白雪姫は、じつは毒リンゴで殺される前に、2回、継母の魔女に殺されかけた。
つまり継母は森の小人の家にかくまわれている白雪姫を3回たずね
(行商人に化けて)
3回目に白雪姫を殺すことに成功する。
(といっても、最後は生き返って王子と結婚するのだから、成功したわけではないけれど。
くわしくは白雪姫は3回殺される!~本当のグリム童話とはを。)
さて最初の2回の部分については、ディズニー映画ではカットされ、
毒リンゴで殺される場面だけが残される。
わたしはディズニー映画のほうにすっかりなじんでいるけれど、
グリム童話では、もともと3回、同じようなシーンがあるわけだ。
「毒リンゴ1回で素敵な物語だよ。そっちのほうがいい」と思っても、
どうやら昔話の研究者によると違うらしい。
大事なところをカットしてしまっている。
すなわち、昔話は3回繰り返されるところに意味がある。
(それについては、昔話は「3回繰り返し」に大事な意味があるを参照のこと)
ここでは3回繰り返しのもう一つ大事な意味について!
昔話の研究者、小澤先生はこんなふうに話している。
「3回がいい。
これ不思議なんだけど、一種のリズムなんですよね。
たとえば人間が石を投げるとき、1、2、3って投げるでしょ。
1、2、3、4、5とは投げないよね。
陸上競技の三段跳びも、3回で跳ぶよね。
四段跳びでも五段跳びでもないでしょ。
3が人間の身体に一番乗りやすいリズムなんですね。
そういうことが、不思議に昔話に実現しているんです」
なるほど!
3回というのは身体のリズムに合っている。
人は本能的に3回のリズムを好む。
それが一番理解しやすい。
これ、覚えておきたい。
繰り返しは3回。
だいたい3回の繰り返しで、腑に落ちるということだと思う。
エピソードは3回がいい。
なるほど!
※シリーズの記事です。よかったら!