1970年代に、青春を過ごした。
遅れてやってきた青年。
表題の、コピーもJJおじさんのパクリなら、書き出しの
遅れてやってきた・・・云々という表記も、どこかで聞いたことあるぞといわれると
面目ない。
JJおじさんといえば、ぼくのような団塊世代のものにとって、
決してファッション女性誌、JJ を一風変わったおじさんが読んでいるということではなく
JJおじさんこと、植草甚一という作家が、猛烈にバリバリ書いていましてね、
これがえも言われず過激でして、どんな風に過激かというと、此の人外国の雑誌を特に好み
都会を散歩し、山ほど本を買って、それが雑誌なら、いったんカフェに落ち着くや、
雑誌のつまらない広告ページをバリバリ破りそれから旨い珈琲を飲みながら読み出すなんて
ことを、正直に書くんですねえこれがまた。作家にとって某大広告代理店に目をつけられたら
いやな思いをすることもあるのでは・・・というくらい思ったことを自由に書く人だったようで
それが、ぼくが此の作家を大好きになったそもそものことでした。いいよねえ、闘う作家。
書く内容ももちろん革新的で、一気に好きになったというわけ。
それが、1960年代末からぼくの中で、おおすごいぞ・・・となり、70年代に入って
もっともっと注目するようになったというわけのものでした。
かっこよかったオジサン、ということだったのが始まりでした。
じつは、コラージュが本職、というくらいオリジナリティあふれたコラージュを作った人でも
ありましたが、もっぱらシュールリアリズムに心酔したお方であったようで、ぼくにはコラージュ
作品の良さが善くわからなかったなあ。
これは、1回では収まりそうにないぞ、
それに、さっき ピエロのジャケットで有名なチャールズ・ミンガスのアルバムのある曲を聴いたら
もうだめ。参っちゃっているんだ。
それくらい、ミンガスの面白さを教えてくれたのも、実に此の JJおじさんなのであった。
写真・文 石郷岡まさを


