くまのお気楽日記

好きな漫画や映画の話を主にその日あった事や感じた事等をお気楽に書いていきたいと思います。宜しくお願いします。

「度胸星」

2008-10-08 01:43:21 | マンガ好き
みなさん、こんにちは。
ハッと気付けば前回の更新からもうはや一月…
慌てて何か記事をUPしなくては…と考えたところ…
最近読んだ漫画でとっても面白かった、
「度胸星」 山田芳裕 全4巻 
が思い浮かびました。

ただ最初にお知らせしておきたいと思うのですが、
このマンガ、とっても面白いんですが<未完>であります…
正直ブログでお薦めマンガとしてご紹介するのに、<未完>はどうかな~とも思ったんですが…
補って余りあるほど面白いので…ご紹介させていただきます。


山田芳裕さんと言えば、くまは「へうげもの」しか読んだことがなかったんですが、
戦国時代が舞台の「へうげ」とは趣が異なって、こちらは、
<人類初の有人火星探査隊>
と、火星で消息を絶ったその探査隊の救出に向かう為のクルーに選抜されようと、
<救助隊に志願した地球の若者たち>
の、二つの物語が並行して語られる、という形のSFです。

簡単にストーリーをご説明いたしますと、

「人類初の有人火星探査の記念すべき第一歩を、宇宙飛行士<スチュワート>が踏み出したその直後、
彼一人と幾ばくかの機材を残して、他のクルーの乗った着陸船や母船は諸共に、
謎の物体<テセラック>に破壊されてしまう…!!
一方地球では、突然通信の途絶えた火星探索チームの救出と原因究明のため、
火星への有人ミッションのクルーが、全世界から募集されることになった。
伝説のトラック野郎を父に持つトラッカー<三河度胸>は、
年齢、性別、国籍等問わず、広く募集するというアメリカ大統領のTV演説を観ながら、
亡くなった父の夢であった<火星まで荷を運べるトラッカー>になるべく、
その苛酷になるであろう試験に挑戦することを決意する…」

といったお話です。

謎の物体<テセラック>の正体は!?というSFな部分も面白いんですが、
このマンガの魅力は、何といってもキャラクターの魅力ではないかと思います。

主人公<三河度胸>は、一見温厚で内気なようにも見えるタイプなんですが、
実は内に秘めた信念を貫こうとする力というか…
まさに<クソ度胸>の持ち主でありますし、
主人公の良きライバルとして登場する<筑前智>も、
野心溢れる自信家で、一見陽気で単純な快楽主義者のように見えて、
かなりの策略家というか…陰の部分も持ち合わせた人物として描かれています。

他にも、同じく選抜試験を競い合う仲間として、
他人や周りの生き物の考えていることを感じ取れる能力に悩み、一切の生物のいない火星へ行こう、と志願した
<市原茶々>や、
やくざの息子で、ある体験から「所詮、人間の歴史は暴力の歴史だ」と思い至り、
組の将来のため、ビジネスチャンスを求めてミッションに参加した
<武田勇>、
「他に面白そうなことがなくて…」という理由で応募した、人生に冷めた天才少年
<石田友助>に、
共に物理学者でもある
<坂井輪利宏・光子>夫妻…

もう一つの物語の主人公としては、
火星での過酷な未知の脅威にたった一人立ち向かう宇宙飛行士
<スチュワート>…

と、様々に個性的な人物が沢山登場します。

そしてこれらの登場人物たちに共通して言えることは、
皆、胸の内に<熱いものを秘めている>ということです。

この全編を通して感じられる<熱さ>が、読んでいるこちら側にも伝わってきて、
「こういうところがこの作家さんは上手いな~」
って感心するんですが…
お話が絶好調に盛り上がったところでぷっつりと終わってしまってるんですよね~…

今山田さんは「へうげもの」で乗りに乗っておられるようですし、
なかなか難しいかもしれませんが…
いつの日にかこの続きを描いていただきたいものです…ホントに…

ところで蛇足なんですが、
この「度胸星」、登場人物の名前が、歴史上の人物を示唆するような名前なんですね~
<三河>は家康、<筑前>は秀吉でしょうし、<武田>と<石田>はそのままですし…
<市原茶々>はお市の方とお茶々の方からとったっぽいですし…

何かこういうところも読んでて楽しかったです


それでは。