昨日、15:04に牛恩恵から「お産ですよ、駆け付けてください」とのメールが、
和牛のお産を知らせてきました。
お客さんと談笑中でしたが、すぐ分娩房に駆け付けると、一次破水で体温センサーが排出され垂れ下がっていました。
16:00、胎児の姿勢を確認しておくかとモクシを付けて保定し
直検用手袋を装着(肩くらいまである薄いビニールの手袋)、消毒液で陰部を洗って、手袋も消毒。
直検してみると、両前足がそろっていて鼻と口が確認できるので、正常な姿勢です。
この状態ならば大丈夫、そのまま置いておいてもう少し待ってみることに。
(まだ2次破水(羊膜が破れていなかった)してなかったしね)
ただし、胎児がデカい、父親が諒太郎なのでやっぱりな~って感じでした。
ここで、携帯酸素の予備がないことに気が付きまして即行で買い出しに
もしものこともありますから、用意だけはしておかないと、後で後悔したくないのでね。
16:30、出産の兆候が表れましたので、新しい直検用手袋を装着して胎児の状態を確認。
頭もデカくて、向き(位置)がちょっと嫌な感じ、デカいので自力分娩ではなく引っ張り出してしまうことにしました。
引っ張りながら頭が逃げて横を向いてしまわないことを願って、、、
産科チェーンを両足にそれぞれ装着、チェーンにロープを括り付け
滑車を2個配置、ロープを南京縛りにして助産開始。
がっ、両前脚が出たところでストップしてしまい出てこない。
これはおかしい、やはり頭が横を向いてしまったのだろうと
再度新しい直検用手袋をして、確認してみると、やはり頭が横を向いてしまっていた。(-_-;)
助産はいったん中止で、足を押し戻しておきました。
引っ張ったときに頭が逃げないように、細いビニールの紐を頭の後ろに回して
頭だけ引っ張り、頭の向きを直してから助産しようと、紐を探してくるように指示。
ビニールのひもがなかなか見つからないので
胎児を押し戻したら頭を整復できないかと、手を入れ反対側の側頭部になんとか潜り込ませ
いじっているうちに頭が動いて整復ができた。(^^♪
頭が正常な位置に戻ったら陣痛が強く起こって胎児が出始まりました。
腰が閊えて(デカいから)ちょっと引っ張るのに大変でしたが無事分娩。
生まれた子牛はぐったりしていまして
目がちょっと嫌な感じで(生気が薄い)、そのままでは目の色が薄れて徐々に白くなり死んでしまいそうな感じでした。
すぐに携帯酸素をあてがい、酸素吸引(送り込むというか)。
酸素の噴出可能時間は120秒、左手で携帯酸素を持って噴出ボタンを押し、右手で口が開かないように抑え酸素吸引。
鼻と口が吸引しやすい位置に固定できるように保定を手伝ってもらいましたが
顔を拭いたタオルを頭に置き押さえていて、目が隠されていたのでタオルをどけるように指示。
目の様子を観察していると、徐々に生気が蘇ってきました。
噴出が終わるころには、しゃっきりとした目になって、もう大丈夫。ヽ(^o^)丿
分娩に時間が掛かってしまったので、一応逆さに吊るして羊水を吐かせました。
しなくても大丈夫だったかもしれないですけどね。(^^;
今回も、携帯酸素が大活躍、やっぱ必需品ですね~~~。
ドラマを見ているような感じです。
>しゃっきりとした目になって、
ますたあさんのGod Hand+携帯酸素ですね。
犬の散歩で出会った人の中に、家で犬のお産をさせたという話を聞いて、びっくりしたことがあります。
出した経験あります。正常分娩ならいいが
正常体位になっていないと難問です。
よかったですね
単に経験値が多いのでね。
どうやっても助けられない子がいて、何とかならないかとずーと思っていました。
もしかしたら携帯酸素が使えるかもと思いついて、
使ってみましたら効果抜群でした。(^^)v
生まれ出るまで子牛の肺はペシャンコで、臍の緒が切れると(牛は分娩時に臍の緒が切れて生まれます)
肺で自立呼吸を始めるのですが、
中には肺が動かない子がいるようです。
酸素を送り込んでやることにより、
肺が酸素を吸収することが刺激になって
自立呼吸を始めるようです。
>ワンコのほうが楽ですかねー
安産の象徴のような動物ですからね~。
あやかって犬の日に帯を巻くくらいですから。
前にも言ってましたよね。
昔は牛を飼っている家が多かったですからね。