漫画家を目指す人へ

漫画家を目指す人へ参考になれば。

漫画家のステップアップ

2012-04-14 23:36:48 | ■漫画家ってどんな職業?

漫画家にはいくつかの段階があります。最終段階がどこかは人によるでしょうが、多くの漫画家にとっては「長期連載をとる」というのが目標の一つになるかと思います。
これは、収入のところで述べたとおり、長期連載をとらないと漫画収入では生活できず、漫画家として軌道にのったとは言えないからです。

しかしデビューした漫画家全員が連載作家になれるはずもなく、連載作家になるには、厳しい競争を勝ち抜いていかなければなりません。
今その雑誌で活躍しているベテランや中堅の先生を追い出すほどの作家にならなければならないのです。
志望者から連載作家になるまで、なかなか遠い道のりです。

雑誌やジャンルによって違いはありますが、ここではある程度メジャーな少女漫画を想定して書いてみます。(私が少女漫画家志望だったので、他をよく知らないのです・・・)
少年誌も似たりよったりだと思いますが、幼年誌、青年誌、ティーンズラブ、ボーイズラブになってくると若干違うかもしれません。

0.漫画を描いたことがない漫画家に憧れる人
今ここにいる人は、とにかくさっさと漫画を描いて投稿や持ち込みをしてみましょう。
イラスト描きや設定作りばかりやっていてもあまり意味ないですよ。
私は「漫画家志望」と名乗っていいのは、最低でも一作は漫画を最後まで仕上げ、投稿した人だけだと思います。

1.漫画を描いて投稿したことがある漫画家志望者
描き上げたら投稿してみましょう。できれば持込ましょう。
「もっと上手になってから」なんて思っていたらその分成長が遅れますので、早い方がいいです。

2.受賞済、担当編集がつく漫画家志望者
ここまでくると、漫画家デビューも夢ではなくなってきます。
ある程度の賞を受賞すると、「担当編集」という、ネーム段階から相談にのってくれる編集者がついて、本格的にデビューを目指します。

3.デビュー
その雑誌でデビューと決められた賞を受賞するとデビューできます。
中には、大御所先生の穴埋めで掲載されたり、なんだかよくわからない状況でデビューしてしまう人もいますが。

4.読み切り作家
読み切りをぼつぼつ掲載しながら実力をつけるとともに、雑誌に食い込める作品作りをすることになります。
読み切りも、誰もが掲載できるわけじゃありません。会議で編集部が認めた作品だけが載ります。
まず、ここを抜けられるかどうかがデビュー後最初で最大の関門でしょう。
ちなみに私はここ止まりです・・・。なのでこの先のことはよくわからないです。

5.短期連載
どの雑誌も連載には慎重です。人気がでるかどうかもわからない新人に、いきなり連載させることはありません。
なので、読み切りで人気がとれそうかどうか見て、人気が出そうならそのまま連載にするというケースが多いです。
ここまでくるのは大変です。ほとんどの新人漫画家がここまで来れないで消えます。

6.中長期連載
短期連載がやはり好評だと、そのまま長期連載に突入するケースが多いです。あとはもう人気次第ですね。
人気があれば何年もの長期連載にもなりますし、人気がなくなれば打ち切られます。もちろん打ち切られることなく、きちんと終るのがベストです。
連載終了後は、前の連載の人気度によって、連続で長期連載をできる人もいれば、短期連載からになる人もいます。人によっては読み切りからになったり・・・なんだかんだあるようですが。

7.そして大御所へ・・・?
大ヒットの長期連載を1~2回以上こなせば、もはや大御所と言っていいのではないでしょうか。
ただ油断ならないのは、国民的大人気漫画となってアニメやらグッズやら大展開すれば別ですが、普通は人気連載を一つこなしたくらいでは、地位は安定しません。
実際、私が子供のころ大好きだった人気連載をこなしていた作家さんが、その連載が終わったあと泣かず飛ばずで、生活にも困っているとか、今も根強いファンがいるような人気連載を二つもやったのに、50歳を過ぎて生活ゆきづまったなどという話も(悲しいですが)聞きますので・・・。

一つの戦いが明ければ次の戦いへ。次々やってくる才能あふれる新人を押しのけながら、ベテラン先生も戦っているのです。

ちなみに、私がデビューした雑誌の場合、1が1000人いまして、そのうちデビュー、つまり3.までいったのが10人、そしてそのうち、5までたどり着いたのが1人、そして、6までたどり着いた人が0人です。

どういうことかわかりますでしょうか。

最低限、漫画を描いて投稿できるレベルの人が、漫画だけで食べていけるようになる確率は、1/1000もない、ということです。

このことをよく覚えておいてください。
漫画家は、「普通に頑張っていたら誰でもなれる仕事」ではありません。
「一部の特殊な人しか就けない、特殊な仕事」なんです。

漫画家になるにあたっては、自分がその「特殊な人」になりえるような才能があるか、努力をしているか、結果を出しているか、常に意識するようにしてください。

たまに、質問サイトなどで、

「私は絵もヘタだし、漫画も描いたことないし、多分才能もないかもしれないけど、漫画家になれるでしょうか」

というような質問を見ることがありますが、そういう人はなれません。

絵がヘタなら、上手になるまで練習してください。漫画を描いたことがないなら描いてください。才能がないなら才能がある人の何倍も努力してください。

そういうことをしようともせず「なれるでしょうか?」と人に聞くような人はなれません!




志望者の皆さんはデビューのことだけ考えている方も多いと思いますが、実はデビュー後の方がずっとずっと大変なのはわかっていただけたでしょうか><
デビューはゴールではなくスタートです。
大変ですが、この競争を勝ち抜いていけると信じる人しか漫画家にはなれません!
自分を信じて頑張ってください!


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