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まるたの日々

まるたです。少しばかり音楽と本とその他趣味の話を。

プレトニョフ/東フィル(サントリーホール、2013/3/13)

2013年03月15日 22時23分02秒 | クラシック音楽
行ってきました。

曲目は
ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番 ソリスト小川典子
ラフマニノフ 交響曲第2番

前半後半対照的でしたねー。

前半は最悪。
プレトニョフ、全くやる気無し(笑)。

小川典子は筋肉派なんでしょうね。
頭まで筋肉で出来てそうな演奏でした。
何か一生懸命プロっぽく聞かせようとはしてましたが
所詮は自分の物じゃないので、作り物感満載。

大体、ラフ2は、ピアノが伴奏に回ることも多くて
オケとの調和が大事なのに、ピアノの音がしてるときは
常に大音響でうるさいうるさい。
最初がフォルテからは始まるってお前はのだめか。

プレトニョフもやる気無くて、すごく適当な演奏でした。

東フィル、プレトニョフの組み合わせてでラフマニノフP協2番は
昔アンスネスで聞いた気がしますが、
あの時はすごく良かったな、とか思い出しながら
デリカシーのカケラも無い小川典子の演奏を聞いてました(笑)。

はっきり言って小川典子にラフマニノフは無理。


それとは裏腹に、後半の交響曲はすごかったです。
導入部から心臓鷲掴みにされた感じでした。
音とハーモニーの完成度が全く協奏曲とは違ってました。
リハの時間の殆どはこっちに費やしたに違いない感じでした。

東フィルは相変わらず弦が美しかったですが、
いつもの繊細な美しさだけではなく、
力強くて美しかったです。素晴らしいです。
今回は、木管も聞かせてくれたし、金管は時々ひっくり返ってたけど
何年か前に初めて東フィルを聞いたときとは比べものにならないくらい
上手でした。
打楽器もぽよよーんとか言ってなかったし。

一部にプレトニョフ節とか言ってた人もいましたが
あまりそんな気はしなかったですね。
割合、良くまとまった解釈と演奏。
でも、ラフマニノフの美しさに力強さを加えて、
すごく良かったです。
ラフマニノフってうっかりすると2級映画音楽みたいになっちゃうんですが
今回のは、そういうところが全く無く
非常に完成度の高い演奏でした。

なんだかんだで年に1回ぐらいはラフマニノフの2番聞いてますが
今まで生演奏で聞いた中で一番かも知れないです。

そういや、昨日のチケットは売り切れたらしいですね。
一昨日の名演が噂に上ったかな?
でも、小川典子にもだいぶブラボーが飛んでたので
(日本人って、音が大きい=迫力がある=良い演奏、って
意味不明の方程式を信じてる人多いですね。)
そっちの需要もあったかも知れません。




プレトニョフ/RNO@みなとみらい(2012/6/23)

2012年06月23日 19時45分27秒 | クラシック音楽
今日は良かったです。
オペラシティでやる気無さ全開だったオケも
この日はまあまあ真面目にやってました。

改めてパンフを眺めてみると、
前の日曜から今週の土曜まで全然コンサートがなくて
この間に休んで英気を養ったのかと思ったら
韓国ツアーに行ってたみたいですね。

今日の曲は
グラズノフ 中世より 前奏曲
グリーグ ピアノ協奏曲 ソロ 河村尚子
チャイコフスキー 交響曲第4番
です。

中世より、は、前回よりメリハリが付いていたし
前よりずっとオケの統制もとれてて
たんなる綺麗だけどつまらない曲じゃなくて
曲に強さがあって良く印象に残りました。

つづいてP協。
河村さんが登場したときに、貼り付くような笑顔だったので
まーたプレトニョフがソリストいじめたのかと思ったんですが
杞憂だったみたいです。

オケはピアノが演奏してるときは割合ちゃんと協調してましたし、
オケだけのパートの時には割合プレトニョフらしい表現もあって面白かったです。
河村さんのピアノはカデンツァとか第2楽章とかはとても良かったですが、
指使いが難しい所で指が回りきらなかったのが残念でしたね。
まあ、比較対象が去年のキーシンだったりするので仕方ないのかも。
でも、曲の内容的には河村さんのの方が好きです。

アンコールは
グリーグ 叙情小曲集より君の足下に
でした。
キーシンの時にも感じたんですけど、
グリーグのピアノ曲って出来損ないのラフマニノフみたいで
あんまり好きじゃないんですよねー。

