goo blog サービス終了のお知らせ 

マンホールのモジョモジョ話

豊橋のシカゴブルースバンド『マンホール』が徒然なるままに書き込む、一種の随筆である。

ウタゴコロ

2009年02月27日 | ブルース
最近バタバタして歌も歌ってないので、たまにカラオケに行くと声が割れてしまう。

おまけに声が出ないことも多々ある。


歌というのもやはり練習せねば、と思わせる事態である。



自分は今、マンホールのボーカルとして多数の曲を歌わせてもらっている。

もともと楽器を演奏しながら歌を歌うのが自然だったので、ハンドマイクのみで歌うときはいささか手持ち無沙汰に陥る。

ギターやベースの時は良かったが、最近のようにハーモニカの場合は演奏と同時に歌が歌えないので、若干恥ずかしい。


ボーカルとしての才能は全くないのだ。


だけど歌は歌いたいからタチが悪い。


とりあえず、今はメンバーに歌わせてもらっている、という情況だ。


ところで、ボーカルの中でも好きなボーカル、嫌いなボーカルもある。


キライなボーカルはあえて書かないが、好きなボーカルは「ウタゴコロのあるボーカル」だ。


下手くそでも良いからウタゴコロのあるボーカルには心奪われる。



かつて東京に住んでいたとき、吉祥寺のストリートミュージシャンで一人の女の人に会った。


「女の人」と書くのは、彼女がいつも年齢を言わなかったのだが、どう考えても自分より年上だったからだ。


その彼女はストリートミュージシャンだったが、とにかくウタゴコロのある人だった。


ギターの腕は正直、「まだ覚えたて」の様相を呈していたが、歌に関してはとにかく惹き付けるものがあった。


歌も決して上手いわけでも声量があったわけでもない。


ほぼオリジナル曲なんだが、なんかこう気持ちを乗せるのが上手いというのか、自然と乗っているのか、とにかく惹きこまれる歌声だった。



あの頃に感じた衝撃を超える事はなかなか無いが、とにかく自分もウタゴコロを持った歌を歌いたいと思う今日この頃である。


byボーカル

ブルースかブルーズか。

2009年01月26日 | ブルース
どの世界にもいるがブルース界にもブルース原理主義者がいらっしゃる。


個人的に邪魔くさい話になるが、そういう方はときどきこういう細かい所にこだわる。




ブルースなのかブルーズなのか・・・。





どうでもいいですよ~♪  (←だいたひかる風)




・・あぁ、すっきりこいた。


byボーカル

この1枚

2009年01月13日 | ブルース
ふむぅ・・・。

気づかないうちに、このブログでしばらくブルース談義をするのを忘れていた。


つい忘れがちになるが、とりあえず我がマンホールはブルースバンドなのである。


ブルースを広めなくては・・・という使命があった事を忘れていた。


というか、忘れるぐらいの使命ならば、たいした使命でもないのだが。


よくライブ後等に「ブルースに興味を持ったんだけど、まず何から聞いたら良いか?」等の質問を受けるが、自分が推すのがこれ。


「Best of Muddy Waters」である。


もちろんブルースにもいろいろ種類があり、その人の好みがあるのだろうが、上記の質問者も、この聞き方は「あなたのセンスにまかせます」と言っているようなものだから、あくまで自分のセンスで。


巷にあふれる「Bestアルバム」と呼ばれるアルバムは総じて聞きなじみの曲の盛り合わせで、聞き込んでくると飽きてくる事も多々あるが、このアルバムに限ってはオールタイムベスト。

