紫の物語的解釈

漫画・ゲーム・アニメ等、さまざまなメディアにひそむ「物語」を抽出して解釈を加えてみようというブログです。

【王ドロボウJING】のセリフにしびれる憧れる

2010-06-24 23:15:55 | コミック全般
【王ドロボウJING】という漫画をご存知だろうか。
1995年~1998年まで「コミックボンボン」で連載されていた怪盗モノの漫画である。
輝くものは星すら盗むといわれる伝説の"王ドロボウ"の少年「ジン」と
ジンの右腕と合体してエネルギー弾を吐く鳥「キール」が活躍する冒険物語なのだが、
「コミックボンボン」という児童向け漫画雑誌に連載されていたにもかかわらず、
作者・熊倉祐一氏の圧倒的な画力と、セリフやら演出やらの不思議なセンスは
あきらかに他の連載陣と一線を画しており、ボンボンの中では異色の作品であった。
しかも、連載を重ねるにつれて、画力と物語センスはどんどん向上していき、
最終的にはとても児童向けとはいえなくなってしまい、掲載紙を
「月刊マガジンZ」へと移した。
現在は休載扱いとなっており、再開は未定である。

今回は、そんな【王ドロボウJING】の魅力的要素のなかから、
"セリフまわし"に着目し、その秀逸さを紹介しようと思う。


  ことば遊び



大男の腹に風穴を開けるジン。
しかし、大男はゾンビであるため、痛みをまったく感じない。
「ふ、腹痛も感じませんか?」というキールの問いに、
「片腹は痛てーぜ!」と大男の決めセリフ。

こういったやりとりが【王ドロボウJING】のセリフまわしの基本形である。
解説するのもアレだが、この場面は物理的に"腹が痛い"ということと、
慣用句である"片腹痛い"をかけているワケだ。一種のことば遊びである。
これは小さい子にわかるかな~。わかんねーだろうな~。



また、身体がすべて金貨で出来ている敵との交戦において、
「小銭(バラバラ)にくずしてやるぜ!」
「無理無駄無謀…あいにくとこまかいのがなくてねぇ」
とか、ステキトークですよ。
もう、小銭と書いて"バラバラ"と読ますとか、オシャレ!


  各話のテーマにちなんだセリフまわし

【王ドロボウJING】は、「ドロボウの都編」「第七監獄編」といったように、
数話ごとに構成される独立した物語の連続となっている。
各物語には"テーマ"が存在し、セリフまわしもそのテーマと絡めてあるのだ。

たとえば、「時の都アドニス編」では、"時間"が大きなテーマとなっているので、
アドニス編では"時間"や"時計"にまつわるセリフが多用される。



秒単位で門限に厳しい門番がいたり



「精密正確なアドニス時計でも、こいつらの動きを測れない」
 ↓
「ネジ巻きなおしたほうがいいぜ」
 ↓
「クダ巻いてるヒマがあったらな!」
のトリプルコンボ。ステキ!



アドニス編ラスボスの「ヴァン・ムスー」は、
「秒殺」だの「墓に一万分の一秒単位まで死亡時刻を刻んでやる」だの
時間トークが本当にお上手。

と、まぁこんな具合である。
今読み返してみても、この漫画がボンボンで連載されてたのが信じられない。
大人でも楽しめるステキセリフが満載ですよ。


  ステキセリフ大放出祭

さて、では以下にステキセリフのシーンを大放出することにする。
解説は一切なし。
本当なら良いセリフに解説などいらんのです。
では↓























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