続いてチャイ4。
これは十八番だけあってすごく良かったです。
ただ、あまりプレトニョフらしいところがなくて、
目をつぶって聴いて、これはアシュケナージの指揮だといわれれば
信じてしまうかも、という感じ。
実際予習に使ったアシュケナージ&ロイヤルフィルの4番の方が
ずっとプレトニョフみたいでした。
でも、オペラシティの時のような精彩に欠けるぼやけた感じがなくて
良かったですね。
プレトニョフ&RNOの古い方の録音の4番の3楽章がすごい好きなんですが、
今回の演奏ではピチカートが揃わなかったのが残念でしたね。

アンコールは
グラズノフ ライモンダからスペインの踊り。
プレトニョフの好きな曲ですね。
過去に東フィルでもRNOの来日でもアンコールでやったことがあるように
記憶しています。
これは手慣れたものでした。

今回の公演は全体的にプレトニョフらしさがあまりなく
オペラシティではオケの出来も酷くて
これは何だろうとつらつら思ったんですが、
今回の公演で、オケを良く眺めていると
譜面から一瞬たりとも目が離せず、指揮者の方なんか見る余裕もなく
時々間違えちゃって、テヘペロ(ホントに照れ隠しで笑ってたプロ意識無し)、
みたいなのがポチポチいるんですね。
ヴァイオリンの後ろの方とか、チェロの前の方とか、
ティンパニーとか。
若い人が多くて、学生アルバイトか新入団員かエキストラではないかと。

やっぱり例の騒ぎで、結構人も入れ替わって、
それ以前に練習時間が全然とれてないか、
個人レベルでもあんまり練習してないんじゃないかって気がしました。
結局、楽団員のレベルが下がってるんじゃないかなぁ。
だから、プレトニョフとしてもオケが付いてこれるレベルの無難な表現までしか
できないとか。
まあ、でも、原因は多分例の騒動だし、
プレトニョフ的には因果応報かも。
それに巻き込まれた観客はいい迷惑だった訳ですね。

今日の出来は決して悪くなかったけど
あそこまでプレトニョフらしさの無い音楽だと
オケのうまさと洗練された表現から
アシュケナージ&N響聴いてりゃ十分な気がしました。
N響はやっぱりうまいし、
アシュケナージは正統な作りでどうすれば人の心に響かせられるか
よく心得てますしね。

悪くは無かったんですけど、
次にRNOが来るときはディスカウントチケットが出るまで
チケット買うの止めとこうか、とか思いました。
ディスカウントチケット出なくても、
売り切れることも無いだろうから、
ぎりぎりでも買えると思うし。

てなとこで、仕事と関係ないところで妙に忙しい6月が終わりました。
あ、でもこの後6月末まで仕事が立て込んでるなぁ。

アシュケナージ/N響(2012/06/21、サントリーホール)

2012年06月22日 21時30分58秒 | クラシック音楽
普通に仕事が終えられたので、行ってきました。

曲目はオールシューマンで
マンフレッド序曲
ヴァイオリン協奏曲 ソリスト アナ・チュマチェンコ
交響曲第4番
です。

マンフレッドはなんかパッとしませんでしたねぇ。
まあそもそもがパッとしない曲なんで、
それ以上のものには出来なかったというところでしょうか。

つづいてヴァイオリン協奏曲。
とにかくソリストの音が小さくて。
響きも悪いし、音色も悪いし。
テクニックはうまいのかも知れませんけど、
まるたにはそれは分からないし。
それが分かる程難しい曲にも聞こえなかったし。
オケの編成がかなり小さいのに
その上、オケが必死に音絞ってるのが分かるんですよ。
聴いてるこっちの息が詰まりそうでした。

最初は、マンフレッドの切れが悪かったせいもあり、
まるたもそろそろいい歳で、
耳が悪くなったせいで高調波が良く聞こえないのかと
思ったんですよ。

でも、途中にあったオーボエかクラリネットとソロの掛け合いのところで
明らかにヴァイオリンソロの音が負けてましたし、
次の交響曲でのコンマスのソロは
遙かに大きい編成の中でそれほど音を絞ってもいないのに
ちゃんと響いてきましたから、
やっぱりソリストの問題なんだろうと。

ってことで内容云々のレベルじゃなかったです。
もうお歳みたいだし、協奏曲は無理なのかも。

つづいて、交響曲第4番。
今回のアシュケナージで、これが一番だったかも。
シューマンは正直、まるたにはつまらないんですが、
これは良かったですねぇ。
正しく譜面通りに演奏させるなら、
何を強調して、何を引っ込めて、どうコントラストをつけて
何を観客に聴かせるをちゃんと決めなきゃいけないというのが
良く理解できる作りでした。
#まあ、プレトニョフのこの間の演奏会と比較してたんですが。

シューマンのシューマンらしいところ、
どこか子供の情景とかクライスレリアーナとかを彷彿とさせる部分がありながら
ブラームスの1番や4番のようなイケイケなノリがあり
だからといってブラームスみたいに冗長でも散漫でもないし
良くまとまってて楽しかったです。

