まるたの日々

まるたです。少しばかり音楽と本とその他趣味の話を。

毎日かあさん

2009年03月01日 10時01分12秒 | コミック
毎日かあさん

西原理恵子

毎日新聞社

今度アニメ化だそうです。
チーみたいな5分とかじゃなくて、30分のちゃんとしたアニメ。
大丈夫かなぁ。
ま、いいです。別にこのマンガのすごいファンではないので。

人生切り売りマンガ家西原理恵子の子育て編です。
小説ならこういうの「私小説」って言葉が有るけど、
マンガだと何て言えばいいんでしょうね。

このマンガ、単純にマンガとして読めばものすごく面白いです。
男ばっかり5人兄弟の麦ちゃん一家がもー最高。
「ぼくんち」の頃の影の部分もなくて読みやすいし。

ただ、こういうものを読むと、
少ーし日本の将来について考えちゃうんですよねぇ。
「ぼくんち」は確かに毒が強くて読みにくいところはあったんだけど、
主人公(サイバラ本人)が育った環境には、
近所のお姉さん、お兄さん、おじちゃん、おばちゃんが沢山登場するんですね。
まあ、ろくなこと教えはしないんだけど。

で、「かあさん」の方では、子供は外で遊ぶし、一見健全に見えるんだけど、
登場するのが、子供の学校の友達、母親、先生くらいなんですよ。
この間珍しく、近所のお兄ちゃん(おじちゃん?)が登場したけど、
子供レベルでゲームするゲーマー君だったし。

同級生と母親と先生だけ、あとはせいぜい塾関連くらいで育った子供の
社会性がどんなものになるか考えると、ぞっとしますね。
今でも、世間知らずでストレス耐性ゼロの新入社員山ほど入って来るけどねぇ。
これからもっと酷くなるんでしょうねぇ。

まあ、そんなことを考えてると、
たとえば「蟲師」
これも、ストーリー自体は面白いんですね。
ただ、舞台が明治時代くらいなんですが、
それとは思えないほど、登場人物の考え方が現代的で
すごい違和感があるんですよ。
どいつもこいつも、引っ込み思案で、コミュニケーション能力が低くて
腹の中でグジグジ常識とずれたことを想像しちゃってて。
ストレス耐性低いし。

キーになる設定が自然の中に住む「蟲」だから、
現代を舞台にできなかったんだと思いますが、
登場人物をああいう風にしか動かせないなら、
少し設定変えて現代を舞台にしたほうが違和感無かったんじゃないかなぁ。

おんなじような話は、最近のNHKドラマ
「浪花の華~緒方洪庵事件帳」とかにも言えて、
ケータイもインターネットもなくて引きこもりなんか成立しようも無い
江戸時代に、あんな、ひ弱な現代っ子みたいなのが居るか!
って思わず突っ込みを入れたくなる、有り得なさ。
大名や将軍の御曹司くらいなら、ああなる可能性もあるかもしれないけど
下っ端武家の子供くらいじゃ、あんなふうにはならないでしょう。
大体、あんなストレス耐性低いのが、
将来沢山の優秀な人材を輩出する適塾の創始者になんかなりえないよ。

なんかもー、ぬるくて。
子供がまともに育ってないぬるさを肯定するようなマンガやドラマが多くて
将来が心配になるんですよねー。