母の忘れもの

軽度認知障害になった母の記録

自画自賛

2023-02-21 15:57:22 | 日記
しばらく実家に行かないつもりだった矢先

父から介護認定の結果が届いたと

電話があった

えらく絶好調だった認定調査だったが

こちらの苦労を理解していただけたのか

めでたく「要介護1」の認定を頂いた

父の方からすぐケアマネさんに

連絡してもらうと4日後に

ケアマネさんが来ると言うので

私も同席することにした

1週間ぶりに実家に行くと

とてつもないスピードで増えていた食材が

少し落ち着いているように見えた

みかんがシーズンではなくなったのも

あるかもしれないが

レシートを見ても

買い控えているのが見てとれた

キャッシュカードを失くして

心細くなっているのかな?

財布にはお金が入っていたが

話の端々に

「キャッシュカードがない」

「自分の自由になるお金がない」

とつっこんでくる

涙目で私を睨み付ける

その度に

「自分でなくしたものだよ!私は見てもいないよ!」

と言うと

「そうだけど…」と納得いかない顔をする

父にも私が隠したと訴えていたらしいが

「おまえが失くしたんだよ!」

と訂正を繰り返しているらしい

そういう症状だとわかっていても

私も人間だもの

ムカつくよ

ケアマネさんが来て

「要介護になったので

介護サービスが増やせますから

今、週1で半日のデイサービスだけですが

それとは別に1日のデイサービスを

使いましょう」

と少人数で母が好きそうな手芸や

麻雀などをやらせてくれるうえに

気難しい母に柔軟に対応してくれる

デイサービスのパンフレットを

持ってきてくれた

母は「いかない!」と言ってみたり

パンフレットを見ながら

「こーゆーところなら行ってみたい」

と言ってみたり

コロコロ言うことが変わったが

行きたくない気持ちもあるけど

行かなきゃいけないんだろうとも

思っているんだなぁと感じた

とにかく話を進めるために

ケアマネさんが各所電話をしてくれて

1日デイサービスのお試しに

行くことを決めた

また当日になって母は「聞いてない!」

と抵抗するかもしれない

昼になったら

「帰ってお昼の支度をしなくちゃいけない!」

と騒ぎだすかもしれない

とても気が重いが

お迎えの人には「予約されてます」って

言ってもらおうとか

昼に騒ぎだしたら

「お昼の準備はしてきてますよ」と

言ってひき止めてもらおうとか

ケアマネさんやデイサービスさんと

打ち合わせた

ケアマネさんが帰ってから

父とキャッシュカード探しをした

カードなんてどこにでも隠せてしまうから

途方もない捜索だが

母の習性を知り尽くした私は

母がカードを隠すならどこに隠すか

考えながら探した

最近母は診察券入れも

定位置から移動させて「失くなった!」

と騒ぎだすので

よく失くす

診察券と財布とカギと敬老パスに

失くしもの防止タグを購入して

それぞれに着けた

それのお陰で前日父は

母が診察券がないと言った時に

すぐ見つけられたと喜んでいた

しかし気になったのは

いつも診察券を入れているポーチが

診察券をわざわざ抜いて

タンスの引き出しに入れてあったこと

昔から大切なものはタンスの引き出しに

入れていたのに

診察券を抜いたポーチには

お薬手帳ともう使っていない診察券しか

入っていない

もしかしてと

使っていない診察券が入っている

チャック付きのポケットを確認すると

茶封筒でピッチリラッピングされた

カードらしきものが出てきた

茶封筒を開けてみると

あった❗

「あったよ❗」と言うと

母が駆け寄ってきた

カードを受け取り半泣きになりながら

「ありがとう❗ありがとうね❗」

と言っているが母がこのまま

カードをまた隠す可能性は大だ

私も父もそれは避けたい

母の説得を試みるが興奮状態の母は

「いいの❗」と言って手放さない

3歳児の駄々っ子が憑依している

話にならない状態に父もキレ始めている

興奮状態でカードを抱きしめ

部屋の中を落ち着かない様子で

ウロウロしている母の手元を

私は注視していた

また茶封筒に入れようとしている

すかさず

「もう封筒に入れたらダメだよ❗」

と言った

放っておいたらまた隠すので

「必ず財布に入れておいて」

といつも母が入れていたところを指定した

財布に入れるところまで確認させながら

見えなくならないように

必ず財布のカード入れに入れて

他のカードがない被らないようにと

しつこくしつこく説明した

また忘れるかもしれないが

また隠すかもしれないが

ひとまずこれで様子を見よう

それにしても

過去何十回も母の隠したものを

探してきたが

結構な確率で見つかる

(見つからなかったものもあるけど)