いつ聞いても飽きがこないのだ。

ブルースを今から聞く人にとってはマストアイテムとして1枚持っていても悔いはないはずだ。

シカゴブルースの父、マディ・ウォータースのヒット曲を余すことなく盛り込み、またブルース初心者にも聞きやすい内容、音質。


伝説のブルースマンだからといって「ロバート・ジョンソン」のCDを最初に買ってしまい、「なんだこれ???」とブルースを勘違いしてしまった人。

正直あの人はワン・アンド・オンリーのスタイルでなかなか理解するのが難しく、評価は高いが聴くのはなかなか難解なわけだから、コチラを聴きましょう。

今では自分もロバート・ジョンソンのCDが聴けるが・・・というか、かなり好きだが、最初から「ロバート・ジョンソンっていいよねぇ」というブルース初心者を懐疑的に見てしまうほど、あまりにも初心者には偏屈したCDである。


しかしこのアルバムは、たぶんブルース初心者にも惹き付ける内容。

とにかく聴きやすいのだ。

なにが聴きやすいかって?


まぁ、とりあえず聴いてもらいましょう。


下記の画像は「ベスト オブ~」からブルーススタンダード「Hoochie Coochie Man」のライブ映像。

たしか、このライブはシカゴ・ブルースのドキュメントを撮影する事になり、そのときにマディがよく演奏していたシカゴ南部のブルースクラブで、特別にバディ・ガイをギター、ジュニア・ウェルズをハーモニカに従えた映像。

正直「Hoochie Coochie Man」のライブ映像ではもっともあの頃のギラギラしたシカゴブルースクラブ黄金期を捉えていると映像だと思う。

ぜひ今年一発目のブルース映像として、見てやってくだされ。

マンホールの目指すもの、ココにあり。

http://jp.youtube.com/watch?v=uO4A6xx65WU

byボーカル



サニーボーイ・ウィリアムソンⅡ世

2008年09月13日 | ブルース
マンホールのようなロック的ブルースへのアプローチも良いが、やはり自分は個人的に50年代シカゴの典型的なブルースを好む。

何というか、あの頃の時代の映像を見るとビビビと来てしまうのだ。



そこで紹介したいのが、このサニーボーイ・ウィリアムソンⅡ世。

この人はブルースでの区分けでは決してシカゴ・ブルースに括られる人間ではなく、どちらかと言えばアメリカ南部ブルースになるのかもしれない。

しかし、50年代シカゴブルースの黄金メンバーと録音していることもあり、シカゴ・ブルースにも足を片方突っ込んでいるようなものだろう。


このサニーボーイ・ウィリアムソンⅡ世。

その大きな体、そして手のひらから生み出されるハーモニカの音色はとても豊かでふくよか。

表情も素晴らしく、また歌声も味わい深い。


ゆえに彼のフォロワーは世界中に存在する。



しかし、いかんせんその人間性が難有り。

現在では比較的このサニーボーイ・ウィリアムソンⅡ世のほうが有名だが、ブルース界にはもう一人、サニーボーイ・ウィリアムソンⅠ世がいる。

名前からして親子のようだが、血縁関係も何も無い。

しかもⅡ世のほうがⅠ世より年上。

ただデビューがⅡ世のほうが50代?ほどでかなり遅く、もうすでにデビューし人気を博していた「サニーボーイ・ウィリアムソン」という名前を拝借していた訳だ。

そのため、後の人が混同しないためⅠ世、Ⅱ世としているだけである。

ひどい男だ。

もちろん本家であるサニーボーイ・ウィリアムソンⅠ世も怒るはずだ。

しかしⅡ世は「どこふく風」。




そして、そのサニーボーイ・ウィリアムソンⅡ。

名前の件からも胡散臭い上に、かなりの嘘つき。

なにもかもが冗談なのか、嘘なのか分からない。

生まれた年もいい加減で、本当は何歳だったのか・・・。


あの伝説的ブルースマン「ロバート・ジョンソン」が毒殺された日の晩に一緒にライブをしていたとか勝手に言い始めたり。


もうひどい。

ボロクソだ。


しかし、しかしである。


その味わい深いハーモニカの音色、特徴ある歌声。

それがホントに素晴らしいのだ。

それこそ「サニーボーイ・ウィリアムソン」という名前を拝借しなくても、歴史に残るブルースマンになっていたに違いない。



下記は1963年ごろにイギリスのテレビ番組で「アメリカのブルースの歴史を紹介する」という感じのプログラムがあり、アメリカから大物ブルースマンが大挙して訪英した時の映像。

