旅の途中で

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最近読んだ本

2011年08月09日 23時53分44秒 | 
 カラスの親指 道尾秀介 著

「怖い怖い」と言いながら結局読んでるし、道尾さん。

でも、しょっぱな「向日葵の咲かない夏」を読んだ時とだいぶ印象が変わってきています。
「向日葵~」が最後まで怖くて救いようの無い内容だっただけに、道尾さんってかなりドライでシビアな人なのかと思ってたんですが(それが悪い訳じゃあもちろんないんですが)、前回読んだ「片眼の猿」と今回の「カラスの親指」はどちらも、

「人はひとりじゃ生きていけない」

っていうことを強く訴えかけるような内容でした。

「カラスの親指」は、過去にヤミ金に手を出したせいで、人生を狂わせてしまった詐欺師のお話です。
人生を捨てて自ら悪者になりきる主人公が、仲間と出会ってもう一度人生を見つめなおす物語です。

物語のあちこちに見え隠れする道尾さんの思い。
かなり好きです、道尾さんの考え方。

「道尾さんって、実はウェッティな人情家だったりして~」
と、評価が180度変わってしまう私は、かなり流されやすい人です(笑)

でも、コレで完全に道尾さんに心を開いたわけじゃありません(笑)
次に新しい本を手に取る時は、やっぱり「また、読んだ後で奈落の底に落とされたりして・・・」と、ドキドキ警戒しながら買うことになるでしょう

・・・それも道尾さんの魅力と思うようにしよう。