アシュケナージ、最後に、楽団員から花束もらってましたが
なんか、今生の別れみたいでちょっとヤな感じでしたね。
次のシーズンは確かにアシュケナージ来ないんですが、
その後も永遠に来ないんだろうか。
んー。まあ、それならN響行かないだけだし、ま、いいか。

明日はプレトニョフだ・・・。

アシュケナージ/N響(2012/06/16、NHKホール)

2012年06月16日 21時50分35秒 | クラシック音楽
連チャンです。

曲は
コダーイ ガランタ舞曲
バルトーク ピアノ協奏曲2番 ジャン・エフラム・バヴゼ
R.シュトラウス ツァラトゥストラはこう語った
です。

実はガランタ舞曲とバルトークは途中で寝落ちして
記憶がありません。
ガランタ舞曲は出だしが遅かったですねー。
途中で戻ってましたが、
ツァラトゥストラも出だし遅かったし
あれはなんなんでしょう。

気を取り直して
ツァラトゥストラですが、これは良かったです。
R.シュトラウス特有の弦を高い音で綺麗に奏でる部分が
アシュケナージと良くあっていて、
またコンマス堀さんのソロが綺麗で
良かったです。

N響ファンは麻呂ファンが多いみたいですが
音の作りの丁寧さや繊細さの点で
アシュケナージには堀さんが良く合うと思います。

ツァラトゥストラは
なんと言っても2001年宇宙の旅の印象が強い曲ですが
そこを取り除いて聴くと、
よりR.シュトラウスらしい部分が沢山あるんだなぁと
印象を改めました。
それもこれもアシュケナージの綺麗な音あってのことのように
思いました。

来週のシューマンもチケット買ってあります。
仕事が押さなければ行くつもりです。


プレトニョフ/RNO@オペラシティ(2012/6/15)

2012年06月16日 21時41分13秒 | クラシック音楽
曲は
グラズノフ 組曲「中世より」
ソリスト樫本大進で協奏曲
 ベートーヴェン ロマンス第2番
 チャイコフスキー 憂鬱なセレナーデ
          懐かしい土地の思い出 ~ メロディ
          ワルツ・スケルツォ
チャイコフスキー バレエ組曲「白鳥の湖」(プレトニョフ編纂)

今3つくらいだったのでかるーく行きます。

まず、グラズノフ。
ただでさえ綺麗だけど印象に残りにくい曲なのに、
今回、プレトニョフに後頭部がすごくよく見える席で、
後頭部のあまりのまぶしさにあっけにとられて(笑)
良く覚えてません。
寝不足もあって、途中で寝落ちしたし。

つづいて協奏曲。
曲順変えますってチラシ配ってましたが
そのチラシとすら曲順が違ってました。
なんだかなー。

樫本大進、前に聴いたときはもう少し繊細な音を出す人だと思ったんですが
今回、繊細さがあまりなくなって、
なんかフツーになっちゃってましたね。
おもしろみに欠けてたような。
例えベルリンフィルのコンマスでもオケとかに入らない方が良かったのかも。
時々、昔を思い出させる音を出してましたが
本当に時々でした。

で、白鳥の湖。
うーん。悪くは無いんだけど、全然面白く無かった感じが。

最後アンコールは
眠れる森の美女からワルツ。
この日はこれが一番良かったかな。
ノリノリでしたね。

今回全体的に、プレトニョフらしさがほとんど無くて
譜面に正直に正しく作っていた印象があります。
ただ、RNOがなんかこの前に来たときより下手になってるのか
モチベーションが落ちてるのか、
席が悪くて音が綺麗に響かなかったのか、
まるたの感受性が疲れと歳で衰えていてるのか
なんか精彩を欠いていて、つまんなかった感じが。
いつも来る度に神だなぁと思っているオーボエの人も
いつもの人だったと思うのに、前ほどの音が出せてなかった感じ
弦は響きも揃いも悪かったし、金管はひっくり返ってたし。

なんか例の騒ぎのせいで、RNOのメンバが入れ替わって安くなったとか
仕事が無くなって給料が下がってモチベーションが落ちているとか、
プレトニョフが行動だけ大人になってりゃいいのに
音楽まで大人になってしまったとか
そんなことがあるんですかねぇ。

そういえば、客の入りが悪くて半分強くらいしか入ってませんでした。
みなとみらいのディスカウントチケットが出てて、
正規料金で買ったまるたはムッとしたんですが
オペラシティであの入りだと
みなとみらいの売れ行きは推して知るべしなので
仕方ないのかもしれません。