名曲「Nine below zero」をご覧下さい。

イギリス人観客を相手にステージから「人を喰ったような演奏」を見せるサニーボーイ・ウィリアムソンⅡが垣間見れるはずだ。

http://jp.youtube.com/watch?v=xrzJjQ6hdUA

   
byボーカル

ビンテージ ハーモニカ

2008年09月07日 | ブルース
ハーモニカも始めて2年。

とりあえず段々自分の思うとおりの音が出始めてくると面白くなってくる。

ギターも始めた頃は面白かったが、さすがにギター歴17年。最近はハーモニカの方が面白く感じている。


そうなってくると欲しくなってくるのがビンテージ商品。

いわゆる年代モノだ。


ギターは1本のみ手に入れた。

アコースティックギターの老舗メーカー、ギブソン『DOVE』のチェリーレッド1970年製だ。

名古屋地方で有名な古物商「米兵:楽器館」にて18万ほどか?

いい感じのビンテージ具合で、いまでも自宅では活躍している。

あとは第一期マンホールで担当していたわりにベースも固執していないし、コレクションもない。

安物を使うし、こだわりもない。

邪魔な楽器はさっさと捨ててしまって、現在はその量も少なくなっている。


しかし、ことハーモニカに関してはその思いも変わってくる。

ビンテージと言えど値段が安いんで。


ハーモニカでのビンテージというと、やはり上がってくるのが、ハーモニカマイクとアンプ。

ハーモニカマイクとは、昔アメリカで無線やラジオに使われていた骸骨のような形のマイクが好まれる。

こういう古いマイクを使いハーモニカを吹くと歪んだ音がして、なんと言うか、昔のレコードに出てくるような音になるわけだ。

現在自分の所有マイクはアメリカのSHURE社製「545SD」と呼ばれるマイク。

ハーモニカプレイヤーに好まれるマイクだが、ビンテージでもなんでもなく、比較的簡単に手に入る。

一応ビンテージの雰囲気を出そうとして、内部の配線改造を施したが、それでも本物の味には負ける。



そしてアンプ。

いわゆるスピーカーだが、これもハーモニカの音を左右する。

ハーモニカプレイヤーは、だいたいエフェクターと呼ばれる特殊な音色を加工する機械を通さずに、マイクのコードから直接スピーカーに繋げるため、アンプの相性も、その音色に大きく左右される。

しかし、ビンテージアンプのほうは若干値段が高め(十何万からウン十万する)で、また持ち歩きも面倒くさい為、こちらはライブハウスに据え置きしてあるモノで済ませている。


という事で探しているのがビンテージマイク(それでも大体5万円以内が相場)なのだ。


ヤフーオークションや、アメリカのオークションサイト「e-bay」で出物を探しているが、なかなか望むものが無い。



しかし、探している中で気になる商品がチラホラ。


それがビンテージハーモニカ。



そう、まさにハーモニカがビンテージなのだ。


1940年製ハーモニカや、1950年製ハーモニカなどぞろぞろ。


おいおい、ちょっと待て。


ハーモニカマイクなら分かる。

しかし、ハーモニカだよ?

中古だよ?

井上真央や、香里奈、長澤まさみが使ったハーモニカなら買うよ、使うよ。

いや、どちらかというと使わせてくださいよ。


しかし、アメリカ製ビンテージハーモニカなんて誰が使っていたかなんか分からない。

ポパイに出てくるブルートみたいな奴が吹いていたんだろ?

いくらビンテージだろうが、買うわけない。

というか、買う人はいるんだろうか?





