菅首相自身がどこかのインタビューで、「自分には国家観がない」と語っていた。
NO2のままなら、それもありであろう。
しかし一国の首相になったならば、それでは困る。
だが自民党が、菅、岸田、石破の中から、それでも良いと思って選んだのだから、やむを得ない。
このところの首相会見での発言を聴いていると、「規制改革」に思い入れが深いようだ。
この言葉を聴いて思い出すのが、新自由主義の政策に舵を切った小泉・竹中路線だ。
竹中総務大臣の時の副大臣が菅義偉だ。これで思考の回線がつながった。
またこの数年、デービッド・アトキンソンからも話を聞いて経済関係の勉強をしているという。
彼も「新・生産性立国論」などで主張しているようなガリガリの新自由主義者。
もっともデービッド・アトキンソンの主張の半分くらいは賛同するところもあるのだが。
新自由主義と民主主義は、相性が良くない。
新自由主義を突き詰めていくと、格差が拡大し最終的に民主主義を破壊する。
民主主義の基本的な原理は、「平等」だから。
小泉政権以降、日本がギスギスした社会になっていったのは、新自由主義志向のせいだ。
2009年に誕生した民主党政権もこの流れの中にいた。
無駄排除の行財政改革などの主張がそうだ。
しかし最近の枝野幸男は新自由主義から脱皮したようだ。
格差是正に舵を切った。
1年以内にある総選挙の争点は、
格差是正・社会保障充実の大きな政府指向か、規制緩和による競争重視の小さな政府か、になるだろう。