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日々の事、気ままに綴っています

書道ガールズ 私たちの甲子園

2013-01-29 19:59:14 | 映画
これもテレビで観ました。

紙の生産高日本一を誇る愛媛県四国中央市の高校生が、地域活性化のため書道パフォーマンス甲子園を開催する。
これはなんと実話だそうで、テレビで放映された事で一躍有名になり映画化されました。


出ている女子生徒が可愛い子ばかりの青春ものです。

書道のシーンは吹き替えなしで撮影したらしく、正月休みも返上して練習したそうです。
その成果もあって、若者らしいのびのびとした字を披露しています。
特に書道パフォーマンス甲子園の大会のシーンは一発勝負だったらしく、緊張感あふれる演技でとても良かったですね。


この映画で特に面白いと思ったのは、臨時教師でやって来た池澤(金子ノブアキ)の存在ですね。

彼はおよそ教師らしくない風貌で、髪はボサボサ、たまたま部室に居た所を書道部部長の里子(成海璃子)に泥棒だと間違われる程です。
その上、ゲーム機を手放さず、里子の作品にも面白くないと言いたい放題。

しかし、書道部の顧問になった池澤は、部員を増やすために書道パフォ-マンスを行います。

そしてこの事がきっかけとなって、里子達は町おこしのための「書道パフォーマンス甲子園」を思いつくのです。

最初は、自分には人を教える資格など無いと言っていた池澤も、書道部員の熱意に押されてようやく重い腰を上げて彼らを指導します。


師としての資格とは何なのか?
池澤のように未熟で欠点だらけの人間でも、師としての資格はあるようですね。

そして、停滞している場から新たな創造を産み出すには、彼のようなトリックスターの存在が必要不可欠なのだと言う事も教えてくれます。


最後に大会が終わり池澤が去って行くのですが、今まで手放さなかったゲーム機を駅員に「もう必要なくなった」と言ってあげてしまいます。

書道部員達を指導する事で、彼もまた再生されたようですね。

「書道パフォーマンス甲子園」の大会で里子達が書いた文字は「再生」でした。

そして、彼の鞄のポケットには里子から送られた封筒が入っていて、皆で映った写真の裏には「ありがとうございました」のメッセージが書いてありました。


すごくベタな展開ではありますが、中々面白かったです。

恋愛がほとんど絡んでない所も好感が持てますね。



幸せのレシピ

2013-01-28 11:54:08 | 映画
これも大分前に録画してあったのをようやく観る事が出来ました。


マンハッタンの高級レストランの料理長のケイト(キャサリン・ゼタ・ジョーンス)は料理の腕は一流なのですが、頑固でプライドが高く、料理にケチをつけた客に誤りもせずに怒鳴りちらすという有様。
レストランのオーナーも流石に手を焼いてカウンセラーに通わせますが、本人は自分が間違っていないと思っているので全く効き目は無さそうですね。


余談ですが、アメリカの映画やドラマでよくカウンセラーが登場しますね。
日本でも年間の自殺者が3万人を超えるといいます。
こういったカウンセラーの存在が日本にも普通に存在するようになれば、少しは状況が改善されるのではないかと思ってしまいます。


そこに姉が交通事故で他界し、残された姪のゾーイ(アビゲイル・ブレスリン)を引き取ることになります。



ゾーイは自分の作った料理も食べず、心を閉ざしてしまい扱いに手を焼いてしまいます。

その上、職場に復帰してみると、いつのまにか陽気な副料理長ニック(アーロン・エッカート)が居て困惑します。

このニックは自分のファンだと言いのだから益々始末が悪いですね。




最初はうんざりして邪魔だと思っていた姪のゾーイや副料理長のニックと心から触れ合う事で、野望を持ち成功することよりも、身近にある小さな幸せを大切にする事の方が大事だと気づくというお話です。


キャサリン・ゼタ・ジョーンズはとても綺麗ですが、貫禄がありすぎて重い印象になってしまっています。

もうちょっとユーモアがあって、軽いラブコメ調にした方が良かったように思いました。



この映画は、ドイツの「マーサの幸せのレシピ」のリメイク版らしいですね。
こちらも評判が良さそうなので機会があれば観てみたいです。


辛口です。「コクリコ坂から」感想 

2013-01-26 18:16:19 | 映画
これもテレビで観ました。


監督は宮崎駿の息子宮崎吾朗です。

まず冒頭から海が一人で朝ご飯の用意をしている場面に、すごく違和感がありました。

妹や弟、祖母まで手伝わないの何故?

