サラ☆の物語な毎日とハル文庫

英国のスパイ大作戦

情報としては少し古いけど、2010年9月にイギリスの秘密情報部についての本が出版された。
秘密情報部(SIS、旧称MI6)のスカーレット前長官がMI6への一般の理解を深めてもらうために、1909年の創設から40年間の極秘文書の閲覧を、クィーンズ大学(アイルランド、ベルファスト)のキース・ジェフリー教授に許可した。
 その後、教授はそれを正史として本にまとめ、イギリスで出版されたのである。

MI6(エムアイシックス)とは、秘密情報部の旧称で「軍情報部第6課」の略称。あの007のジェームス・ボンドが所属していたスパイ組織だ。

ジェフリー教授の本の中で紹介された話では、『第三の男』を書いたグレアム・グリーンや、『月と六ペンス』のサマセット・モームもMI6に所属するスパイだったとのこと。

007シリーズの作者イアン・フレミング自身もMI6に所属していた。『寒い国からきたスパイ』を書いたジョン・ル・カレも外務英連邦省に入り、MI6に所属。主に西ドイツで勤務についていたという。

イアン・フレミングはその後、第二次世界大戦中にMI6によって設立されたイギリス安全保障調整局(BSC)に転属して諜報活動を行うのだが、そこで同僚だったのが、なんと、『チャーリーとチョコレート工場の秘密』を書いた作家のロアルド・ダールというから驚きだ。
ロアルド・ダールは、アメリカのワシントンで諜報活動に携わった。

そしてまた、さらにびっくりするのは、『ツバメ号とアマゾン号』のシリーズで子どもたちの冒険心をあおり、夢のように楽しい時間をくれた作家のアーサー・ランサムまでもが、MI6に所属するスパイだったというのだ。

そういえば、アーサー・ランサムの自伝を読んだとき、彼がロシア特派員として活躍するパートで、あまりにも政治的にコアな部分に立ち位置があって、一介の、にわか仕立てのジャーナリストなのに、そんなことまでするのかと、不思議に思ったのだった。 
 
しかし、スパイ活動の一環だとしたら…、なるほどと頷けたりもする。

さて、2年半前にイギリスで出版されたMI6の正史の翻訳が、今日づけで文芸春秋から出版されるそうだ。実際にその正史の中で、どのように話が展開されているのか、興味はつきない。

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