晴れ時々曇り 希に雨

日々の事、気ままに綴っています

ノルウェイの森

2012-01-29 17:04:00 | 
著者 村上 春樹

これも図書館で借りました。

随分昔に読んだ記憶があるのですが、ストーリーはほとんど覚えていなかったです。

最後どうなったかさえ覚えていませんでした。

ただ、読み進んでいる内に、思い出した部分もあります。


正直、こんなに自殺者や死人が多い話だとは思っていませんでした。

それもはっきりとした自殺の理由がわからないところとか、少し違和感を感じました。

ここまで殺さなくてもいいんじゃないと思ってしまいました。


最後のあとがきで村上春樹が個人的な小説だと書いていたので、死んだ友人の事を思い出して書いていたのかもしれませんね。


それと性描写も結構あるのですが、どうなんでしょう。

こんなに簡単に関係を持っていいのかな?
村上春樹の周りでは当たり前だったのでしょうか?


話自体は決して嫌いではありません。

主人公のワタナベ君と直子の関係が純愛と言えるかもどうかは別として、

直子を失った時の喪失感はとても良くわかりました。

これは感性としてのレベルの話ですね。

死別とは限らず、何かを失った経験がある人には、共感出切る部分が多いのではないでしょうか。
 

あと、レイコさんの頭がおかしくなる原因を作った、13才の悪魔的な美少女の話も面白かったです。

ここまで悪魔的でなくとも、こんな人いるいる、とね。



そして、主人公の僕(ワタナベ君)が死を纏っている直子ではなく、つらい事があっても生命力溢れた緑に惹かれていくのは、仕方ないことなんだけどちょっと複雑でしたね。



放っておいても物事は流れるべき方向に流れるし、どれだけベストをつくしても人は傷つく時には傷つくのです。


この言葉に限らず、レイコさんはとても素敵な言葉を言う人だったんですね。



年齢を重ねて改めて読み返してみると、最初に読んだ時よりも理解できる部分が多くなったなあと思いました。







タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密

2012-01-18 18:50:14 | 映画
今さらですが、「タンタンの冒険」を観ました。

3Dで日本語吹き替え版です。

豊島園で観たのですが、観客は10人もいなかったようです。


原作はベルギーの人気コミック「タンタンの冒険」をベースにして、スティーヴン・スピルバーグ監督がフルデジタル3Dで映画化。製作にはピーター・ジャクソンも参加しているそうです。

17世紀に姿を消した帆船ユニコーン号の模型を手にした少年タンタンが、愛犬スノーウィと船長ハドックとともに財宝の行方を追います。




スノーウィは結構活躍してましたね。可愛かった。

全体的に画面は暗かったですね。

女性もほとんど出てこないのでかなり地味ですが、私はかなり楽しめました。

映像もよく出来てると思います。

もっと人物に違和感があるかなと思いましたが、そんなことはありませんでした。

冒険活劇物としてなら、十分満足できると思います。



にしてもこの観客の少なさには驚きました。

もともと上映されてから大分経っているので、少ないとは予想してましたがここまでとはねえ。


3Dとしてはどうなのかな。私は初めてだったのでわかりませんが、ちょっと物足らなかったかも。

予告のスパイダーマンの方が迫力ありましたよ。



続きがあるような終わり方でしたが次回作はあるんでしようかね。






初詣

2012-01-11 12:27:05 | 日々のこと
この前の連休に初詣に行って来ました。

過去に何回か行ったことがある、ちょっと大きめの神社でドライブがてらにいったのですが、、、

初詣と言えば、セットもんでおみくじを引きますよね。

私達も引いたんですよ。ちなみに私はでした
そして旦那さんも引いたんですが、これがだったんですね

実はかれこれ10数年前、旦那さんが元旦早々立て続けに凶を3度も引いたことがありまして、その年は本当に最悪な年だったのです

なので、お正月のおみくじにはとてもナーバスなのです。

一気に落ち込んでしまったので、近所の神社にもお参りに行ってきました。

近所の神社です↓



そしておみくじを引いたら大吉でした。
良かった、良かった。

ちなみに私は吉だったので引きませんでした。



ついでに神社にいた猫です





去年はあまり良い年ではなかったので、今年は良い年にしたいなと思っています

サラの鍵

2012-01-10 14:51:14 | 
著者 タチアナ・ド・ロネ

これも図書館で借りました。


映画化されていて上映中ですね。

この小説の登場人物は全て虚構の存在ですが、1942年7月16日フランスのパリでドイツ占領下で起きたユダヤ人(13152人)の一斉検挙を元に書かれた本だそうです。
そこには4115人の子供たちも含まれていたそうです。
そして、彼らのほぼ全員がアウシュヴィッツに送り込まれました。戦後、生還できたものは約400人に過ぎなかったといいます。