しつこいようだが、もう一度言おう。



井上真央や、香里奈、長澤まさみが使ったハーモニカなら買うよ、使うよ。

いや、どちらかというと使わせてくださいよ。

byボーカル












なくて七癖・・・・

2008年09月04日 | ブルース
人というのは自ら気づかないまでも、どうも抜けきれないクセというものがある。

かくゆうワタクシもかなりクセが多い様なんだが、大体が口癖である。


興奮してくると出てくる


「正直な話、・・・・・」

この枕言葉がよく出てくるらしい。

集中すると口がとがってきたり・・。


このブログを読んでいる方たちも思うところは必ずあるはずだ。


昔から言うだろう。「なくて七癖、あって48手」




・・・さて、分かりにくくボケたところで、ブルース界でも、どうしても抜け切れないであろうクセを持つブルースマンもいる。

その一人が彼。


ブルース、R&B好きにはマストアイテムである映画『ブルースブラザーズ』にも登場し、さえないレストランのオーナーを演じていたマット"ギター”マーフィー。

あのアレサ・フランクリンを女房役に従えて、どやされていた彼だ。


彼はあの映画の中でもベテランミュージシャンの一人。

ブルース界にはBBキングやエリック・クラプトンに代表されるスクイ-ズギタリスト(押さえた弦を引っ張り上げ音域をあげ、さらに顔もしかめっ面になる)は多い。

しかし彼はT-ボーン・ウォーカーやロニー・ジョンソン(ほらほらマニアックになってきたぞ)に代表されるとてもジャジーなアプローチをするギタリストである。

個人的にはこういうタイプのギタリストのほうが、「俺が、俺が!!」の主張が少ないのでセッションしやすい。


その彼のどうしても抜けきれないであろうクセは



左眉が上がること。



ちょっと弾くとすぐ上がってきてしまうのだ。左眉が。



かつて平松愛里が名曲「部屋とYシャツと私」の中で「嘘をつくと右の眉が上がる恋人」の事を歌っていた。



自分は嘘をつくと「背骨の第4間接がちょっとズレる」ため、それ相当な女性でないと見抜けまい。



というわけでマット"ギター”マーフィー、彼の左眉の上がり具合をお楽しみください

      ↓

http://jp.youtube.com/watch?v=ThrKrIJTI4Y

byボーカル

江古田倶楽部にて「てっちゃん・せのちゃん」

2008年08月18日 | ブルース
東京から帰ってきた。

今回はお盆休みを利用して、昼間は色々仕事を、夜は音楽三昧。

16日の夜は日本のブルース界第一人者の西濱哲男さん(ギター)と妹尾隆一郎さん(ハープ)のユニット「てっちゃん・せのちゃん」のライブを見に行った。


場所は池袋から西武池袋線にて10分ほどの江古田。


江古田駅に着いて電話にて場所確認すると、駅から徒歩わずか1分ほどで「江古田倶楽部」はあった。

突然降り出した大雨に濡れながら店のドアを開けると、わずか8坪程度のイナタい雰囲気のブルースクラブ。

「すごい雰囲気だな・・・」

この感想につきる。

ここ豊橋にはない、ブルース好き以外はお断りだよ感。



どういう雰囲気なのか行ってみないと説明しがたい。

狭く古く、そして暗い店内に所狭しと楽器が置かれ、壁にはマニアックなブルースマンたちのサインやレコード。

デルタ・ブルース系の音楽が流れまさに日本のジューク・ジョイントの雰囲気をかもし出している。

前の店は外国人パブなのか、それらしき東南アジア系の女性が扉のガラス窓から見える。

マスターも客商売とは思えないような愛想の無さと風貌。

普通の女の子と来たら、泣いちゃうんじゃないか?というような雰囲気。


とりあえずメニューを探すが、そんなものは見つからず・・・。

とりあえずビールならあるだろうと

「すいません・・・ビールください」

というと無愛想に置かれたサッポロビールのビン。

一応栓を抜いてくれてあり、ピーナツも出てきた。


すこしビールでのどを潤わせ、また落ち着くようにメニューを探すが、やはり見つかるのはい1枚の紙のみ。

・ビール
・焼酎
・ウィスキー・ラム
・チューハイ

など4種類ほど書いてあるだけで、銘柄もない。

もちろんフードメニューもない。


店内を見渡すと、このブルース界の第一人者のライブであるにも関わらず7人ほどの常連客と自分、そしてカウンターには愛想がないマスターと、同じように愛想がないPAの方、同じカウンターにはもう出来上がっている西濱哲男さんもいる。