それも、例の事件の直接的な影響か
例の事件の影響でRNOやプレトニョフが精彩を欠いているとかいう
噂が流れているか、そんなところなんですかねぇ。

まあ、全体的ななんだかなぁな出来だったんですが
みなとみらいはチャイ4なので
ちょっとだけ期待です。

アシュケナージ/N響(2012/06/10、NHKホール)

2012年06月10日 20時34分24秒 | クラシック音楽
行ってきました。

さて、曲目は
リムスキー・コルサコフ 組曲「サルタン皇帝の物語」
グリエール ホルン協奏曲 ソリスト ラデク・バボラーク
チャイコフスキー 交響曲第4番
です。

サルタンは
リムスキー・コルサコフらしい曲です。
でも、アシュケナージが無理に緩急付けてる感じで
それも何でそうなるのか良く理解できなくて
しかも全体的に遅くて
最近寝不足なこともあって、第2曲の途中くらいから記憶がありません(笑)。
全体的に丁寧に作ってあった感じはしますが
アシュケナージ特有のメロディの美しさが少し無くなってた感じでしたね。

つづいてグリエールですが、
これはもう!すーごかったです!
バボラーク何者。
ホルンなのに、トランペットや木管みたいな柔らかい音や小さい音が
自然に出てくるんですよねー。
ホルンと言えば、弱い音が出なくて風切り音になるとか(笑)、
常にワンテンポ遅れるとか(笑)、
強い音だそうとすると、P波(?)が出て来てからS波(?)が到着して
揚げ句にピロヘロピーとかいって音がひっくり返ったりとか(笑)、
そんな物ばかり聞いてきたせいだと思うんですが、
バボラークの音が神がかって聞こえました。
上記みたいな論外なのはともかく、
ちゃんと吹けてる人と比較しても、音色のバリエーション、
ダイナミックレンジの広さのすごいこと。
やー、良い物聞かせてもらいました。

グリエールの曲は、非常に古典的な感じの曲なんですが
パンフを見るとなんと1950年の作曲。
ソヴィエトの体制派の人だったようです。
でも、綺麗な曲でした。
体制側の曲を批判する人も多いけど
分かりやすく綺麗な曲の方が、多くの人の共感を得やすいですよね。
調性が無くて、リズムも無くて、現代音楽の難しい技巧を使うことって
出来たものが結果として人の共感を得られる物ならともかく
そうでないなら、単に技術を振り回してるだけなんじゃないか
なんてことを思いました。

また、体制側の音楽であっても良い物は良いとして評価して良いだろうとも思います。
これって、バレンボイムが、
ワーグナーがどんなにひどいユダヤ人差別をしたとしても
ワーグナーの音楽は素晴らしい、それは分けて考えるべきだとか
言った話に近い気がします。

もっとも、
ワーグナーをイスラエルでイスラエルのオケで演奏するのは
演奏する側も聴く側も複雑だったと思います。
でもそれは、まだユダヤ人差別があるからで
ソヴィエトの体制はもう無いんだから
気にすることなく、良い曲は良いでいいんじゃないかと思いました。

さて、アンコールは
バボラーク自身の作曲で
アルペン・ファンタジー
狩りの音楽
の2曲。
2曲目で演奏中に会場から笑いがありましたが
あれはなんだったんですかね?
ま、いいです。

最後は、チャイコフスキー4番。
アシュケナージ的にはN響では因縁の曲です。
でも、アシュケナージで最近4番聴いたことがあると思ったら、
何年か前のフィルハーモニア来日時に演奏してましたね。

1楽章と2楽章が遅くて、
しかも変な緩急が付いてて、
誰かから変なこと吹き込まれたんじゃないかとか
つまらんことを考えてたら、
フィルハーモニアの時にも似たような感想を書いてたので
これが今のアシュケナージの解釈なんでしょう。
2楽章は変な緩急付けずに素直に綺麗に演奏して欲しかったな。
3楽章は軽快に進み、4楽章は盛り上げましたねー。
N響らしからぬ、音のそろいを全部忘れて
とにかくノリ良く大きい音で!ってな感じでした。
全体的に辛気くさいチャイコフスキーの後期交響曲の
辛気くささを吹き飛ばす感じで楽しかったです。

来年シーズンのN響ラインナップが出てて
アシュケナージは来ないんですね。
来年はプレトニョフの東フィルだけになるのかなぁ。
意外なところでオーチャード定期とかに出てこないですかね。
#あれって、どこ見ればスケジュール出てるかよく分からないんですよね。

この後しばらく、アシュケナージとプレトニョフが続きます。
なんでまとめてくるかなー。
まあ、適当に選んで行ってきます。


エフゲーニ?

