母の忘れもの

軽度認知障害になった母の記録

マジック再び

2021-01-29 11:17:06 | 日記
昨日は

私たち夫婦の20回目の結婚記念日と

父の79歳の誕生日だった

相変わらず誕生日も

お祝いしてもらえない父に

今年もケーキを買って持っていった

仕事が終わって夕方に行ったが

実家の夕御飯は

レトルトのおでんだった

かろうじてほうれん草のおひたしを

作っていたが

料理らしい料理はしてなかった

冷蔵庫はまた豆腐と油揚げとネギ

ほうれん草も増えていた

北側のベランダには白菜とネギが

積み上げられていた

それも気になっていたが

それよりも

先週母と一緒に再発行の手続きをした

銀行の通帳がそろそろ届く頃だと思い

母に

「通帳は届いた?」

と聞くと

「届いたんじゃないかなぁ?ちょっと見てみるわ」

と通帳を入れているポーチを見に

自分の部屋へ

その後を私もついていった

ポーチの中から

新しい通帳を出したので

「もう届いたのか


「自分で受け取ったのか

を心の中でつぶやき

母から通帳を受け取った

開いてみると

再発行の手続きをしたのは

1月20日なのに

「再発行日令和2年10月19日」

と書いてある

思わず5度見くらいして

一瞬混乱した私の頭の中を整理した

これは母が去年の10月

郵便配達員から受け取って

10分で紛失して

先週までどんなに探しても出てこなかった

あの通帳だ‼️

そしてもう出てこないとあきらめて

先週利用停止にした

あの通帳だ‼️

←もうほんとにこんな気持ち

リアルにやろうとしちゃった

なぜ先週まで家中探して出てこなかった

この通帳が今さら出てきて

なぜ当たり前のように

通帳のポーチに入っているのか?

当たり前のように

通帳のポーチに入っているなら

なぜ先週までに入っててくれなかったのか

腹立たしい気持ちが隠せない

母に

「これは使えないよ

と言っても理解できない

先週私と再発行の手続きをしたことも

覚えてない

どこから出てきたのか聞いても

ずっとそこに入ってたとしか言わない

話にならないとはこの事だ

どんなマジックを使ったのか

誰か種明かしをしてほしい

長年の夢

2021-01-24 11:33:25 | 日記
うちの両親は

昔から仲が悪かった

私が物心着いた頃には

母は父の悪口しか言わなかった

両親が楽しく会話するところを

見たことがない

たまに会話していても

母は喧嘩腰で

父は不機嫌そうに返事をする

ちょっと言い合いになると

すぐ母は

「離婚する‼️

と騒ぎ出す

70過ぎても何度も母は

「離婚する‼️

と泣きながらうちに来たことがある

ここまで来て離婚なんて

経済的になんのメリットもないと

私は冷めた目で見ていた

怒りに任せて

「どこか単身者用のアパートでも借りて
一人で暮らす❗」

と現実的ではない夢を語る

そんな夢を抱いたまま認知症になった

誰かの世話にならなければ

生きていけないのに

「離婚する‼️

と泣いてうちに来たことがある

なんで父にムカついたのかは

すぐ忘れてしまったが

父が「バカ親父」なのは覚えていて

ただ怒っている

父と離れたいのに

施設に行くことには反発して

「施設にいれられる😡

って刑務所に入れられるくらい

嫌なことのように言う

でも最近

友達や回りの人が続々と

施設に入り

自分も認知症だと

少しずつ自覚するようになってから

「私もいつかは施設に入れられるんだろうなって覚悟しなきゃと思えてきた

と口にするようになった

そこで私は食いついた

「「入れられる」ってまるで悪いところに入れられるみたいに言うけど
ずっとパパと別れたいって言ってたんだから言ってしまえば別居じゃん?やっとパパと別居して生活できる場所ができるんだから良かったんじゃない?長年の夢が叶うじゃん❗

と言うと母は大笑いした

なるほどと思ったのか

違うわ❗と思ったのか

その後の返事はなかったが

母が施設に入らなきゃいけなくなるのは

介護度的にも経済的にも

もっともっと後になるが

そんな日が来たら

母にまた言ってあげよう

「長年の夢が叶ったね」って

永遠の75歳⁉️

2021-01-21 11:11:41 | 日記
月曜日に

母が認知症カフェで陶芸教室に

参加するための契約があったらしい

火曜日にさっそく

陶芸教室からお迎えがあり

参加してきたようだが

母は不満だったようだ

先月体験で行った陶芸教室は

ケアマネMさんが一緒だった

でも今回は知った人のいない中

身の置き場がなかったようだ

「まわりはみんなすごいおばあちゃんばっかりでうちの母親(私の祖母)ぐらいの人ばっかりだった❗私は場違いな感じだった

と身のほどがわかってない発言が飛び出す

「自分、今何歳だと思ってる?

と聞くと

「75歳

とのたまう

「今年の9月で79歳になるよ
来年には80歳だよ
あなたの記憶に残るあなたの母親も
80歳くらいだと思うけど?

