茂木健一郎氏によると、『赤毛のアン』には二つの奇跡があるのだそうです。
ひとつは、前回アップした、「アンがグリン・ゲイブルスに置いてもらえるようになったこと」
それをきっかけに、アヴォンリーの人々が変わり始めるんです。
もう一つの奇跡は何だと思いますか?
わかりますか?
なんて、わたしの見解でもないのに、ひっばることもないですね。
もう一つの奇跡は、「ギルバートとの和解」だそうです。
確かにアンの物語は、ギルバートとの不和がずっと底流として流れています。
茂木氏は言うんです。
「男の子はたいがいダイアナのようなタイプの女性のほうが好き。
アンを好きになったギルバートはあっぱれ」
「ギルバートは、アンが好きだった。
アンはおしゃべりなのに、ギルバートに対して、ずっと沈黙を通した。
それは、ギルバートを好きという気持ちの表れ。
アンはずっとギルバートが好きだった。
その意味で、アンはギルバートに対して誠実だったんだ」と。
物語の最後で二人が和解することで、物語はいっぺんに新しい展開を予想させてくれます。
「そして二人は末永く仲良く暮らしましたとさ」と予感させることで、アンの物語は完結したのです。
この、和解という展開は愛と希望と新らしい世界をもたらします。
その意味で「奇跡」なんだと、茂木氏は言うのでしょう。
人の話を聞くと、自分では考えてもいなかったことを、考えさせられます。
そういうのは、楽しいですねぇ。
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