オネーギン シュツットガルト・バレエ団

2008-11-30 | ballet
(東京文化会館)

オネーギン アレクサンドウル・ザイツェック
レンスキー アレクサンドル・ザイツェフ
タチヤーナ マリア・アイシュヴァルト
オリガ   エリザベス・メイソン
グレーミン ジェイソン・レイリー

ファンタジーな「眠り」とは対照的にオネーギンは大人の人間の心情をダンスによって表現する大人のバレエ。タイトルロールオネーギン役をアレクサンドウル・ザイツェックはダンステクニック(高速ピルエットだった)内面から出る表現力、見事だった。タチヤーナ役のマリア・アイシュヴァルトも先週に観たオーロラ姫も可憐だったが、純朴な女性そして月日が経ち、成長したタチヤーナを美しくしなやかな肢体で演じ素晴らしかった。ジェイソン・レイリーは「眠り」ではカラボス役で観たが、舞台を自由に飛び回っていたけれどオネーギンではマリア・アイシュヴァルトを美しく躍らせていた。「眠り」と「オネーギン」かなり異なった演目を持ってきたシュツットガルト・バレエ団に実力を感じさせられた。



眠りの森の美女 シュツットガルトバレエ団 

2008-11-23 | ballet
(東京文化会館)

オーロラ姫 マリア・アイシュヴァルト
デレジ王子 フリーデマン・フォーゲル
カラボス  ジェイソン・レイリー

カラボス役をプリンシパルが踊る。何かまた新たな舞台が観れると思うとチケットを買ってしまう。それだけで十分だったが、予想以上にレベルが高いダンサーが揃っていて踊れるし、役者だ。特に男性ダンサーが目立った。ローズアダジオの4人の「運び屋」王子もソリスト陣がキャストにつくと、回るし飛ぶ。何度も観ている「眠り」でもシュツットガルドバレエ団の「眠り」は非常に楽しめ、素晴らしかった。カラボスの存在感。王子も気品があり、姫もチャーミングだった。同ダンサーが姫からオネーギンのタチヤーナをどの様に踊るか楽しみになった。




ロミオとジュリエット スペイン国立ダンスカンパニー

2008-11-22 | ballet
(彩の国さいたま芸術劇場)
 

バレエ「ロミオとジュリエット」はマイヨー版以来になる。 ナチョ・ドゥアト氏の作品は音楽と振付が見事に融合していた。このストリーを観客は当然知っているという設定で作っていっているので、ムダがなく観ていて気持ちが良い。マイムなどなくても肉体の表現で一喜一憂がこちらに伝わる。ダンサーのレベルが高く知性的な振り付けだからだろう。今回のジュリエットはかなりの悪ガキぽかった。そして恋する女性になる変化、心の不安、動揺が痛いくらいに伝わってくる。ラストの演出もニクイ。ルードラ出身のナチョ氏モダンバレエのエッセンス、彼の個性、知性が舞台に溢れていた。

アルメニア・フィルハーモニー管弦楽団

2008-11-20 | musique
(新宿文化センター)

≪演目≫
チャイコフスキー
ヴァイオリン協奏曲 ニ長調(ヴァイオリン:マヌーキアン)
ラフマニノフ
ピアノ協奏曲第2番 ハ短調(ピアノ:今川裕代)
ドヴォルザーク
交響曲第9番 新世界

杉並公会堂のチケットはすでに完売だったので、この日の演奏をイープラスで特価でチケットが出たので購入。どうして午後2時からの開演なのか不思議だったが、当日引き換えたチケットに貸切公演と記載してあった。1F席は高校生、招待席のようだった、、なるほど…。2F席が余っていたので売り出されたのだろう。2F席はガラガラだった。演目は「のだめ」でもおなじみの曲。高校生を意識していたのだろうか…?楽章ごとに1F席からのまばらな拍手が少し気になった。フルオケになると音に迫力が加わる。アルメニア国の場所がイマイチ分からなかったので、終わってからネットで調べた。それくらい先に調べておくべき、反省。



デヴィット・ビントレーの「アラジン」 

2008-11-19 | ballet
(新国立劇場 バレエ公演)

