どもども。
前回に引き続き,今年の東北大入試(後期)理系数学の第1問をやっていきます~
問題はこちら
前回:http://blog.goo.ne.jp/mathnegi/e/fab5be206484546f5b690be5269a4275
今回も(1)についてやっていきます~
前回は主に2^x=X,3^y=Yなどと変数変換して解く標準的な解法パターンで
取り組んでみましたが,今回は変数変換しないで2変数の指数関数だと思って
問題の条件式が表す領域を考えて解くパターンを考察してみます
無論,標準的な解法よりもめんどくさいです
敢えてやってみる,という趣旨でやっていきましょう~
問題文で与えられているのは
4^x-4・2^x+9^y-2・3^y≦-1 という不等式です。
そこで,ℓ≦-1を満たすℓに対して曲線 4^x-4・2^x+9^y-2・3^y=ℓ を考えます
ℓを変化させて,この曲線の軌跡を調べることによって
4^x-4・2^x+9^y-2・3^y≦-1 が表す領域Dを把握することが出来ます
4^x-4・2^x+9^y-2・3^y=ℓ を「y=」のかたちで表示します
まずはf(x)について考えていきましょう~
f(x)=log()の形をしていますが>0なので真数条件は常にクリアしてますね
でもxの動きうる範囲は全実数では無さそうです。
また,ℓの値によっても曲線の形が違ってきそうです。
ℓ<-5のときは曲線上の(x,y)は存在しないようですから
-5≦ℓ≦-1の場合を考えればよい,そしてℓ=-1の場合だけ形が他と違う,
とりあえずそういうことが分かりました
それでは微分して増減を調べてグラフを描いてみましょう~
ℓ=-1のときだけx→-∞のときf(x)→0となっていて
-5≦ℓ<-1のときはℓ=-1の曲線をクシュッと萎ませたような形になっているようです
次はy=g(x)について考えましょう。今度は真数条件も必要です。
今回も-5≦ℓ≦-1の場合を考えればよさそうですね
なんとか問題文の条件式が表す領域を図示することが出来ました
領域Dの境界は上下ともℓ=-1のときの曲線になっています~
この領域と曲線 2^x+3^y=k が共有点を持つようなkの範囲を求めればいいわけですね!!
y=F(x)のグラフは右下がりの曲線であることが分かりました。
どうも第1象限で領域Dと接することがありそうですよね。
第4象限では微妙です
まずは第1象限で接するときのkを求めてしまいます。
なんともウンザリする連立方程式
解く気なんか起きやしません。て言うかキレイに解けるのかコレ
…と思って式をいじってみたら,意外とイケたりしました
y=F(x)のグラフはx=log_2 (k)を漸近線として持つので,とりあえず
log_2 (2-√3)<k≦3+2√2 のときは,y=F(x)のグラフは領域Dと共有点を必ず持ちます
では,log_2 (2-√3)≧k のときはどうなんでしょう。
実は常にy=F(x)のグラフは領域Dの下側に位置して,そのおかげで共有点を持たなくなってしまいます。
そのことをこれから確かめていきます
ちなみに境界曲線とy=F(x)のグラフが交点を持たないことを示せばOKです~
漸近線 y=log_3 (k)(<0) がy=0より下側にあるため,境界曲線との交点が無ければ常にy=F(x)のグラフのほうが境界曲線より下にあります。
交点を持つと仮定して矛盾を導く,すなわち背理法!
それを試してみましょう
いま求めたtが0<t<kを満たさないことを確かめるには,
k≦tとなっていることを言えばよいわけです
以上をまとめて,答えの範囲を得る,ということでおしまいです
おとなしく変数変換してとくほうが何倍も早いし明瞭ですね
お疲れ様でした
前回に引き続き,今年の東北大入試(後期)理系数学の第1問をやっていきます~
問題はこちら
前回:http://blog.goo.ne.jp/mathnegi/e/fab5be206484546f5b690be5269a4275
今回も(1)についてやっていきます~
前回は主に2^x=X,3^y=Yなどと変数変換して解く標準的な解法パターンで
取り組んでみましたが,今回は変数変換しないで2変数の指数関数だと思って
問題の条件式が表す領域を考えて解くパターンを考察してみます
無論,標準的な解法よりもめんどくさいです
敢えてやってみる,という趣旨でやっていきましょう~
問題文で与えられているのは
4^x-4・2^x+9^y-2・3^y≦-1 という不等式です。
そこで,ℓ≦-1を満たすℓに対して曲線 4^x-4・2^x+9^y-2・3^y=ℓ を考えます
ℓを変化させて,この曲線の軌跡を調べることによって
4^x-4・2^x+9^y-2・3^y≦-1 が表す領域Dを把握することが出来ます
4^x-4・2^x+9^y-2・3^y=ℓ を「y=」のかたちで表示します
まずはf(x)について考えていきましょう~
f(x)=log()の形をしていますが>0なので真数条件は常にクリアしてますね
でもxの動きうる範囲は全実数では無さそうです。
また,ℓの値によっても曲線の形が違ってきそうです。
ℓ<-5のときは曲線上の(x,y)は存在しないようですから
-5≦ℓ≦-1の場合を考えればよい,そしてℓ=-1の場合だけ形が他と違う,
とりあえずそういうことが分かりました
それでは微分して増減を調べてグラフを描いてみましょう~
ℓ=-1のときだけx→-∞のときf(x)→0となっていて
-5≦ℓ<-1のときはℓ=-1の曲線をクシュッと萎ませたような形になっているようです
次はy=g(x)について考えましょう。今度は真数条件も必要です。
今回も-5≦ℓ≦-1の場合を考えればよさそうですね
なんとか問題文の条件式が表す領域を図示することが出来ました
領域Dの境界は上下ともℓ=-1のときの曲線になっています~
この領域と曲線 2^x+3^y=k が共有点を持つようなkの範囲を求めればいいわけですね!!
y=F(x)のグラフは右下がりの曲線であることが分かりました。
どうも第1象限で領域Dと接することがありそうですよね。
第4象限では微妙です
まずは第1象限で接するときのkを求めてしまいます。
なんともウンザリする連立方程式
解く気なんか起きやしません。て言うかキレイに解けるのかコレ
…と思って式をいじってみたら,意外とイケたりしました
y=F(x)のグラフはx=log_2 (k)を漸近線として持つので,とりあえず
log_2 (2-√3)<k≦3+2√2 のときは,y=F(x)のグラフは領域Dと共有点を必ず持ちます
では,log_2 (2-√3)≧k のときはどうなんでしょう。
実は常にy=F(x)のグラフは領域Dの下側に位置して,そのおかげで共有点を持たなくなってしまいます。
そのことをこれから確かめていきます
ちなみに境界曲線とy=F(x)のグラフが交点を持たないことを示せばOKです~
漸近線 y=log_3 (k)(<0) がy=0より下側にあるため,境界曲線との交点が無ければ常にy=F(x)のグラフのほうが境界曲線より下にあります。
交点を持つと仮定して矛盾を導く,すなわち背理法!
それを試してみましょう
いま求めたtが0<t<kを満たさないことを確かめるには,
k≦tとなっていることを言えばよいわけです
以上をまとめて,答えの範囲を得る,ということでおしまいです
おとなしく変数変換してとくほうが何倍も早いし明瞭ですね
お疲れ様でした