Altro Canto Ⅱ・Ⅰ  モナコ公国モンテカルロ・バレエ

2009-02-10 | ballet
(文化村オーチャードホール) 2009/2/10

1部)Altro Canto Ⅱ
音楽:ベルトラン・マイヨー

2部)Altro Canto Ⅰ
音楽:モンテヴェルディ、マリーニ、カプスベルガー

振付:ジャン=クリストフ・マイヨー


 '89年にモナコにてモンテカルロバレエ団を観たのが始めてだったが、その時の舞台は印象が薄かった。マイヨーが芸術監督になり、東京で'04年に「ロミオとジュリエット」「La belle」(眠りの森の美女)'06年に「Le songe」(真夏の世の夢)マイヨー版を観た。作品は古典という主題が進化したヴァリエーションになり、斬新で洒落たマイヨーのオリジナルテーストは稀有なる作品。
 今回観た作品はAltro CantoⅡ&Ⅰ。1部はスクリーンに映ったシルエットをバックにダンサー達が踊る。不思議なムーブメントがまるでダンサーによって催眠にかけられたように身体か心地良くなった。音楽会でモーツアルトの名演奏を聴いた如く…。2部は暗転と光(照明)、舞台装置の蝋燭、モンテヴェルディの音楽、衣装が荘厳さを醸し出す。中世時代風とモダンなムーブメントが融合していた。Altro CantoⅡ&ⅠはNYのモダン美術館とイタリアの伝統ある美術館の対比のようだ。知識人マイヨーのセンスが鏤められた作品。ベルニス・モルロッティの中性的な体躯は幾重にも見惚れてしまう。お気に入りのダンサーの1人。小池ミモザは数年前、ロミオとジュリエットの群舞の頃から目を引かれる若手注目株。手足が長く、良い個性がある。次世代モンテカルロ・バレエのスターダンサーになる逸材。