万のことは、月見るにこそ慰むものなれ。
或る人の、「月ばかりおもしろきものはあらじ」といひしに、またひとり、「露こそあはれなれ」と争ひしこそをかしけれ。
折にふれば、何かはあはれならざらむ。 徒然草第21段
暑かった夏も終わり(北海道は30度超えた日は1日か2日だったが)、秋の気配が段々忍び寄ってきた。
この時代に使われていた「あはれ」は心から感動する様を言うのであろう。
このところコロナ騒ぎで「あはれ」どころではない。
少しこころの余裕を持ちたいものだ。
世界を見渡せばわが身の事で精いっぱいで、主導する国がない。
ガキ大将のアメリカと中国が、殴り合いの喧嘩。それなりに仲良しの演技くらいしたらどうだろう。
アメリカの好感度が急落しているという。当然だ。
日本でも昨年の68%から今年は41%だ。
悪い連中といるよりは、一人でいる方がましだ ジョージ・ワシントン
秋の夜長は、一人静かに酒を飲み、来し方行く末を考えるのも良い。
巷にさまよい出てコロナにかかるよりはずっと良い。
白玉の歯にしみとほる秋の夜の酒はしずかに飲むべかりけり 若山牧水
もっとも若山牧水は酒を飲みすぎて肝硬変になったそうだ。いずれにしても飲みすぎはいけない。
日米安保条約があるから米国とは仲良くしなければならない。
しかしすべて言いなりになって従属すべきではあるまい。
中国ともそれなりにつきあうのも必要。
イアン・ブレマーは「ピボット国家」論を唱える。
片足を軸にして旋回し、複数の国と関係を持ち、その時々によってつきあう相手を変え、それによってリスクを分散できる国。
日本はこんな器用なことは出来ないだろう。
国を保つには、すべて自力でやる覚悟が必要。他国を過度に頼りにしてはいけない。
ヤマボウシの実が赤くなり始めた