と言うと笑いながら

「そうなの~?

と半分納得したような感じ

去年も一昨年も

75歳と答えた母

75歳から母の時間は止まっているのか?

3か月ぶりの診察で

陶芸教室に行き始めましたと

先生に報告すると

また母が先生に

「自分の母親くらいのおばあちゃんばっかりなんです‼️

と訴え始め

先生苦笑い

先生も私と同じように

「今いくつだと思ってる?

と聞いた

母は自信満々に答える

「75歳です❗

通帳の再再発行

2021-01-21 10:21:22 | 日記
昨日は母の診察日だったので

仕事を休んだ

診察は午後からなので

空いてる午前中に

去年10月にすったもんだあった

母が10分で紛失した銀行の通帳を

再発行するため

母と一緒に行ってきた

窓口で手続きすると1100円かかるが

銀行にある端末かスマホから手続きすると

550円の手数料で済むと言うので

銀行にある端末から再発行の手続きをした

銀行の人にアドバイスされながら

5分足らずで手続きが完了

銀行側は紙の通帳廃止の動きがあるので

紙の通帳の手数料が高めだが

母の安心材料として通帳が必要なので

今回は紙で手続きをした

でも紙の通帳が送られてくるときが

また難関で

母が受け取ってまたすぐ失くさないように

対策を考えなくては

父に

また通帳が送られてくるから

なるべく父が受け取ってほしいこと

もし不在通知が入ったら

私に渡してほしいことを

頼んでおいた

これでまた失くしたら

母のスマホで

Web通帳の手続きをしようかなぁ?



クローゼットからご飯

2021-01-18 12:17:08 | 日記
日曜日の朝

実家の様子を見に行った

先週の木曜日にケアマネMさんが

契約にくると聞いていたので

その話も聞きたくて行ったのだが

父に聞くと

その日はヘルパーさんを紹介されただけで

明日(つまり今日)

書類を書くことになっているらしい

父はそのヘルパーさんは

母を認知症カフェで始めた

陶芸教室に連れていってくれる人だと

認識したようだが

私はMさんから週2回

母のフォローをしてくれる

ヘルパーさんを手配すると聞いている

おおかた間違いではないので

別にいいのだけど

相変わらず

父の解釈は事実とちょっとずれる

昔からそういう父を

母が修正してきたが

もう母に事実がわからなくなったから

父はずれたままいくんだなぁ

まあ陶芸教室は嘘ではないし

そういうことにしておいた

そんな話をしていると

母が「なんの話⁉️私の話をしてるの⁉️」

とちょっと喧嘩腰で言ってくるので

「陶芸教室に行くことになったんでしょ?この前体験で作ったやつはまだ出来上がらないの?」

と聞くと

キョトンとした顔になって

「陶芸教室は私は別にどっちでもいいんだけど」

と言ってみたり

「こんな小さいおちょこみたいなの作ったと思うけどまだ出来てこない」

と言ってみたりして

怒っていた感じではなくなった

その場は収まったので

恒例の冷蔵庫のチェックと

母の食材隠しチェック

冷蔵庫はまた少しずつ

豆腐とえのきと鱈と糸こんにゃくが

増えていた

七草も残ったまま

あきらかに鍋しかできない材料

夫婦2人なら

鱈鍋と豚しゃぶ食べ続ければ

買い物にいかなくても

1週間は食べられる量

毎日買い物に行っても

同じものにしか目がいかない

認知症の人の脳って

本当に不思議

うちの母だけかなぁ?

北側の部屋を見回すと

クローゼットから銀色の物がのぞいている

近寄るとそれはステンレスのボウルだった

それを引き出すとステンレスボウルに

余りご飯を入れてしゃもじも一緒に

入ったまま白いザルがかぶっていた

ご飯の表面はカリカリに乾いて

黄色く色も変わっていた

それを母に見せて

「これクローゼットから出てきたよ」

と言うと

母は座ったまま

「うそぉ❗何でぇ⁉️」

と言った母は笑っていた

あきらかに母がやったことで

あり得ない行動をした証拠なのに

取り繕いもなく始末するために

立ち上がることもなく

ただ座ったまま他人事のように

笑っただけですぐ

ボーッとテレビに視線を移した

まだ数ヵ月前は

言い訳したり取り繕ったりしていて

めんどくさいけど

意地やプライドが強い人だっただけに

それが母らしさだったと思う

もうそれもできなくなるほど

進んでいるんだろうなぁ

父にクローゼットから出てきた

ご飯を見せると

母はご飯を捨てたと言っていたらしい

2日前の出来事らしい

まだご飯が異臭を放つ前に

発見できてよかったと思おう

父には北側の部屋とベランダも

たまにチェックして欲しいと

言っておいた

帰るとき

母は

「ありがとうね
世話かけてすんません」

と言ってくれる

母のダメ出しをしまくって帰る私は

その言葉を後ろめたい気持ちで

聞いている