父が「上手に見つけるなぁ」と 

感心してくれたが

我ながら「すごいじゃん?」と思う

でもこれも

昔から母からの過干渉に耐え

生きてきた結果かな

と思うとあんまり誇れない

やっぱりな

2023-02-14 12:17:25 | 日記
あれから3日程してから

母のキャッシュカードの再発行手続きを

母のスマホからした

すぐにできて簡単だった

届いたときに母しかいなかったら

私たちは知らないまま

また母がすぐに

隠してしまうのではないかと

心配だったが

幸いにも母が出掛けていて

父だけの時に届いたので

父が連絡をくれた

母に渡すかどうか父と話し合ったが

母の物だし

自分で管理できれば

「お金がない❗」って

騒がれずにすむから

渡すことにした

ただし一応

「すぐ失くしちゃうから預かろうか?」と

一言聞いてみてと父には伝えた

まあ

がめつい母のことだから

言うことは聞かないだろうとは思っていた

案の定「私のお金だ❗」と言って

持っていったらしい

そしてすぐに

「キャッシュカードがない❗」と

騒ぎだしたらしい

やっぱりな

もう探してやる気にもなれない

父から連絡をもらって

二人で

もう放っておくしかないな

と電話を切った




とうとう…のつづき

2023-02-07 14:04:02 | 日記
父が自分のキャッシュカードを

返してと母に言えなかったのは

母が母のキャッシュカードを

失くしていたからもある

母は私が通帳とキャッシュカードを

持っていったと父に言ったらしく

次の日父から確認の電話が来た

いわゆる物盗られ妄想というやつだろう

「絶対家の中のどこかにあるから大丈夫」

と言って電話を切った

3日後体調不良で仕事を休んだ私は

午前中は体を休めて午後から

実家に向かった

キャッシュカードはあっさり見つかった

その上で母が父の口座から

お金を引き出し過ぎて

一気に残高が少なくなってしまったことを

説明すると

これまたあっさり

父のキャッシュカードを父に返すことを

承諾した


そこから

「私のキャッシュカードはどこにいった?」

「なんで(父の)キャッシュカード返さなきゃいけないの?」

「そんなにお金は下ろしてない

「毎日必要なものしか買ってない

の無限ループが始まった

3ループ目くらいの母の

「わかった」を聞いてすぐ

父のところにキャッシュカードを

渡しに行った(いつも別の部屋にいる)

