最近北斗の拳を読み返して、いくつか心に突き刺さった台詞があったので
10個抜粋してみた。
引用範囲はラオウ編まで。ラオウ編以降はまた別の機会に気が向いたらやります。
では、一から見て行く。
「久しぶりに人間にあった気がする」 by ケンシロウ

暴力が支配する混沌の世界。人間同士が食料の奪い合いで命を落としていく時代。
そんな中、米をつくることで食料争いをなくそうとする老人がいた。
老人は半年間種モミを探し回り、ようやく一握りほどを手に入れて村へ持ち帰る途中であった。
老人の「今日より明日なんじゃ」という言葉がケンシロウの心を打ち、この台詞をつぶやかせる。
誰もが今日を生きるのに必死な中、明日を見据えて行動している老人に思い入れをして
老人と種モミを村まで送り届けようとするケンシロウ。
ケンシロウの守りたい人の基準がわかる重要な台詞だ。
「なおさらその種モミを食いたくなったぜ」 by KINGの雑兵

上でケンシロウに感銘を与えた種モミじいさんを襲った雑兵のひとりが放った台詞。
じいさんが、「種モミが実を結んだらあんたらにも分けてやる」と言っているにもかかわらず
あえて、そのままでは食い物にならない種モミを食おうとするヒネクレ根性がすごい。
時代が歪むと人間まで歪んでしまう様をまざまざ見せ付けるような思わずぞっとする台詞だ。
「同じ女を愛した男だから」 by ケンシロウ

自らに七つの傷を負わせた男・シンの墓をつくってやるケンシロウ。
「なぜそんな男に墓をつくってやるんだ?」とバットに聞かれて答えた台詞がこれ。
こののち、「同じ女を愛した男」が雨後の筍のように大量に現われることを、
このときのケンシロウはまだ知らない。
そういう意味で【北斗の拳】という漫画を象徴するような台詞。
「兄よりすぐれた弟なぞ存在しねぇ!」 by ジャギ

ジャギの襲った村で、足の不自由な兄をかばう幼い子供がいた。
その「よくできた弟」に大人気なくマジギレしたジャギが放った台詞。
この後、「おのれの無力さを思い知らせてやる」と弟を連れ去り、
巨大な石を弟の足につなぎ荒野に放つという外道っぷりを遺憾なく発揮する。
弟のケンシロウにコンプレックスを抱くジャギの行動原理のすべてが込められた台詞である。
「おれの天才の顔を!」 by アミバ

自分を天才と信じて疑わないアミバはとある村で足の悪い老人を発見し、
「おれが治してやろうと」としゃしゃり出る。
老人は「トキ様に診てもらっているのでいい」と断るが、
「心配するな、おれは天才だ おれに不可能はない」と強引に治そうとする。
そこをトキに咎められ、顔面をはたかれたときの台詞がこれ。
アミバはつっこみどころの多いキャラだが、この台詞もつっこみどころ満載である。
そもそもこの台詞、日本語の文法としてあやしい。
「天才のおれの顔を!」でもなく「おのれ天才の顔を!」でもなく、
「おれの天才の顔を!」
ぱっと読むと違和感ないように思うが、口に出して何回も読むと、なんかヘン・・・?
アミバの電波っぷりをあらわす迷台詞。
「きさまらが飢えても帝王は飢えぬ!」 by 聖帝サウザーの兵

聖帝サウザーが、大量の料理が載った食卓を「今日のは口に合わぬ」という理由で
クラッシュした際、奴隷の一人が床に散らばった食べ物を拾おうとした。
そこへ「聖帝様の料理に手をつけるとはおそれ多い!」とサウザーの兵が奴隷に蹴りを入れる。
そして間髪いれずにこの台詞である。
奴隷がどれだけ飢えようが、帝王には関係がない。
どうせ食わないんだからくれてやればいいのに・・・と思うが、そこが帝王なのだろう。
この北斗の拳の世界、引いては現代の格差社会を象徴するようなあんまりな台詞。
「意志を放棄した人間は人間にあらず!ただ笑いと媚びに生きてなにが人間だ」
by ラオウ

無抵抗の村を襲撃したラオウ。
「無抵抗は我々弱者の自分を守るべき唯一の武器なのです」
と村の代表者に笑顔でいわれ、ラオウのハートに火がつく。
この台詞を吐き、ものすごい恐怖を与え、とても笑っていられない状況まで追い込む。
ラオウの人生哲学がよくにじみ出た台詞である。
「その事を忘れねば うぬらをこの場で叩き殺す!」by 雲のジュウザ