フランスでもこの事実はほとんど知られていませんでした。

しかし、1995年7月16日にシラク大統領がフランス人警官450名ががユダヤ人一斉検挙を行って、彼らを無残な死に追いやったことをはっきり認め、国家として正式に謝罪したそうです。

その演説を聴いて初めてこの事実を知ったフランス人はかなりの数にのぼり、深い衝撃を受けたといいます。



そして私はと言うと、この本を読むまでこの事実を知りませんでした。

この本の中で、主人公のジュリアがサラに会って、何も知らなかったことを誤りたいと言っていましたが、無知というのはとんでもなく罪なことなのかもしれないですね。



物語は家族と共に一斉検挙されたユダヤ人少女サラの視点と、60年後の現代に生きるフランス在住のアメリカ人女性ジャーナリスト、ジュリアの視点が交互に描かれいます。


特に前半のサラの話は本当に痛ましくて、こんなことが実際に行われていたのかと思うと心が痛みます。

サラの悲劇はどうしようもなかったのか?


物語の中でもサラの悲劇は様々な人達に波紋を広げ、この事実を暴くことで、ジュリアの人生も根底から変える事になります。


真実を知ることは、平穏に暮らしていた人たちに痛みや苦悩を巻き起こしますが、

それでも真実を白日の元にさらし、覚え記憶し続けること、語り次ぐことが、恐怖と苦痛の中、無念の内に死んでしまった魂を本当の意味で弔うことなのだと思いました。



映画も機会があれば、ぜひ観てみたいと思います。


ダンス・ダンス・ダンス

2012-01-05 16:46:48 | 
著者 村上 春樹

これも図書館で借りました。


「羊をめぐる冒険」の続編だったみたいですね。

一応読んでなくてもわかるようにはなっていました。

ドルフィンホテル通称いるかホテルが舞台になっています。

主人公の僕がかつて訪れた古びたいるかホテルはなくなっていて、近代的なりっぱなホテルに生まれ変わっていました。


しかし、かつてのいるかホテルはまだ存在し、主人公の僕はそのいるかホテルに含まれている。



そしてここから全て始まるし、ここで全てが終わる。ここがあんたの場所なんだよ。<中略>あんたはここに繋がっている。ここがみんなに繋がっている。ここがあんたの結び目なんだよ。

ここでおいらの役目は繋げることだよ。ほら、配電盤みたいにね、色々なもの繋げるんだよ。<中略>あんたが求め、手に入れたものをおいらが繋げるんだ。

そのいるかホテルに住みついている羊男がいう。


このいるかホテルは現実なのか白昼夢なのか、無意識の世界、はたまた死の世界なのか。


村上春樹の独自の世界観が広がっています。

主人公の僕はいろんな物を失ってきています。

離婚、友人の死などで、何を求めているかわからない、何処に行くべきかもわからなくなっています。


それに対する羊男の答えがこれです。


「踊るんだ。踊りつつけるんだ。何故踊るかなんて考えちゃいけない。意味なんて考えちゃいけない。意味なんてもともとないんだ。<中略>だから足を止めちゃいけない。どれだけ馬鹿馬鹿しく思えても、そんなこと気にしちゃいけない。きちんとステップを踏んで踊り続けるんだよ。」



結局僕はいったんいるかホテルを離れ、13才の少女ユキと奇妙な友人関係を持ちつつ、友人で芸能人の五反田くんと友情を育み、かつているかホテルに僕を導いた高級娼婦のキキを探します。


最終的に僕はまた現実的には全てを失うことになるのですが、唯一今の近代的ないるかホテルの従業員であるユミヨシさんと繋がることが出来るのです。



現実の世界で生きていくためには踊り続ける。たとえ幸せになれるかどうかはわからないけど。

それでも、みんなが関心するくらいとびっきり上手く踊るしかないないのですね。


順序が逆になってしまったのですが、「羊をめぐる冒険」も読んでみようと思います。