2011年11月27日 18時16分58秒 | クラシック音楽
NHK音楽祭でのキーシンの名前が「エフゲーニ」になってたのに
今気がつきました。

良くある表記「エフゲニー」じゃなくて、「エフゲーニ」なのは
きっとアクセントの位置にこだわってみたんだと思いますが、
そこまでこだわるならなぜ「エヴゲーニ」または「エウゲーニ」に
しないんですかね?
こだわり方がミョーに半端(笑)。


アシュケナージ/シドニー響来日公演

2011年11月20日 20時22分10秒 | クラシック音楽
色々他のことで忙しくて、感想書きそびれてる内に
記憶が薄れて来ています(笑)。

7日の東京文化会館、10日のNHKホール、13日のサントリーと
行ってきました。
まとめて印象に残ったところだけ感想を。

庄司紗耶香のベトコンはあまり印象に残ってないです。
一時期、繊細さを捨てて力業に走ってたんですが、
今回は昔のより自然な演奏になってて好感が持てました。
ただ、衣装がイブニングドレスというより
娼婦のネグリジェみたいで、趣味が悪かったことばかりが
強く印象に残ってます(笑)。
庄司さん、昔もほつれたドレス着てたことあったけど、
衣装には無頓着ですかねー。

キーシンのショパンP協1番、
キーシンというよりアシュケナージのような演奏。
アンコールでスケルツォ2番、子犬のワルツを弾いたんですが
はっきり言って別人です。
キーシンは、アシュケナージと競演したプロコのP協のCDでも
アシュケナージのような演奏を披露しており、
あんまり協奏曲経験がないって話ですが、
それにしたって、ここまで人が違うか、という感じ。

アシュケナージは協奏曲ではソリストに合わせるタイプなので
アシュケナージに引きずられるって事は無いと思うんですよ。
つらつら思うに、キーシン、いい子ちゃん過ぎるんじゃないかというか、
キーシンってホントに自分でやりたい音楽って有るのかな?
などと思ってみたり。

キーシンのリサイタルで、求められるままアンコールがいつまでも続いたり
今度のコンサートでも、お辞儀の見本のような丁寧で馬鹿正直な
アンコールの出入りの仕方とか、
キーシンの人柄がよく見えました。
一方、キーシンのママと先生の話は有名ですし、
指が良く動く天才児が、ママと先生の言うとおりの
評論家受けを鋭く狙った演奏してきてこの歳まで来ちゃったんじゃなかなと。
で、自分で考えてないから、
協奏曲みたいな、リハのその場で自分で考えて演奏の質を作って行かなきゃ
いけない場には対応できないのではないかと。
#キーシンファンからカミソリ送られてきそう。

サントリーのグリーグのP協は、
そんなことなくて、ショパンよりカデンツァが多かったこともあるかもしれませんが
キーシンらしい演奏でした。
ただ、キーシンらしからぬミスタッチの多さで、
もしかしたら、上に書いたようなことに気づいたママと先生が
慌ててキーシンらしさが出る演奏を演出したせいで
練習が足らなかったせいかもなどと考えたり。
#やっばりカミソリ送られそうだ・・・(笑)。

日本じゃ、キーシンって過大評価されすぎてる気がしてて
リヒテルの再来なんて言われてますけど、
まるたはリヒテルの演奏は主張するところが理解できるけど
キーシンは特徴や個性はあるけど、主張があるようには聞こえないんですね。
そんなところも、キーシンって実はお人形さんなんじゃないかと思ったりする
理由なんですが。

キーシンって、神童と呼ばれた子供時代から
ママと先生と一緒に演奏活動をひたすら続けてきて、
自分がなぜピアノを弾くのか、考える暇がないか
考えても無駄だと思ってたりしないですかねぇ?
いい歳して浮いた話の一つもないし、
指揮者もやってみたいけどとか言いながら
うにゃうにゃ理由付けてやっぱりやらないとか言ってるし、
一回、ママと先生と決別して、自分のやりたいことやって
年齢相応の人並みの経験してみれば
もう一皮むけるんじゃないかと思うんですけど。
もう40だしねぇ。

ちなみにピアノの技術はすごかったです。
これはもう文句なし。
でも上手いってだけならアンスネスとかだってすっごい上手いしね。
上手いって感じさせないくらい上手いです(笑)。
しかも演奏はアンスネスの方が面白いし。
歳も大して変わらないのに
アンスネスの演奏の方が全然成熟した大人という感じがするのは、
やっぱり人生経験の差じゃないかと。

ちなみにアンコールは、ショパンの日はショパンの曲、
グリーグの日はグリーグの曲でした。
馬鹿正直すぎ。
まるたとしては、サントリーガラで聞き損なったリスト弾いて欲しかったんですが、
まあ、仕方ないです。
ちなみに今回のキーシンの演奏で一番良いと思ったのは
スケルツォの2番でした。