「雲のように自由に生きる」という信念のもと、乱世を楽しく気ままに過ごそうとするジュウザ。
そこへ山のフドウの兵が助力を懇願しに来る。
ジュウザは自分は自由に生きたいから、と助力を断るが
フドウの兵に「気楽にふるまってるのは、"あの方"を忘れようとする哀しい行動にみえる」
と何かの図星を突かれ、思わずキレて発した台詞。
いままでのほほん、とした感じだったのにいきなり「叩き殺す」って・・・。
かたちを変える雲のように、感情の変化もはげしい雲のジュウザをあらわす台詞である。
「あなたの力を読めなかったばかりに余計なことを…海のリハク一生の不覚!」
by 海のリハク

天才軍師と名高い海のリハク。
南斗最後の将がユリアだと知ったラオウが、ユリアを奪おうと侵攻するのを止めるため
ラオウと対峙する。
さまざまなトラップを駆使して戦うリハクだったが、ラオウにかなうはずもなくピンチになる。
そこへケンシロウが現われ、ラオウと良い勝負を繰り広げる。
九死に一生を得た形のリハクだが、ケンシロウがラオウを追い詰めている間に
うっかり最後のトラップを発動してしまう。
トラップ発動により天井と床がくずれ、ラオウが落ちた先にはユリアがいて最悪のパターンに!
しかも、ケンシロウはそのトラップにより一時的に失明してしまう超最悪の状態!
さらにリハクはしっかりと盲目のケンシロウに助けられてるという恥ずかしい状態。
そんな中、出てきた台詞がこれ。
そりゃあ、一生の不覚だろう。恥ずかしくて、一生のトラウマになるだろうねこれは。
まぁ、おじいちゃんだから良いだろうけど。でも五車星で一番長生きするリハク。
「まるでデクの棒のように!我らが射らねば今ごろ拳王さまは」by ラオウの兵

ラオウと山のフドウの戦い。
ラオウとフドウ、臆した方を矢で射よと部下に命じたラオウ。
臆した方がたとえ自分であろうと、容赦なく矢を受ける覚悟のラオウは立派だが
部下にはイマイチそのニュアンスが伝わっていなかったらしく、
戦いの最中、ラオウがフドウに圧倒されたにもかかわらず、部下はフドウの方を撃った。
そして、呆然とするラオウに部下が放った暴言のような台詞がこれだ。
よくもまぁ、「デクの棒」なんてラオウに言えるものだ。すごく勇気のある部下だ。
まぁ、そのあと殴り殺されるわけだが。
そして、そのあと「きさまらなぜこの拳王を射なかった!!」と他の部下をも一喝。
震えた部下が「しかし、あのときフドウを射ねば・・・」と弁明すると

「どこまでも下衆なやつらよ!」
と部下を下衆よばわり。自分で雇っておいてそれはないんじゃないの、と。
部下が部下なら上司も上司だなぁ、という一場面。
オー人事でもした方がいいんじゃないか。
と、まぁ久しぶりに読むといろいろな意味で面白かった北斗の拳。
プレステ3で「北斗無双」も出るし、買ってみようかしらと思った今日この頃。

北斗無双 PS3版
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10個抜粋してみた。
引用範囲はラオウ編まで。ラオウ編以降はまた別の機会に気が向いたらやります。
では、一から見て行く。


暴力が支配する混沌の世界。人間同士が食料の奪い合いで命を落としていく時代。
そんな中、米をつくることで食料争いをなくそうとする老人がいた。
老人は半年間種モミを探し回り、ようやく一握りほどを手に入れて村へ持ち帰る途中であった。
老人の「今日より明日なんじゃ」という言葉がケンシロウの心を打ち、この台詞をつぶやかせる。
誰もが今日を生きるのに必死な中、明日を見据えて行動している老人に思い入れをして
老人と種モミを村まで送り届けようとするケンシロウ。
ケンシロウの守りたい人の基準がわかる重要な台詞だ。


上でケンシロウに感銘を与えた種モミじいさんを襲った雑兵のひとりが放った台詞。
じいさんが、「種モミが実を結んだらあんたらにも分けてやる」と言っているにもかかわらず
あえて、そのままでは食い物にならない種モミを食おうとするヒネクレ根性がすごい。
時代が歪むと人間まで歪んでしまう様をまざまざ見せ付けるような思わずぞっとする台詞だ。


自らに七つの傷を負わせた男・シンの墓をつくってやるケンシロウ。
「なぜそんな男に墓をつくってやるんだ?」とバットに聞かれて答えた台詞がこれ。
こののち、「同じ女を愛した男」が雨後の筍のように大量に現われることを、
このときのケンシロウはまだ知らない。
そういう意味で【北斗の拳】という漫画を象徴するような台詞。


ジャギの襲った村で、足の不自由な兄をかばう幼い子供がいた。
その「よくできた弟」に大人気なくマジギレしたジャギが放った台詞。
この後、「おのれの無力さを思い知らせてやる」と弟を連れ去り、
巨大な石を弟の足につなぎ荒野に放つという外道っぷりを遺憾なく発揮する。
弟のケンシロウにコンプレックスを抱くジャギの行動原理のすべてが込められた台詞である。


