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二つ星の空

(旧「風からの返信」-11.21.09/「モーニングコール」/「夢見る灯台」/「海岸線物語」)

「寒い国から帰ってきたスパイ」読了

2013-09-08 08:23:29 | 
遅ればせながら、Kindleデビュー(アプリだけど。)

「寒い国から帰ってきたスパイ」は、昔の「寒い国から来たスパイ」という題名が強烈に記憶に残っているので、若干違和感があるのだが、原題は"The Spy who came in from the cold"なので、どっちの訳も違うっちゃ違う。でも、原題を活かした訳は、難しい(というか無理)だという書評には同感。

そんな本作ですが、20年越しで興味を持ちつつ、ずっと横目で「いつか」と先送りしていた作品だった。ジョン・ル・カレの「ティンカー・テイラー・ソルジャー・スパイ(裏切りのサーカス)」にはまってから、スマイリーシリーズを一気読みして、その後、やっとこの作品を読むことができた。

う~ん。読むのに怖じ気づいていた自分の予感は、正しかった。めちゃめちゃ重い。「スクールボーイ閣下」に匹敵する。いや、もっと、こう、胃と脳にくる衝撃だ。

でも、読んでよかった。アレック・リーマスに会えてよかった。
読後はしばらく無口になって、ものを考えるのが辛くなって、最後は、布団かぶって寝ちまったけどね。

若干ミーハー視点で言うと、スマイリー、ギラム、コントロールが、the same oldって感じで出てきます。彼らの出番は少ないけど重要なので、書かれていない背景を想像すると、ティンカー・テイラー的バックストーリーを感じて興味深い。
(あ、そうそう、Tinker...の原作もKindleで買ったけど、そのおまけに入っていたプロダクション・ノート(制作に関する記録)で"Guillam (pronounced "gwill-im")"とあった。本当はギラムじゃなくてグウィラムなんだな)

浦沢直樹のマスター・キートンを久しぶりに思い出した。浦沢直樹の世界が好きなのは、こういうル・カレのような作家のテイストに通じる世界観の漫画を描いてくれるからなんだよな。今、ちょっと遠ざかってるけど、また今度読んでみよう。

本屋に行けない生活をどうにかしないとな、と思う今日この頃。
では、また。
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