その時点で母の財布の中には

12,000円の現金があった

すると次の日

母が朝からうちに来た

「キャッシュカードも現金も何もない」と

子供が学校に行く時間で

うちの中はバタバタしていたので

「たぶん家にあるよ」

と言うとブツブツ言いながら

帰っていった

どのみち母の歯医者のために

仕事は休みをとっていたので

午前中に家の用事をすませ

午後にまた実家に向かった

母はいなかった

父に聞くと朝からまた

キャッシュカードも現金もないって

騒ぐから

2人で母の部屋を捜索したら

キャッシュカードは見つからなかったけど

引き出しから現金が120,000円ほど

出てきたらしい

そのお金をもって

自分1人でキャッシュカードの

再発行をしてもらいに

銀行を目指して出掛けていったようだ

母の銀行は今や窓口業務を縮小していて

私でさえ窓口業務をしている支店を

探すのに苦労するほどだ

しかも地元の区役所からの帰り道でさえ

わからなくなるほど

方向感覚も失っているのに

たどり着けるわけがない

GPSを確認しながら

動向をみていると

1時間ほどさまよったあと

帰ってきたようだった

お金を手にした母は

まっすぐ家には帰らず

行きつけの喫茶店に直行し

またいつものスーパーに向かった

スーパーからいえ電に

電話をかけてきたので

私が出るとあからさまに

「なんでいるの?」と嫌そうに言った

夕飯何にするか

父に聞きたかったらしいので

電話を代わると

父から母の歯医者のために

私が来たことを伝えてくれた

そのあとすぐに母は帰ってきたので

すぐ母のキャッシュカードを探した

またしてもあっさり見つかった

前日に見つけたところと

同じところに入っていた

財布には100,000円ほど入っていた

ちなみに銀行を探しに行ったことは

すでに忘れたようだった

歯医者に行く前に

またループが始まり

むきになったりなげやりになったり

だだっ子のようになって

「歯医者なんか行かない❗」

と言い出したりと

いちいちめんどくさい

「じゃあ自分で歯医者に電話して行かないって言ってね❗」

と言うとしぶしぶついてきて

無事歯医者に行けた

子供が幼稚園児だった頃に使った手を

まさか80歳の母親に使う日が来るとは

そして次の日

子供たちが各々出掛けてしまうので

私もストレス解消に

映画でも行こうと

主人と2人で出掛けていた

実家には行かないつもりだった

映画を見終わり

娘の18歳の誕生日祝いで

ケーキを買おうとしていた時

母から着信

「キャッシュカードも現金もない」と

もうなんかの罰ゲームかな?

ケーキを買ってすぐ実家に向かった

着いてすぐキャッシュカードを探したが

今度は本当に見つからない

買い物をした形跡もないし

たまに確認していたGPSでも

外に出た形跡もなかった

だから家の中にあるはずで

それがないって言うことは

間違いなく母自身が隠したはずだが

もう思い出せるはずもなく

お手上げだ

現金は見つかった

現金があることで少し母が落ち着いたので

その日は引き上げた

次の日また午後から行って

よく普通に出してくることもあるので

「キャッシュカードは?」

と聞いてみたが

やっぱり出てこなかったので

ネットで手続きをしてみることにした

ずっと失くなったままだった

通帳をweb通帳に切り替え

キャッシュカードを紛失、利用停止の

手続きをした

通帳の切り替え作業が完了しないと

通帳とキャッシュカードの両方が

再発行されてしまうので

キャッシュカードの再発行は

日にちを置いてからすることにした

手続きは母のスマホからやったが

終始母は説明を求めるくせに

理解できず混乱して怒り出し

なげやりになってまた説明を求めるという

無限ループになっていた

とりあえず母がキャッシュカードを

どこかに落として悪用される

心配はなくなったし

まだ現金は手元にあるので

数日は落ち着くはず(と思いたい)

ここ数日の間に私は

母から敵認定されたかもしれないけど

私的には痛くも痒くもない

来るなと言われたら喜んで距離をとりたい

でも全部忘れて怒りに震えても

私がいないと困ることは心のどこかで

わかってるんだと思う

仕方ないから自分がつぶれないように

つき合っていく

とうとう

2023-02-06 15:44:33 | 日記
懸念していたことが起きてしまった

母のお金の使い方は気になっていたが

実家とはいえお金の話は

デリケートな問題で

父が許していることならと

まだ問題にはせず

とりあえずお金の動きは

確認するようにしていた

毎日2回ずつスーパーに通い

1回2,000円~7,000円の

買い物をしていたら

単純計算でも

1ヶ月で120,000円~420,000円

月150,000円の父の年金だけでは

まかなえない

しかし母は父の年金の入る

メインバンクのキャッシュカードを

手放さないので

残高が足りなくなるまでと思い

様子を見ていた

10月くらいに通帳がないと

騒いだので

いい機会だと思って

通帳だけ父に返して

父にもこまめに通帳記帳して

確認した方がいいと言っておいた

私は母のレシートの記録をとりながら

たまに見つかる銀行の明細も確認していた

ちなみに11月のレシート合計は

約130,000円で

12月は180,000円だった

嫌な予感はしていた

1月末くらいに父の銀行明細を見て

驚いた

前月より300,000円も減っている

父にすぐそれを伝えて

通帳記帳してくるように言った

案の定母が何度も引き出していた

1月だけで320,000円

危うくメインバンクが残高不足に

なるところだった

父は母からキャッシュカードを

取り上げることに消極的だったが

母は自分の年金が入る口座も

別に持っているから足りなくなったら

そちらから下ろすように言えばいいと

言った

しっかりしてる頃は

生活費として父の口座から100,000円

下ろしたあと

足りなくなったら自分の口座から

お金を下ろしていた

認知症がすすめば

いつどこの口座からいくら下ろしたなんて

覚えていられるはずもなく

まさにそういうことなんだろう

父は口下手なので結局喧嘩しただけで

キャッシュカードは

返してもらえなかったらしいが

次の日に私が行って

改めて母に説明をした

その時は拍子抜けするほどあっさりと

キャッシュカードを返すことを承諾した

すぐに父にカードを渡して

これからは月1回お金を下ろして

母に現金を渡すように言った

父もホッとしたようだったが

ここから母の行動がおかしくなり

私が毎日実家に行かなくては

いけなくなった

その話はまた次回