まだその雰囲気に押され気味の中、前座である「垂水秀人さん」の演奏が4曲ほど始まった。

オリジナルやカバー曲を含めながらの若い彼の演奏は、目の前の大御所を前に緊張気味だったらしいが、若干ハスキーな声に耳を奪われる。


だんだん店の雰囲気も身体に取り込むことが出来始めた頃に、どこかに買い物にでかけたようだった妹尾隆一郎さんが戻ってきた。

そのままトイレに入って出てきた頃に、まだ演奏中の垂水秀人さんに一言。

「じゃ、一緒にやろうか?」

と、感動している垂水さんを横に「Key to the highway」が始まる。

あのウィーピング(むせび泣く)・ハープ妹尾が目の前で演奏している。

まだぺーペーのハーピストの自分にとっては極上の時間だ。


やがて店の雰囲気にも慣れ、皆がやっているようにビールも当然のように自ら冷蔵庫から勝手に取っていく。

これが許されるのだ。

これがブルースなのだ。


そして始まる西濱哲男さんと妹尾隆一郎さんのライブ。

1セット目は妹尾さんがメイン、2セット目は西濱さんがメインで進んでいく。

曲も「Worried life blues」 「Honest I do」「Stormy monday」「Got my mojo waoking」 「Guess who 」などブルーススタンダードで彩られる。

ギターとハープのたった2つの楽器が見事にブルースを感じさせ、また奏者と観客との会話も雰囲気がある。

BBキングの名アルバム「Live at the rigal」でもそうだったが、ブルースはもともと観客とのつながりで出来ていくコール&レスポンスが真骨頂だ。

それを感じさせるのに十分なライブ、というかジョイント。

ブルース好きの自分には最高の至福の時だ。


ライブが終わると、あの無愛想だったMCの方が今日のライブの録音をしていたらしく、「今日の記念に持ってけ」とCDを差し出してくれ、西濱さん妹尾さん両名にサインを入れてもらう。

あの無愛想なマスターとも知らずの内に笑顔で話している。

西濱さんも妹尾さんも、また他の常連客の方たちも含め、まるで自分も常連客であったように自然に会話に加わっている。

これがブルースの懐の深いところ。

また後々書くが、シカゴの観光客目当てでない、地元の黒人ブルースクラブに訪れた時に感じたあの雰囲気が、ここ日本で体験できたようだった。

最高にイナタい夜だった。



この衝動が抑えきれず、帰りに池袋駅前で持っていったハープで「ハープ吹き語り」をした。

数名足を止めて聞いてくれたが、それでよい。


それがブルースなのだ。


byボーカル







ポール・バターフィールドの話

2008年04月26日 | ブルース
マンホール次回のライブ


日時 4月30日(水)

場所 豊橋 二川 「アバンティ」
    http://local.goo.ne.jp/aichi/shopID_nttbis-23-34549/
      電話 0532-41-7464

時間 PM7:30open PM8:00start

共演 平英丸 with なっちゃん


是非来てください!!

お願い、来て!

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~




ブルース界には何人もの名ハーピストがいる。

有名どころだけで サニーボーイ・ウィリアムソン、リトル・ウォルター、シェイキー・ホートン、ジョージ・スミス、ジュニア・ウェルズ、キャリー・ベル、ビリー・ブランチ・・・・。


もちろん、どのハーピストも独自の個性があり大好きなのだが、自分が特に好きなハーピストの一人が「ポール・バターフィールド」だ。



その名も「ポール・バターフィールド・ブルース・バンド」を率いて1960年代後半に活躍したバンドなのだが、日本ではいまいち知名度がない。



また「ポール・バターフィールド・ブルース・バンド」と冠していながら、そこに所属するギタリスト、マイク・ブルームフィールド、エルビン・ビショップの方が名前が売れているのかもしれない。


