対話のチャンネルを作ってあるのだ。
日本の対中外交の腰の引け方は誠に情けない。
85歳の二階元幹事長が「日中友好議員連盟」の会長だという。
今回は習近平主席に合えず、序列第3位の超楽際氏と会談した。
老体に鞭打って中国の領空侵犯や原発処理水の改善を求めたが、儀礼的な対応で終わったようだ。
国会議員、特に自民党では「親中派」とみられることに警戒感が強いという。
国益を考えた場合に米国は大事だが中国との関係も大事だ。
日本政府は「戦略的互恵関係」という立場を維持している。
ところが自民党の議員たちは何をビビっているのか及び腰だ。
アメリカの顔色ばかりを窺って中国には強気の発言をする。
そんなに言いたいことがあれば直接中国の要人に会って言えばよいのだが、そんな勇気も無いのだろう。
まさに「犬の遠吠え」だ。
日本政府内(外務省)では「中国との交流で旗を振る人がいなくなってしまう」と懸念する声が上がっている。
二階元幹事長は毀誉褒貶のある人だが、師と仰ぐ田中角栄の遺志を継ぐ思いは評価してよい。
関係が悪い時ほど緊密にコンタクトすることは必要なことだ。