岸田政権の外交戦略は米国第一、外交戦術は「後の先」と「バラマキ外交」の併用。
米国第一の戦略は分かりやすいが、他の国からの評価は限定的になる。
親米なのか従米なのか、どちらだと言えば従米に近いだろう。
後の先とは、相手の攻めを利用して逆に相手を攻めること。
武術や囲碁・将棋でよく使われる言葉。
韓国との「徴用工問題」は、尹大統領の日韓問題を解決したいという思いを上手く受け止めて対応したが、これが後の先の戦法だ。
これで最終的に解決するかどうか確かではないが、とりあえずお互いの喉に刺さった骨を抜きましょうということだ。
インド訪問では、外交力では相手の方が数枚上手。
アメリカ、ロシア、中国との間を等距離で泳いでいる。
日本としては、「カネ」をばら蒔いて大盤振る舞いするしか手はないだろう。
今回の訪問で2030年までにインドを中心とするグローバルサウス国に9兆8千億の支援をする。
有償なのか無償なのか不明だが、途中で資金が返済されず消えてなくなる可能性は十分ある。
「バラマキ」をするためには「カネ」が必要だが、日本国内には使われない金が有り余っている。
このカネのあり場所が偏在していることは大問題だが、次の理由による。
(一つには大企業がせっせと内部留保をため込んだ)
(二つには非正規労働者を増やして個人所得の上がらない国にしたが、富裕層は資産を増やしている)
1代目、2代目が汗水流して稼いだカネを3代目がばら蒔いている構図。
国内ならまだしも国外にもばら蒔く。ばら蒔きは所詮虚しいものだ。
そのうちこの日本国が、「売り家と唐様で書く3代目」にならないことを切に願うのみだ。