交響曲は、ブラ1とラフマニノフの2番。
ブラ1は、楽しい演奏でしたねー。
アシュケナージらしい明るさで、ブラ1的にはあり得ない程の明るさ。
クラヲタには受けないだろうな、と思いつつ
まるたはアシュケナージの明るさが好きなので
良かったと思います。

ラフマニノフ2番はもう最高でした。
第3楽章がもう綺麗で綺麗で綺麗で綺麗で。
第4楽章はもういらないと思ったくらい。
第1楽章の死の島的な演奏も良かったし、
他も良かったんですが、第3楽章が良すぎて他が全部すっ飛んで行きました(笑)。
今回のツアーで一番良いと思ったのがラフ2の第3楽章です。
やっぱりアシュケナージはラフマニノフですね。
これはBSで見れるんですよねー。すっごい楽しみです。
時々、HDDレコーダが録画に失敗するんですが、
もしこれをとり損なったらメーカー訴えてやる。

ちなみにシドニー響は上手でした。
弦が柔らかいけど綺麗なんですよね。
東フィルやモスクワ放送響のような、澄んだ綺麗さも良いけど
こういう柔らかい綺麗さもまた良いなと思いました。
シルクのジョーゼットみたいな感じ。
木管も良く歌ってて良かったです。

N響でもラフマニノフやって欲しいとか思ってましたが、
シドニー響の演奏を聴いてしまうと
N響みたいな堅いオケではラフマニノフは無理だとアシュケナージが思った可能性が
ものすごく大きいと思いました。
でもやって欲しいな。
来年はまたなんか難しい曲やるんでしたっけ?

アシュケナージ親子デュオ(2011/10/5、サントリーホール、2011/10/7、江戸川区総合文化センター)

2011年10月08日 21時22分40秒 | クラシック音楽
続いて、サントリーと江戸川、一緒に行きます。
プログラムは若干違いますが、感想にはあまり大きな差はないので。

まずは、プーランク「2台のピアノのためのソナタ」。
とてもプーランクとは思えない、暗くて地味な曲。
おフランスのエスプリのカケラも無い曲です。
CDが入手できなくて、予習してなかったので
アシュケナージがプーランクを上手く表現できなかったのかと
思ったんですが、パンフを読むと、元からそういう曲のよう。
これをAプロ、Bプロともに前半の最初に持ってくるのは
どういう考えなのか理解ができませんでした。
ということで、パス。

つづいて、Aプロでは
ラフマニノフ「幻想的絵画」。
こちらは、アシュケナージ・プレビン版で予習しましたが、
だいぶ印象違ってましたね。
今回のはロシアというよりは、フランス、
幻想的絵画というよりはロマンス映画のようでした。
多分に優しく、女性的でロマンチックな印象です。
まるたは、この第4曲「復活祭」をCDで聴く度に、
この曲で連獅子が踊れるぞ、と思うんですが(笑)、
今回の演奏では連獅子は踊れそうにありませんでした。
もともとは鐘の音を表現しているそうですが、
今回の演奏の方が、より鐘の音っぽかったです。
やさしい演奏でした。

Bプロでは、スクリャービン「2台のピアノのための幻想曲」。
こちらも予習しなかったので、あまり記憶がありません。
プーランクよりは聴きやすかったです。

さて、続いては、ヴォフカの編曲による曲です。
Aプロはムソルグスキー「禿げ山の一夜」、
Bプロはボロディン「だったん人の踊り」。
うーん。
ラフマニノフとか、ラヴェルとか、プーランクとかに
囲まれると、やっぱりちょっとつらいです。
なんか音のバランス悪くて。
どっちかっていうと、「だったん人」の方が良かったですが、
なんか、単なるピアノ編曲だったり、
かといって特徴を出そうとするととたんに不自然になったり。
そんな感じ。

つづいては、マ・メール・ロワ。
これは、まるたが100%悪かったです。
というのは、プレトニョフ版で予習しました。はい。
分かってはいたんですけどねー。わざわざ別のCD買い直す気もしなかったので。
まあ、それはともかく、大変美しく、幻想的でした。

Bプロでは、この後、ドビュッシー「リンダラハ」です。
ドビュッシー特有の美しい曲ですね。
生前には出版されなかったらしいですが、もったいないですね。

最後は、ラ・ヴァルス。
これはもう最高に楽しかったです。
まるたのラ・ヴァルスの元々の印象は、壊れたメリーゴーラウンドで、
デュトワくらいになればこれを上手くまとめることができる、
っていうものなんですが、
アシュケナージ親子の演奏は過去に聴いたことがない程楽しげでした。
メリーゴーラウンド、壊れてません(笑)。
Aプロでも、Bプロでも、これが最高でした。

