母の忘れもの

軽度認知障害になった母の記録

クローゼットからご飯

2021-01-18 12:17:08 | 日記
日曜日の朝

実家の様子を見に行った

先週の木曜日にケアマネMさんが

契約にくると聞いていたので

その話も聞きたくて行ったのだが

父に聞くと

その日はヘルパーさんを紹介されただけで

明日(つまり今日)

書類を書くことになっているらしい

父はそのヘルパーさんは

母を認知症カフェで始めた

陶芸教室に連れていってくれる人だと

認識したようだが

私はMさんから週2回

母のフォローをしてくれる

ヘルパーさんを手配すると聞いている

おおかた間違いではないので

別にいいのだけど

相変わらず

父の解釈は事実とちょっとずれる

昔からそういう父を

母が修正してきたが

もう母に事実がわからなくなったから

父はずれたままいくんだなぁ

まあ陶芸教室は嘘ではないし

そういうことにしておいた

そんな話をしていると

母が「なんの話⁉️私の話をしてるの⁉️」

とちょっと喧嘩腰で言ってくるので

「陶芸教室に行くことになったんでしょ?この前体験で作ったやつはまだ出来上がらないの?」

と聞くと

キョトンとした顔になって

「陶芸教室は私は別にどっちでもいいんだけど」

と言ってみたり

「こんな小さいおちょこみたいなの作ったと思うけどまだ出来てこない」

と言ってみたりして

怒っていた感じではなくなった

その場は収まったので

恒例の冷蔵庫のチェックと

母の食材隠しチェック

冷蔵庫はまた少しずつ

豆腐とえのきと鱈と糸こんにゃくが

増えていた

七草も残ったまま

あきらかに鍋しかできない材料

夫婦2人なら

鱈鍋と豚しゃぶ食べ続ければ

買い物にいかなくても

1週間は食べられる量

毎日買い物に行っても

同じものにしか目がいかない

認知症の人の脳って

本当に不思議

うちの母だけかなぁ?

北側の部屋を見回すと

クローゼットから銀色の物がのぞいている

近寄るとそれはステンレスのボウルだった

それを引き出すとステンレスボウルに

余りご飯を入れてしゃもじも一緒に

入ったまま白いザルがかぶっていた

ご飯の表面はカリカリに乾いて

黄色く色も変わっていた

それを母に見せて

「これクローゼットから出てきたよ」

と言うと

母は座ったまま

「うそぉ❗何でぇ⁉️」

と言った母は笑っていた

あきらかに母がやったことで

あり得ない行動をした証拠なのに

取り繕いもなく始末するために

立ち上がることもなく

ただ座ったまま他人事のように

笑っただけですぐ

ボーッとテレビに視線を移した

まだ数ヵ月前は

言い訳したり取り繕ったりしていて

めんどくさいけど

意地やプライドが強い人だっただけに

それが母らしさだったと思う

もうそれもできなくなるほど

進んでいるんだろうなぁ

父にクローゼットから出てきた

ご飯を見せると

母はご飯を捨てたと言っていたらしい

2日前の出来事らしい

まだご飯が異臭を放つ前に

発見できてよかったと思おう

父には北側の部屋とベランダも

たまにチェックして欲しいと

言っておいた

帰るとき

母は

「ありがとうね
世話かけてすんません」

と言ってくれる

母のダメ出しをしまくって帰る私は

その言葉を後ろめたい気持ちで

聞いている


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