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サラ☆の物語な毎日とハル文庫

★『ファンタビ』がより詳しくわかる「北アメリカの魔法界の歴史」

J・K・ローリングさんの脚本による映画『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』は、ハリー・ポッターファンには、たまらない映画だ。

 

でも、「あれっ、ハリー・ポッターとはなんだか雰囲気、違うんじゃない」と違和感のある設定も数多い。

そりゃ、時代は70年前で、舞台はアメリカのニューヨークなのだから、いろいろ違うの当然かも。

 

その違いを読み解く情報として、ローリングさんは「ポッターモア」というサイトに「北アメリカの魔法界の歴史」という小史を書いている。

(ポッターモアとは、ローリングさんがソニー株式会社とのパートナーシップで立ち上げたウェブサイトのこと。)

それを読めば、違和感の答えが見つかる。

 

★たとえば「ノーマジ」という言葉について。

 

世界の国々には、「マグル」と同じ意味で使われるさまざまな独自の表現が存在します。

アメリカの魔法界で使われるのは、「ノー・マジック」を略した「ノーマジ」というスラングです。(小史より引用)

 

★アンチ魔法の妄信的な団体・新セーレム救世軍の存在が、どうにもおかしいと思いませんでしたか?

イギリスのハリー・ポッターの世界にはあり得ない話。

それについては、「スカウラー」という存在を、ローリングさんは明かしている。

 

17世紀にノーマジの移民たちが次々に新世界にり始めました。

当然ながら、そのころはまだ治安組織も存在していませんでした。

そこで、「さまざまな国の出身者によって構成された魔法族の傭兵集団、スカウラーが組織されました。

スカウラーは残忍で恐ろしい集団となり、犯罪者を捕らえるだけでなく、金になりそうだと思った相手は、誰でも狩り立てました。

与えられた任務からは正当化できないような権力を振りかざして暴虐な振る舞いをくり返す無法者の集まりと化してしまったのです。

スカウラーは流血虐殺と拷問を好み、仲間であるはずの魔法族を売り買いするまでに付け上がっていきました。

 

アメリカ合衆国魔法会議が設立されたのは1963年で、その頭文字をとって、MACUSA(マクーザ)と呼ばれます。

 

新たに組織されたマクーザは、仲間の魔法族を傷つけた裏切り者のスカウラーたちを裁判にかけて有罪宣告を下し、処刑しました。

 

ところがスカウラーの中でも、もっとも悪名高いものたちの何人かは、逃げ延びてノーマジの社会に紛れ込み、姿をくらましてしまいました。

 

彼らは魔法界から追放されたことを恨み、復讐することに怨念を燃やしました。

すなわち、自分の子供に「魔法が実在すること」「魔法使いや魔女は見つけ次第殺さなければならない存在である」と信じこませたのです。(以上概略)

 

つまり、映画に出て来る救世軍の主導者メアリー・ルーは、スカウラーの子孫ということになるんだろう。

だから魔法と魔法族を邪悪な存在と思い込んでいて、広く社会に訴えて糾弾、排斥しようとしている。

 

★イギリスでは魔法族とマグルの接触はそれなりにあったし、魔法族とマグルの結婚もあり得ないことではなかった。

しかしアメリカでは、どうやらノーマジと交わることなど、とんでもない話のようだ。

その背景にあるのが、こんな事件だった。

 

ドラゴット管理官の娘、ドーカスという娘が、スカウラーの子孫の青年と深く関わることによって、あまりに深刻な秘密漏洩事件を引き起こしてしまったのです。

つまり、イケメンの男に惚れてしまった愚かな娘が、魔法族の洗いざらいを男に話してしまったということです。

男はスカウラーの子孫。

魔法族を壊滅させようとたくらみます。

 

その結果、マクーザは拠点となっていた場所を移転しなければならず、魔法族の秘密は暴かれ、広くノーマジに知られるところとなってしまいました。

もはや、すべてのノーマジの「記憶」を「忘却」させることは不可能。

とんでもない事態となってしまったわけです。

 

この事件を受けて制定されたのが「ラパポート法」という法律です。

この法律により、魔法族がノーマジと関わることは、一切禁止されました。

 

「1920年に入るころには、アメリカの魔法界はヨーロッパとは比べものにならないほどの秘密主義の下で生活することに慣れ、魔法界の仲間内だけで付き合う相手を選ぶことに慣れ始めていました」(引用)

 

だから映画では、ニュートがノーマジのジェイコブと友だちになるなんてとんでもない、という話の流れになるわけだ

以上に述べた理由で、ニュート・スキャマンダーが飛び込んだニューヨークは、イギリスのハリー・ポッターの世界とはまったく別物の世界となっている。

 

なるほどね~~!

そんな歴史が詰まってたんだね~~~!

 

ローリングさんの中のハリー・ポッター・ワールドは、どこまで広く深く展開していくんだろう

と期待感にワクワクするのでしたー。  

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