ただ、これが最高だった理由が、他の曲が地味だったからかと言われると
実はそれだけじゃなくて、
(マ・メール・ロワをプレトニョフで予習したのは大失敗でしたが)
ラ・ヴァルス以外は、主旋律の殆どをヴォフカが弾いていたようなんですが、
ラ・ヴァルスだけは父がメインだったんですね。

2台のピアノだとわかりにくいんですが、
やっぱり音色のバリエーションの量やつけ方で圧倒的に父の方の技量が高くて
ヴォフカがメインだと、ちょっと単調な感じになりがちな印象がありました。
ラ・ヴァルスだけは父メインだったというのが
実はこの曲がコンサートで最高の曲だった理由ではないかと密かに思ってます。

そんなこんなで、やっぱりソロを聴きたいな、と思った次第ですが、
それ以前に、もう、これがきっとアシュケナージのピアノを直接聴ける
最後のチャンスだったのではないかと思うと
あんまり贅沢も言えないのかな、と思います。

アンコールは、
シューマン/ドビュッシー カノン形式による6つの練習曲より 第4曲
です。
江戸川の方は表示がなかったんですが、
多分同じ曲だと思います。
シューマンは、うーん、まるた的には地味過ぎてちょっとでした。
かわいい曲ですが。
アシュケナージ父一人で弾けばもっと聴き応えがあったのでは
という寂しい感想でした。

ちなみに大阪のチケットも買ってましたが、
江戸川とプログラム同じだし、止めました。

てなとこで。
来月のシドニー交響楽団も行ってきます。

サントリーガラ「響」(2011/10/1、サントリーホール)

2011年10月08日 11時21分17秒 | クラシック音楽
10/5のサントリーと10/7の江戸川に行ってきました。
ついでに、10/1のサントリーガラにも行きました。

まずは、サントリーガラから。アシュケナージはおいといて(笑)。
とにかく正装してこい、という注意書き付きで、どういう企画かよくわからず、
悩んだけど、普通にスーツで行ったわけですが、
スッゲーハデハデなドレスの女性や
ホテルのホールのボーイさん?みたいな蝶ネクタイスーツのおじさんが沢山いて
おおっ、ていう感じでした。

多分7割方はご招待の人だったんじゃないかな。
普通にチケット買って行ったまるたは確実に浮いてました(笑)。
ちなみに、普通にスーツの人も多かったですが、
この人達はきっとまるたと同じく普通にチケット買った人達かも。

チケット25000円したんですが、まるた的にはこの内18000円がアシュケナージで
残りの7000円はキーシンでした。
アシュケナージとキーシンのピアノを同時に聴けるなんてもう2度と無い、
というのが、このクソ高いチケットを買った理由なんですが、
なんと、キーシンは高熱のためキャンセル。
代わりに上原彩子。悪いとはいいませんが、
上原彩子だとまるた的には2000円くらいなので(笑)、
5000円くらい返して欲しいなあ、というのが正直なところです。

3部構成でしたが、アシュケナージとキーシンは第1部の登場で、
第1部だけ聴いて帰ってもいいかぐらいの気持ちだったので
がっかり度は果てしないです。

18:00開演で、普通に2時間ぐらいで終わるかと思っていたら
部の合間合間に20分の休憩があり、各部もかなり長くて、
第2部が終わったところで、8時をとっぷり過ぎており、
20:00過ぎには終わると思っていたので、腹ごしらえもしておらず、
ホール内のまずくて高い軽食を買う気にもなれず、
また、第2部のオペラガラ簡略版がものすごく楽しくて
予定より2曲も多く演奏してくれて、トリを椿姫の乾杯の歌で締め、
第3部の最初の2,3曲がどうしようって思うくらいつまらなそうで、
第2部の楽しい気持ちを捨てて、空腹を我慢しながら第3部を聞くこともないだろう
これでこのガラ終わってもいいんじゃないの?
という気持ちだったので、
その気持ちに従って、そのまま帰ることにしました(笑)。

9時までやるつもりなら、どこかにそう書いてくれれば、
腹ごしらえしてから行ったんですけどね。

まあ、アシュケナージと第2部が楽しかったから良かったです。

ちなみに、第2部でテノールで登場したデムーロ氏、
出演者紹介には「若い頃のパバロッティ」と書かれていましたが、
容姿的にも、声質的にも、表現力的にも
三大テノールの中ではカレーラスが近いと思いました。
なんでパバロッティ?
まあ、どうでもいいけど。




編曲V.アシュケナージ

2011年07月14日 22時59分29秒 | クラシック音楽
アシュケナージ親子デュオの演目の幾つかに
「編曲V.アシュケナージ」ってのがあって、
ヴォフカだってVだよなと。
(そもそもヴォフカはヴラディーミルの愛称で、
確か子供に自分と同じ名前付けたんだったはず。)