世界初演、D・ビンドレー演出・振付では観たい!総合的に期待通りの舞台。新感覚の舞台装置、色鮮やかな衣裳、ダンサーのバランス、振り付けは言うまでもなく凄くいい!音楽はカール・ディヴィス。D・ビンドレーの「ペンギンカフェ」も映像で観たが、好きな作品。



タンゴ・イン・ブエノスアイレスー抱擁ー

2008-11-15 | film
2003年アルゼンチン映画 ★3 (シネマ・アンジェリカ)

昨日、「オリンダのリストランテ」と「タンゴ~」のセット券を買った。2本鑑賞すればお得。ドキュメンタリーだからどうかなと思ったけれど、音楽・DANCEが好きなので、楽しめた。アルゼンチンタンゴには独特の情熱と哀愁を感じる。バンドネオンを演奏する初老の演奏者の重ねてきた皺が、音に彼の歴史が膨らんでくる。男性4人で踊るタンゴは圧巻。上映前、出演者のタンゴダンサー花房氏のトーク会があった。女性のダンサーは凭れているようできちんと自分で立っている。自分で立っている事がわかるより、凭れているように見せるダンサーが上手との事。奥深い…。

オリンダのリストランテ

2008-11-14 | film
2001年アルゼンチン映画  ★3.4 (シネマ・アンジェリカ)

「ピアソラ」を切っ掛けに、まだ旅をしていない場所、私にとっての未開の地アルゼンチン(ブエノスアイレス)がずっと気になっていた。なかなかひょいと旅行できない遠い国。アルゼンチンを手軽に楽しむには映画。「オリンダのリストランテ」は中年のおばさんと若者の物語。ヒューマンストリーと書いてあったので、陰湿なラストではないだろう。それで十分。アルゼンチンの風景が楽しめれば…。ストリーが良ければめっけモン。お金を盗まれたドイツ人の青年を助けた事がきっかけで、自分の人生を振り返り折り返し地点の先を考える。中年女性の切ないけれど、逞しさと優しさが魅力的だ。

トウキョウソナタ

2008-11-12 | film
2008年 日本映画  ★4.3 (シネカノン有楽町2丁目)

晩秋の日、大手医療機メーカー総務課長佐々木(香川)がリストラされ、陰鬱な出だしだ。4人家族の大黒柱、総務課長という中間管理職、プライドは捨て切れない。この背景に自分を重ねた同年代は観ていてキツイだろう。少しずつ沈んで行く船と自分を例えた佐々木の言葉は日本の現状のようだ。家族が崩壊へと時を少しづつ刻んでいくが、あと一歩の所で踏み留まるのは人間の理性だ。秋の闇の中から朝の冬の光が良い方向へ向うだろうと感じさせる。そして春…クレッシェンドしていく家族。息子のピアノの試験。息子の演奏を聴く父親の心の動き。芸術は人の心を揺さぶる事ができる。泥棒役(役所)が作品にスパイスを加える。役者揃いだった。

べジャールの「くるみ割り人形」

2008-11-07 | ballet
(東京文化会館)

チケットを知人から譲り受けた。もともと、ベジャールの「くるみ」は傑作だと思っていたのが、数回ベジャールの「くるみ」を舞台で観ていたので、チケットは購入をしなかったが、数年ぶりに今回この作品を観た。ダンサーもかなりメンバーチェンジをしていて、新鮮だった。久し振りに観た東京バレエ団の若手男性舞踊手が充実している。これからまた東京バレエ団の舞台観る機会が増えるだろう…と思った。金平糖を踊った小出領子さんの踊りは個人的に好みだ。

容疑者Xの献身

2008-11-05 | film
2008年日本映画 ★3.8 (品川プリンスシネマ)

上映「予告篇」で堤真一の枯れ方(演技)が気になり、チェックしていた映画の1本。通常はこのタイプの映画はDVDで済ませてしまうが、今日観ようと思っていた上映時間が合わず、繰り上がりで観た。堤真一の枯れ具合が実に良かった。福山雅治がその分爽やかに見える。内容は事件を紐解いていくタイプのストリーで、退屈しない。ラストが切ないが一筋の光を残していたので、映画を観た後は足取りも軽い。文庫を読もうと思っていたが、読む本が溜まっていて、後回しになる。映画はちゃちゃっと2時間で感動できるから、映画を観る数が最近増えている。