くまのお気楽日記

好きな漫画や映画の話を主にその日あった事や感じた事等をお気楽に書いていきたいと思います。宜しくお願いします。

「ひぐらしの森」

2007-09-17 22:22:24 | マンガ好き
みなさん、こんにちは。
本日は猫とマンガとゴルフの日々のトミーさんにお借りしたマンガ、
「ひぐらしの森」(内田善美)の感想等を書きたいと思います。

主人公の「萩志生野」は高校受験の日、雪の中一人校庭で雪に手を差し伸べながら空を見上げる、印象的な長い黒髪の美しい少女を見る。
はれて桜舞う入学式の日、同じ映像の、ただ雪を桜に置き換えたような、舞い散る桜に手を差し伸べながら空を見上げる少女「星瀬沙羅」に再び出会う…。

このような始まりのP65程の短編なんですが、思春期の頃の繊細な感受性だとかそれを共感できるもののみに心を開くような純粋で危うい感じ…
特に主人公の志生野の、「他人との諍いを避けるあまり、自己主張しないことで無意識に相手を拒絶する」といった態度に、純粋さにおいて妥協を許さないような激しい性格の沙羅がもどかしさを感じるところなど、
友情と呼ぶには少し奇妙な、かといって恋愛感情と言うのでもなく…
そういう誰しもが多かれ少なかれ通ってきたような道を、繊細な絵と詩のような文章でもう一度辿らせてもらえたような…そんなマンガでした。

他にも「時への航海誌」
(幼い頃、共に<遠きものへの憧れ>の夢を語り、教え導いてくれた青年<飛鳥>が夭折し、その夢を受け継ごうとした少年達<日向>と<星比古>が、焦ったり自己嫌悪に陥ったりしながらも、飛鳥と共に憧れる存在だった<山辺省吾>の娘<杏>と出会い、大切なことは「夢をこえて行く」、喜びをわかちあうことだと気付く…というお話)や、
「雲の魔法よ風の船」
(妹を亡くした少年が寄宿学校に転入し、新しい学友達との学園祭にともなって起きる様々な出来事を通じて、次第に心を癒されていく、お話)や、
「七月の城」
(父に捨てられた母の<城>に対する妄執を断ち切れないでいた<ジョー>。そのために恋人<アルファルファ>との仲もギクシャクしがち。ある日アルファルファが酔っていつのまにか外国人の少年を連れて来てしまうが…といったお話)
が収録されていて、このようにくまのヘタな文章で説明するとどうもこのマンガの良さが伝わりにくいような気もしますが、どのお話も登場人物たちの気持ちや行動が、とても繊細なんだけど共感できると言うか…普段忘れがちだけど大事なこと、を思い出させてくれると言うか…とても印象に残るマンガでした。

他にもトミーさんには、くまが今迄読んだことのなかった漫画家さんの、貴重なマンガもお借りしまして、
水野英子さんの「星のたてごと」は、
死者の魂を死の国へ導く女神である<リンダ>は、ある時戦死した王子<ユリウス>に恋をし、父神であるプレアデスから<生命の指輪>を盗み出し、生の国へ帰してしまう。プレアデスの怒りを買ったリンダは、人間(ユリウスの敵国の将軍の娘)として地上に落とされ、指輪を取り戻し、ユリウスに死を与えるように命じられる。
といった始まりの、まさに少女マンガの王道!というべき壮大でロマンティックなお話で、大人になった今読んでも面白く、これを少女時代に読んでたら、きっともっと衝撃的だったんだろうな~と思えるほどでした。
他には石森章太郎さんの「二級天使」「青い月の夜」で、
今迄石森さんと言うと、アニメの「サイボーグ009」や「猿飛えっちゃん」くらいしか知らなかったくまには、初めて読むタイプのマンガで、前衛的…というのでもなく、子供向きというよりは実験的な手法を様々に使うことによって大人も楽しめるものになっている、というか…
はっきりと「何がどう感動した」とか「どこがどう面白かった」というのではなく、読後に何となく印象に残る面白さのあるマンガ…のように感じられました。
くまが一番面白かったのは「ゆうれい少女」と「みどりの目」です。

トミーさん、長い間貴重なマンガをお借りして、すみませんでした。
それから、改めてまた御礼申し上げようと思うのですが、こちらでも一言、美味しい「鳴門糸わかめ」をありがとうございました!!
今のところ「わかめスープ」と「お酢の物」にしたんですが、くまのヘタなお料理でも、素材が良いからか美味しく出来たように思います。
せっかく頂いたのに、パソコンの勉強不足とデジカメを購入していないので、写真をアップできなくてすみません。
ホントに重ね重ねありがとうございます!!


それでは。