しかしながら、良いのだ。


パワフルなハープなのだ。



彼は1941年にシカゴに生まれた生粋のシカゴニアン。



遠くアメリカのブルースに憧れ続けたエリック・クラプトンやストーンズなどのイギリス勢と違い、彼はまさにシカゴ・ブルースの黄金期を自分の肌で感じることができた稀な白人である。


今でもシカゴでは白人居住地域、黒人居住地域が分かれているが、ポール・バターフィールドが青春時代を謳歌した1950年代後期は、もっと明確に区別されていたに違いない。


そのシカゴ・ブルース黄金期の黒人居住区に足しげく通う白人青年ポール・バターフィールドは、きっと珍しい存在だったんだろう。



自分もその頃のシカゴ・ブルースシーンを想像するだけで、正直ゾクゾクする。


立ち会ってみたいものだ。その頃のシカゴとビートルズのハンブルグ巡業時代。





リトル・ウォルターやサニーボーイ・ウィリアムソンにじきじきに教えをこいたといわれるポールのハープは本当にパワフルである、表情も豊かだ。


アンプリファイドと呼ばれる、マイクとハーモニカを手の中に握りこみ演奏する音色は、ハーモニカの音を全く違うもののように聞かせる。


管楽器に近い。


ハーモニカはミシシッピ・サックスフォンとも呼ばれる。


まさにこの音色だ。


この音色を自分は出したいのだ。




という事で、彼の映像。



You Tube より ポール・バターフィールド、1976年の演奏。


これもまたワタクシが大好きなバンドなのだが、「ザ・バンド」というそのまんまの名前のバンドの解散コンサート、通称「ラスト・ワルツ」にゲスト参加した時のもの。



曲はエルビス・プレスリーも歌っていたスタンダード・ナンバーの「Mystery Train」



ハーモニカの定番な演奏表現として「トレイン・バンプ」と言われる、列車の音を真似るフレーズがある。


かつてブルースマンがアメリカ南部の綿花畑をなんとか抜け出して列車に乗り、まだ見ぬ大都会に憧れたのを表した演奏表現だ。

曲が「ミステリー・トレイン」だけあって、その フンガガフガフガというフレーズを操り、ハーモニカ・ソロでは、「まさにポール・バターフィールド!!」という音を出してくれる。


短いながらも満足な演奏だ。


しかしボーカルは「ザ・バンド」のドラム、レヴォン・ヘルムが歌いまくって、途中ポールはゲストのくせにコーラスみたいになってる・・・。


お前はたくさん歌うパートがあるから譲ってやれよ、レヴォン・・・。



まぁ、それはおいといて。


次回のライブで、なんとか1音でもそのポールの音色に近づけたい。






ちなみに彼の命日と私の誕生日は同じ。


自分は彼の生まれ変わりなわけだ。









もう生まれてたけど。


byボーカル


http://jp.youtube.com/watch?v=Nz22TFlm1mk

ブルース武者修行の旅

2008年02月25日 | ブルース
先日23日にブルース武者修行の旅をした。

シカゴブルース界で有名な日本人ブルースギタリスト菊田俊介氏の「ブルースクリニック」を受講したわけだ。


会場は日進市のとあるスタジオ。

当日はかなり寒い日であったにもかかわらず、クリニックを行う部屋は満員の盛況。

予約の関係で、ど真ん中の一番前の席に陣取った。

近視の自分にはありがたい席だが、自分の後ろの席には女子高生っぽい子も座っていたので、申し訳なく大きい身をかがめる。


ブルースクリニックは1時間半ほどの予定だったが、菊田俊介氏の会話は分かりやすく、菊田氏のパートであるギターのブルース奏法を中心にクリニックは進んだ。


「ⅠーⅣーⅤ」進行など、セッションには欠かせない用語から、テンションコードと言われる和音の使い方まで、ここまで全て独学で来た自分には知りたい知識ばかりで、必死にメモを取った。