周りも海一人が家事をするのが当然と思っているようで、そこでまずイライラしてしまいました。

妹や弟の年がすごく離れているのなら分かるけど、そんなに離れてないし(妹の空とは1つ差)祖母も元気そう。

途中まで母親も亡くなっていると思ってました。
実際は海外に仕事で行ってたようですが、それなら海(メル)が下宿屋をする必要性がわかりません。

お金のためでもないのなら、高校生の分際で仕事をする必要などないように思います。
勉強に専念した方がいいのでは?本人も医者になりたいと言ってましたよね。


高校の文化部部室のカルチェラタンの描写は、さすがにジブリらしいと思いました。

この取り壊しを学生達が反対するのだけれども、理事長が抗議に行った海(メル)を一目見て気に入ったのも解せませんでした。
単に可愛かったから?としか思えなかった。

メルの声を長澤まさみがやっていたけど、可愛げがなかった。
これは長澤まさみのせいではなく、起用した監督の責任でしょう。


俊の出生の秘密はもっと理解不能です。

俊の本当の父親はメルの父親だと言うのですが、実際は違っていたようです。

色々事情があったにせよ、普通一番身近にいたメルの母親には、本当の事を話すと思うのです。

だって黙っていたら、メルの父親が不倫して、その挙げ句に他の女の人に子供を産ませたことになってしまう。

それなのに、船長でたまたま日本に帰って来た父親の親友に、話をわざわざ聞きに言くのもよく分かりませんでした。

メルや俊の表情もいまいちだったし、動きもぎこちなかった。

昭和のノスタルジーな雰囲気はあったけど、この時代に何か監督は思い入れがあるのかしら?


私にはこの映画の良さが全くわかりませんでした。



ヴィクトリア女王 世紀の愛

2013-01-18 21:36:46 | 映画
これもテレビで観ました。

18世紀のイギリス。7つの海を支配した「太陽が沈まない帝国」その黄金時代を築き上げた女王の若かりし頃の物語です。

ウィリアム王の姪ヴィクトリアは正統な王位継承者です。
しかし実母のケント公爵夫人や野望に燃える夫人の愛人コンロイから摂生政治をするよう迫られていた。

断固と拒否するヴィクトリアは首相のメルバーン子卿を頼りにします。

そしてベルギー国王は、従弟のアルバートを宮廷に送り込むことにします。


ヴィクトリア役は「プラダを着た悪魔」で主演したエミリーブラントです。
こんな面長とは思いませんでした。妙に間延びした顔に見えました。



アルバート役はルパート・フレンド。なかなかのハンサムでこの役にはピッタリでしたね。

衣装や宝石なども豪華で、舞踏会のシーンなども圧巻でした。


ヴィクトリア女王は18歳で即位するのですが、イギリスでもっとも長く在位した女王だったのですね。




それにしても、会うのもプロポーズも女王からでないと駄目とは知りませんでした。

男女逆転の世界だったのですね。これは地位の差なのだから当たり前なのかもしれませんが。

陰謀の渦巻く世界にいながらも、ヴィクトリアはアルバートと純粋な愛で結ばれます。


2人の間には9人も子供が産まれ、アルバートは42才の時に薨去します。

その死を悼み、ヴィクトリアは10年以上も喪に服していて隠遁生活を送り、公式の場に出るときは喪服を通していたと言います。


2人の恋愛物語も良かったですし、歴史を学ぶことも出来て面白かったです。




ディア・ドクター

2013-01-15 13:21:48 | 映画
これもテレビで鑑賞しました。

この映画も考えさせられる所もあり、なかなか面白かったです。

監督は西川美和。オリジナル脚本だそうで、まだ30代の若い女性なのに僻地医療、高齢医療の問題点にまで踏み込み、その上人間観察の鋭さには脱帽です。


僻地の村にいるただ一人の医者が、ある日突然失踪する。しばらくして脱ぎ捨てられた白衣も見つかる。

警察も出て来て大騒動になるが、その医者は偽医者だったこと、経歴も全て嘘だったことがわかる。



この偽医者の伊野役を笑福亭鶴瓶が演じているのですが、これが初主演作品とは思えない程の出来でした。

どういういきさつかはわからないけど、この村で医者になりすまして生活しています。
それ相当のお金ももらっていたので、詐欺師とも言えるのだけど、彼なりに勉強したり一生懸命やっているのですね。

なので彼は村の人からは信頼され、尊敬すらされています。

しかし彼は、周りが村の人たちがこうして欲しいと願っていることをやっているだけにすぎないのですね。

そのため、胃がんの未亡人(八千草薫)が、病院に入院したくないという願いを聞き入れて嘘の診断書まで用意します。

本物の医者では絶対にやらないことですね。

しかし未亡人の本物の医者の娘(井川遥)からあれこれ質問され、最後は本物の診断書を渡して失踪してしまったのです。




警察はこの偽医者伊野について、見習いの医者(瑛太)や看護士(余貴美子)などから話を聞くのですが、身近にいたにも関わらず彼らの発言は本当に要領を得ないんですね。

ある人についてどういう人物だったかなど、他人にわかるように説明するなんて本当は出来ないですよね。

それに、本心なんて実は本人ですらわからないものかもしれない。




そして、伊野という善と悪の境目の限りなくグレーに近い人物を本当にうまく笑福亭鶴瓶が演じていました。

本当は心苦しくて逃げ出したいけど、逃げ出すきっかけがつかめないままずるずると居続けてしまった。

彼が居なくなる事で、この僻地の村は無医者になり村人がとたんに困ってしまうのは目に見えるからなのです。



色々と考えさせられるドラマで、それでいて決して重くなく軽いテンポの物語です。

最後の八千草薫さんの笑顔は癒されますね。