MARIKOのコンサート・レポート
書こうと思いながら、日にちが経ってしまいました。
先月、7月19日海の日に、初めて東京芸術大学というちょっと珍しい処に行ってきました。
大学の構内にある奏楽堂(そうがくどう)という音楽ホールのコンサートに出かけたのです。
大学の名前と伝統からして、権威があって近寄り難い、アカデミックなイメージを抱いていたのですが、
予想に反して親しみ易い、庶民的な雰囲気の学校でした。
第一、住所がいい。 台東区 上野公園12-8 ちょうど上野動物園の裏手です。
(写真は芸大音楽学部正門・ウィキペディアより引用)
北野武さんが大学院の映像研究科の教授になったのが記憶に新しいですね。
コンサートのタイトルは「海にきらめく珠玉のチャリティガラコンサートⅧ」。知人が歌うので、根津駅から歩く途中のお花屋さんで花束を作ってもらい、汗を拭き拭き大学へ。
このあたりはまだ昔の下町の面影が残っていて、よしずを掛けた板の壁のお宅や、盆栽が並んだ
路地には学生向けの古い下宿屋さんなどが見られました。
美術学部の学生らしい男の子が大きなキャンバスを脇にはさんで器用に自転車をこいでゆくのを見
かけたのも、この土地らしい光景です。
コンサートの出演者はソロのオペラ歌手が19名、合唱団が130名以上という大コンサート。
伴奏はピアノによる伴奏で、森島英子さん、服部容子さん、山口佳代さんの3名でした。
それにしてもオペラ歌手が19名には驚きます!
ふつうはその半分でも多いくらいなのに。
ほとんどが芸大の卒業生で、そのはず芸大共催のチャリティです。
国内外で活躍している歌手のかたたちが、タキシードや華やかなロングドレスで次から次へと
登場して、一人一曲づつでオペラの名アリアを歌うステージは壮観でした。
3部に分かれていて、1部と3部はソロによるオペラ(歌劇)のアリア、間の2部は高橋大海氏
指揮による合唱。
1部のトリは、「サロメ」で話題になった大岩千穂さんの歌劇「椿姫」より「ああ、そは彼の人か」。
いかにも大岩千穂さんらしい情熱的な演技で、赤いイヤリングをはずし床に投げ捨てて退場します。
最後にはソロ歌手と合唱団全員がステージに揃って、ヴェルディ作曲の歌劇「ナブッコ」から
「行け、我が想いよ、金色の翼に乗せて」を合唱してくれました。
なんと3時間にも及ぶコンサートでした。
これでS席が4000円というのですから、ずいぶんお得なコンサートです。
毎年開催されているそうですので、興味のあるかたは上野界隈の散策も兼ねて、お出かけになって
は如何でしょうか。
このコンサートはチケットぴあでも取り扱っていました。ところで、芸大奏楽堂のホームページにはコンサートの情報が掲載されています。
洋楽から和楽から、あらゆる音楽の演奏会が年間100回くらい開かれており、利益抜き
なのでしょうか、どれも3000円以下なので驚きです。
オーケストラ演奏でも2000円など。なかには1500円とか無料もありました。
無料というのは、学生さんたちの発表会のようです。お値段のことを書くのは、若い人たちにいい音楽に触れてほしいと思うからです。
たとえば、オペラを観てみたいと思っても、安くても1万円以上はしますので、若い人はなかなか
試しに経験するということさえできません。
芸大に限らずほかの音楽大学でも自前のホールで格安の演奏会をやっていると聞きましたので、
そういうのを調べて利用するのもいいかもしれませんね。
地方のホールに較べると、都会はコンサートの料金が割高ですので。
奏楽堂は全自由席が多いのですけど、並ぶのかどうか詳しいことは判りませんので、調べてから
お出掛け下さい。
なお、オペラはふつう、ステージの両端に日本語の字幕が出ることになっていますから、意味が
解らなくて困るということはありません。
そちらも一応、日本語字幕付きであることをご確認下さいね。
以上です。
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