こうやって考えると、自分は音楽の基礎的知識が乏しい。

「これは5度上の音」とか「転調、変拍子」などの正直セッションミュージシャンとしては知るべき用語をまったく理解せずにやってきた。

それでもなんとか突然のセッションに参加して、とりあえずの難を逃れてきたのは、いわゆる「セッションでやりそうな曲」というのを、あらかじめ知っていることが多かったからだ。

菊田俊介氏も言っていたが「セッションで知らない曲が出てきたら、それはそれであきらめる」と言っていた。

シカゴの第一線で活躍している方でさえそうなんだ。

なんか、ほっとした。


ここで菊田俊介氏のセッションにおける重要な心構えをまとめる。


①チューニングはしっかり行う 
   (ふむ、一人だけ音が合っていないなどの状況に陥らないため、最低限のマナーだね。)

②ペダル類は使わない。
   (セッションにはいろんな人が入れ替わりする。スムーズな入れ替わりをするために、欲を出して余計な機材を使わない、使うのだったらすばやくセットする)

③我を出しすぎない。
   (セッションといえど、ほかのパートの人とのアンサンブル。「自分が、自分が」になってしまいそうな所をバランスよく行う)

④知らない曲はいさぎよくあきらめる。


ふむふむ、勉強になった。

ブルースなんて、セッションの嵐である。


やはりセッションというのは「どれだけ曲をしっているかどうか」だ。

最後には菊田俊介氏ともセッションの機会が与えられ、ひと時のブルースワールドを堪能した。







余談だが、当日カメラを持参していなかったため、携帯のカメラを使用する気でいた。

しかし現地に着く前に長話をしてしまい、運悪く菊田氏の写真を2枚ほど撮った後にバッテリーがジ・エンド。

気まずい思いをした・・・。

byボーカル




オーティス・スパン

2008年01月16日 | ブルース
ギター、ベース、ドラム、ハーモニカ、ボーカル・・・・。

マンホールが演奏する楽器である。

しかし、シカゴブルース好きにとって譲れない楽器がある。




ピアノだ。



自分の好きなジャンルのブルースにおいて、よくよく考えるとピアノの重要度は非常に高い。

あるときは曲の隠し味に、またある時はソロで前面に出てグイグイひっぱって行ってくれる。

ほんとに優秀な楽器だ。


大体、バンドの中で音楽的に頭脳というか、なんというか頼りにできる人は鍵盤奏者が多い。

なんか、いろんな音楽的知識がありそうで・・・。



さてさて、写真のオーティス・スパンなんだが、自分が大好きなブルース・ピアニストの一人だ。

言うまでもなく、シカゴ・ブルースの王様「マディ・ウォータース・バンド」でお馴染みのピアニストである。


あのマディの名曲の数々で、オーティス・スパンは名演奏を残してきた。

ときには繊細に、また時には軽やかにソロを組立て、曲を色づけていく。


また、歌声がいいのだ。

すごくハスキーで、また感情豊かに歌ってくれる。

バラードあり、ポップなブルースありで、何でもこいだ。



このブログでよく登場するが「You Tube」。

日本ではなかなか手に入りづらいブルース・ミュージシャンの映像もふんだんにアップされていて、自分も時間を忘れて様々な映像を食い入るように見つめる。


その画面の向こうのオーティス・スパンはいつも笑顔なのだ。

他のミュージシャンに比べ若干小柄な体は、曲の中で左右にゆれ、指先は鍵盤の上で優雅に踊る。


最高だ。





映像と歌声をリンクさせ、オーティス・スパンはいつも自分を魅了してくれる。



機会があったら是非聴いてもらいたいブルースマンである。


代表曲は「Ain't nobody bisiness (if I do)」「Worried life blues」あたりだろうか。


マンホールも取りかかりたい名曲バラードである。



byボーカル