寝る前に読書灯をつけて、
なにがしかの活字を読むのが催眠儀式。
仕事の資料だったり、携帯のニュースだったり
のめり込む危険のない本だったり。
昨日読んだのは、文庫本になった『村上さんのところ』
「村上さんのところ」を書籍化したもの。
読者からの質問メッセージが届き、
村上春樹さんがそれに直接答えるというもの。
さて、そのなかにこんな読者の談話があった。
その人は今から去ること30年以上も前の中学生の時
書店で平積みされていた『羊をめぐる冒険』を
こともあろうに植村直巳さんの
新作の冒険ものだと思い込んでしまったそうだ。
植村直巳ファンの冒険少年は、
なけなしの小遣いをはたいて、
その本を買った。
その少年は『羊をめぐる冒険』を読み進めながらも
「村上春樹」=「植村直巳」と強く勘違いしていたらしい。
同一人物だとなぜか思い込んでいた。
(ネットのネの字もない時代の話)
ところが少年は本の中身を読むにつれ
「植村直巳さんの真面目なイメージとは異なり、
すぐに女性と「セックス」ばかりして、
いつ犬ぞりで北極を横断するような本格的な冒険をするのか、
このハレンチなインチキ冒険家が、
と心の中で暴言を吐いていました。
やっと中盤を過ぎたあたりで初めて別人ということに気づきました」
ハハハハッ
ハハハハッ
笑った、笑った。
こりゃ可笑しい。
『羊をめぐる冒険』は
「セックス」ばかりする
インチキ冒険家の話なんだ。
お腹を抱えて笑ったあとで、
今日はいい1日の終わりだったと思い、眠りについたのでした。
そのページに添えてある、フジモトマサルさんの1コマ漫画が
また笑いを誘う。