まさみちゃんだよ

日常の活動報告

「高度プロフェッショナル制度」を問う。

2018-05-30 09:15:29 | 政治活動

 今国会で論議されている「高度プロフェッショナル制度」。政府や企業の「柔軟に働ける。早く帰れる。」といった甘い言葉に対し、過労死の遺族や労働側から「『働かせ放題』が可能になり過労死が激増する」といった反対の声が上がっています。当然です。

 労働時間規制は、19世紀の産業革命以来、生命と健康と生活時間を守るため、働く側が企業による働かせすぎに対する防壁として勝ち取ってきた労働者保護の原点です。働き方の国際基準を決めているILO条約が、「1日8時間」労働を掲げているのもそのためです。

 当初の「働き方改革」法案には、「高度プロフェッショナル制度」、「裁量労働制」の拡大という規制緩和が盛り込まれました。このうち裁量労働制の拡大は、データ改ざんが問題になって削除されました。ただ、裁量労働は、一定の残業時間と残業代を見込んで賃金が払われ、この契約時間を超えれば残業代が払われます。一応は、労働時間による規制がある働き方で、しかも働き手は自分の裁量で労働時間を決められることになっていますが、「高度プロフェッショナル制度」は、自分で労働時間を決める権限のない働き手について大幅に労働時間規制を外すという、雇う側が歯止めなく始業時間も終業時間も決められる制度です。


 職種要件も、金融ディーラーやアナリストなどの職種が上がっていますが、厚生労働省の省令で範囲を決められますので、国会の議決なしで範囲を広げていくことができます。労働者派遣法も当初13業務から始まりましたが、今では原則自由化されてしまいました。一部野党の要求で高プロ制適用への同意を働き手が後で撤回できるよう修正もされましたが、会社との力関係を考えると夢物語に過ぎず、とても通用しないと思います。



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