来日前に、親子デュオCD第2弾を発売するようで
そのサイトを見に行ったら
案の定ヴォフカの編曲でした。
http://www.universal-music.co.jp/classics/release/artist/a/vladimir_ashkenazy.html

うーん。V.って表示するのはちょっと詐欺っぽい?(笑)

ついでに、ラフマニノフの新録音はソナタの1番かぁ…。
も少しレアものに手を出してくれると良かったんですが。
いや、1番って十分レア?
あれ? 1番がどんな曲か思い出せない。
もしかしてうちにCD無い? それ以前にアシュケナージ1番初録音?
ほんまかいな。

いずれにしろ、久々のソロピアノCD録音で、めでたいなっと。

アシュケナージ/N響@NHKホール(2011/06/4)

2011年06月05日 18時29分17秒 | クラシック音楽
続いて、昨日も行ってきました。

昨日はプロコフィエフとシベリウス。
演目は、
プロコフィエフ 3つのオレンジへの恋
プロコフィエフ ピアノ協奏曲 第2番
シベリウス 大洋の女神
シベリウス 交響曲 第7番

結論から先に言うと、
プロコは良かったけど、シベリウスはうーん、という感じ。
一番良かったのが3つのオレンジ。
ストーリーのある音楽なんですが、
映像が見えるようでした。
解説に書いてある内容とはだいぶ違ってましたが(笑)。

どことなく、ジョン・ウイリアムズ風、というか、
ジョン・ウイリアムズが音楽をつけた映画のような情景が
浮かんでくるようでした。
音もクリアで、それに伴って見えてくる情景も非常にクリアでした。

つづいて、P協2番。ソリストはアレクサンダー・ガヴリリュク。
ピアニストが全くまるた好みでないことが判明(笑)。
とにかく音が無闇に大きくて、
しかも、全体的に表現が平らな感じ。
大きけりゃ良いってもんじゃないだろう、って演奏中ずっと思ってたんですが
終わってみれば、ブラボーの嵐。
3つのオレンジではブラボー飛ばなかったのに
こっちでブラボーって何?って正直思いました。
なるほど、殆どの人は大音量=迫力=すばらしい、なんだと
改めて実感した次第です。

協奏曲が得意じゃなくて、
オケの音量に合わせるために、音量を上げようとした結果
あんな演奏になっちゃう人も結構いるんですが、
アンコールのスクリャービン 3つの小品から練習曲、作品2-1、
がこれまたデリカシーのかけらもない演奏で、
ああ、この人まるた好みではないわ、と。

まあ、いいです。
オケの方は良くサポートしてたと思いますが、
それがよく分からないくらいピアノがうるさかったです。
2番ってそんな曲じゃないだろうと思うんですが。

後半シベリウスで、気を取り直そうかと思ったら、
大洋の女神が、なんだかうやむやな曲で。
解説にも「印象主義風」って書いてましたが、
晩年の輪郭がなくなったモネの絵を、
赤いインクの欠けたインクジェットプリンタで印刷して
水につけたらこんな感じ、という感じの曲。
なんだかぼやけまくっててねぇ。

曲自体もうすらぼんやりした曲だと思いますが、
演奏もいまいちだったんでは。
これのためにCD買って予習しましたが、
CDの方はかわいらしい小品っていう感じがしましたし。

交響曲第7番はこれに比べるとずっとマシだったんですが、
大洋の女神でシベリウスの悪いところばかりさんざん聞かされたせいか
同じような表現が全部マイナスに聞こえてしまいました。
あの特有の弦の表現が作品をぼやけさせているように聞こえて
ちょっとイラつきました。
大洋の女神よりマシとはいえ、
やっぱり音の切れが全体的に悪かったようにも思います。

単純に曲から言えば、昨日のプログラムはあの順番で正しかったんでしょうけど、
演奏の質から言えば、
大洋→P協→オレンジ→7番
の方が楽しめたかも知れません。
正直、3つのオレンジが良すぎて、この後続くのか?って心配しましたし、
(実際続かなかったし(笑))
コンサートのつかみ的には「大洋の女神」くらいが適当な気もしましたし。
途中にプロコが挟まれば、大洋での悪い印象を忘れて7番を楽しめたかもという
気がしますし。

先週はあんなにすばらしかったのに、今週のこの切れの悪さは何だろう
コンマス? 作曲家? 単なる好み? とつらつら考えて、
思い当たったのが、反響板。
アシュケナージみたいな音重視の指揮者ではホールの善し悪しは
すごくモノをいうのかも。
NHKホールは無理なのかも。サントリーホールとかの方がいいのかも。

でも、残念ですが、サントリー定期は行きません。
平日だし、チケット取りにくかったし、ショスタコ祭りなので(笑)。