自分を天才と信じて疑わないアミバはとある村で足の悪い老人を発見し、
「おれが治してやろうと」としゃしゃり出る。
老人は「トキ様に診てもらっているのでいい」と断るが、
「心配するな、おれは天才だ おれに不可能はない」と強引に治そうとする。
そこをトキに咎められ、顔面をはたかれたときの台詞がこれ。
アミバはつっこみどころの多いキャラだが、この台詞もつっこみどころ満載である。
そもそもこの台詞、日本語の文法としてあやしい。
「天才のおれの顔を!」でもなく「おのれ天才の顔を!」でもなく、
「おれの天才の顔を!」
ぱっと読むと違和感ないように思うが、口に出して何回も読むと、なんかヘン・・・?
アミバの電波っぷりをあらわす迷台詞。


聖帝サウザーが、大量の料理が載った食卓を「今日のは口に合わぬ」という理由で
クラッシュした際、奴隷の一人が床に散らばった食べ物を拾おうとした。
そこへ「聖帝様の料理に手をつけるとはおそれ多い!」とサウザーの兵が奴隷に蹴りを入れる。
そして間髪いれずにこの台詞である。
奴隷がどれだけ飢えようが、帝王には関係がない。
どうせ食わないんだからくれてやればいいのに・・・と思うが、そこが帝王なのだろう。
この北斗の拳の世界、引いては現代の格差社会を象徴するようなあんまりな台詞。

by ラオウ

無抵抗の村を襲撃したラオウ。
「無抵抗は我々弱者の自分を守るべき唯一の武器なのです」
と村の代表者に笑顔でいわれ、ラオウのハートに火がつく。
この台詞を吐き、ものすごい恐怖を与え、とても笑っていられない状況まで追い込む。
ラオウの人生哲学がよくにじみ出た台詞である。


「雲のように自由に生きる」という信念のもと、乱世を楽しく気ままに過ごそうとするジュウザ。
そこへ山のフドウの兵が助力を懇願しに来る。
ジュウザは自分は自由に生きたいから、と助力を断るが
フドウの兵に「気楽にふるまってるのは、"あの方"を忘れようとする哀しい行動にみえる」
と何かの図星を突かれ、思わずキレて発した台詞。
いままでのほほん、とした感じだったのにいきなり「叩き殺す」って・・・。
かたちを変える雲のように、感情の変化もはげしい雲のジュウザをあらわす台詞である。

by 海のリハク

天才軍師と名高い海のリハク。
南斗最後の将がユリアだと知ったラオウが、ユリアを奪おうと侵攻するのを止めるため
ラオウと対峙する。
さまざまなトラップを駆使して戦うリハクだったが、ラオウにかなうはずもなくピンチになる。
そこへケンシロウが現われ、ラオウと良い勝負を繰り広げる。
九死に一生を得た形のリハクだが、ケンシロウがラオウを追い詰めている間に
うっかり最後のトラップを発動してしまう。
トラップ発動により天井と床がくずれ、ラオウが落ちた先にはユリアがいて最悪のパターンに!
しかも、ケンシロウはそのトラップにより一時的に失明してしまう超最悪の状態!
さらにリハクはしっかりと盲目のケンシロウに助けられてるという恥ずかしい状態。
そんな中、出てきた台詞がこれ。
そりゃあ、一生の不覚だろう。恥ずかしくて、一生のトラウマになるだろうねこれは。
まぁ、おじいちゃんだから良いだろうけど。でも五車星で一番長生きするリハク。


ラオウと山のフドウの戦い。
ラオウとフドウ、臆した方を矢で射よと部下に命じたラオウ。
臆した方がたとえ自分であろうと、容赦なく矢を受ける覚悟のラオウは立派だが
部下にはイマイチそのニュアンスが伝わっていなかったらしく、
戦いの最中、ラオウがフドウに圧倒されたにもかかわらず、部下はフドウの方を撃った。
そして、呆然とするラオウに部下が放った暴言のような台詞がこれだ。
よくもまぁ、「デクの棒」なんてラオウに言えるものだ。すごく勇気のある部下だ。
まぁ、そのあと殴り殺されるわけだが。
そして、そのあと「きさまらなぜこの拳王を射なかった!!」と他の部下をも一喝。
震えた部下が「しかし、あのときフドウを射ねば・・・」と弁明すると

「どこまでも下衆なやつらよ!」
と部下を下衆よばわり。自分で雇っておいてそれはないんじゃないの、と。
部下が部下なら上司も上司だなぁ、という一場面。
オー人事でもした方がいいんじゃないか。
と、まぁ久しぶりに読むといろいろな意味で面白かった北斗の拳。
プレステ3で「北斗無双」も出るし、買ってみようかしらと思った今日この頃。

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