最初に『星の王子さま』を読んだとき、
「著者のサン=テグジュペリは、第二次世界大戦の戦いのさなかに消息不明」
となっていた。
たぶん地中海に墜落したのではないかと推測されるけれど、
どこに消えてしまったのだろうか…。
消息を絶ったのは、1944年。サン=テグジュペリ、44歳のとき。
(まだまだ若いよね~。)
以来、ずっと行方知れずのまま。
『星の王子さま』が、聖書の次に売れているという世界的な大ベストセラーだっただけに、
作家の消息不明は読者にとってなんとも言えないジレンマのようなものだった。
精神的な消化不良と言うと大袈裟だけど、そんな感じがしなくもない。
ところが…。
である。
1998年9月7日、地中海のマルセイユ沖の海域で、
サン=テグジュペリの名前と、括弧書きで妻のコンスエロの名前、
連絡先としてニューヨークの出版社であるレイナル&ヒッチコック社の
社名と所在地が刻まれた銀のブレスレットが発見されたのだ!
付近を広範囲に探索した結果、
2000年にサン=テグジュペリが乗っていた
ローキード社のF-5Bの残骸も発見された。
さらに…。
2008年には、当時ドイツの爆撃機のパイロットだった男性が、
サン=テグジュペリの偵察機を撃墜したと証言。
そのことについては、下記の新聞記事を!(ネットに出ていた。)
わたしも朝日新聞で同じ内容の記事を読んだし、
「これは、切り抜いておかなくては」と思いながら、
つい忘れてしまった記憶があるけれど、
この記事が朝日新聞のものかどうかは不明です。
なんにしても、
サン=テグジュペリの消息がこれだけの時間を経て確認されたことは、
胸のつかえが取れたようにスッキリするし、ありがたいことだと思う。
「時間探偵」という存在が実際に時の狭間にいて、
時の流れをかいくぐり、
サン=テグジュペリの死のミステリーを解決してくれたような、
そんな気がして面白い。