スラムドック$ミリオネラー

2009-05-20 | film
(日比谷シネシャンテ) 2009/5/20
2008年イギリス映画
監督:ダニー・ボイル
脚本:サイモン・ビューフォイ
出演:デーヴ・パテル 、アニル・カプール 、イルファン・カーン
   マドゥル・ミッタル 、フリーダ・ピント

アカデミー以前からチェックを入れていた作品だが、賞を取ったせいか混雑してなかなか観に行けなかった。日本でも知られているクイズミリオネラー。ベルギーのホテルでTVを見て各国で放送されていると知った。映画の脚本も面白いし、インドを舞台にした映画を観る機会も滅多にないので、それなりに楽しめたが、前評判&アカデミー賞という期待感が返って私には邪魔になった。ジャマール君のライフラインの使い方とその心理描写が上手く描かれている。

ベルサイユの子

2009-05-15 | film
(シネスイッチ銀座)2009/5/16
 2008年 フランス映画

監督・脚本
ピエール・ショレール

出演
ギョーム・ドパルデュー 、マックス・ベセット・ド・マルグレーヴ
ジュディット・シュムラ 、オーレ・アッティカ 、パトリック・デカン
マッテオ・ジョヴァネッティ

現在フランスのSDF(ホームレス)問題、親子関係が描かれている。心優しいが社会(組織)に馴染めず、気の弱さと忍耐力の欠落でSDFに落ちてしまう人々。ダミアン(ギョーム・ドパルデュー )も厭世観を持つ一人だ。不条理な世の中と肉親の絆を立ち切り、SDF生活を余儀無くしている。彼のもとに子供エンゾ(マックス・ベセット・ド・マルグレーヴ)が母から置き去りにされ、生活を共にするハメになる。最初は子供を煙たく思っていたダミアンだが、従来の優しさからエンゾに愛情を持ち生きがいに変わっていく。エンゾの為に社会復帰を試みるが、ボヘミアンな性格は長続きはしなかった…。
ギョーム・ドパルデュー の演技に心揺さぶられた。この撮影後に亡くなったようだ。エンゾ役マックス・ベセット・ド・マルグレーヴ も本当に可愛らしい。


N.B.
SDF: SANS DOMICILE FIXE 住居不定者、路上生活者、ホームレス


レッドクリフ PartII -未来への最終決戦

2009-05-01 | film
(有楽町TOHOシネマズ 日劇) 2009/5/1


監督・製作・脚本
ジョン・ウー
出演
トニー・レオン、 金城武 、チャン・フォンイー 、チャン・チェン
ヴィッキー・チャオ 、フー・ジュン 、中村獅童 、リン・チーリン

PartIが超続くだったので、やはり続きが観たい。このような娯楽映画は大スクリーンで観る方が良い。後方からの席で観ると更に俯瞰して観ているような感覚になる。レッドクリフ、Ⅰ&Ⅱで三国志の入門が終了。これから吉川英治版の三国志の小説を読む予定。



アンティーク~西洋骨董洋菓子店~

2009-04-23 | film
(有楽町シネカノン1丁目) 2009/4/23
2008年 韓国映画

監督
ミン・ギュドン
原作
よしながふみ

出演
チュ・ジフン
キム・ジェウク
ユ・アイン
チェ・ジホ
アンディー・ジレ


チュ・ジフン君・キム・ジェウク君&アンディー・ジレが観れるのだったら、たとえどんな駄作だろうと観るが、さらに「よしながふみ」原作だから、娯楽的要素がたっぷりと詰っていると思った(私的嗜好)、早回しぎみではあるが原作に結構忠実だった。流石ビビンバの国の韓国! フランス・韓国・日本のテイストが程よくミックスさていた。映像は「アメリ」タッチのカラー。イケ面君、美味しそうなケーキ、観ていてそれだけで楽しいものだ。原作を読んでいる方が分かりやすいだろう…。


ホルテンさんの大冒険

2009-03-17 | film
ルシネマ 2009/3/17

監督:ベント・ハーメル
出演:ボード・オーヴェ ギタ・ナービュ
    ビョルン・フローバルグ

2007年/ノルウェー/90分

不思議な映画だったが、冬のノルウェーが印象的。ホルテンさんを見ながら年を取るのも悪くないな、なんて感じた。


懺悔

2009-02-07 | film
(岩波ホール)2009/2/7
1984年/ソビエト(グルジア)映画

監督 テンギズ・アブラゼ

出演
アフタンディル・マハラゼ
イア・ニニゼ
メラブ・ニニゼ
ゼイナブ・ボツヴァゼ
ケテヴァン・アブラゼ

 偉大と称される市長の訃報が、ケーキの上に乗せる教会の型を作っていた中年女性ケティヴァンに伝わり回想から描かれる。荘厳な葬式・埋葬後、市長の屍が息子アベル(市長と二役)宅の庭に戻っている。数度となく続き犯人ケティヴァンを突き止め、何故そのような罪を犯したかを裁判で問う。そこから彼女の過去が明かされる。彼女の少女時代、両親が教会で科学の実験をすると古い教会の建築物が振動で崩壊してしまうと抗議に対して市長(スターリン、ヒトラーを彷彿されるよう容貌)は反逆者とみなし両親は粛清された。だから市長は眠りにつくことは許されないと主張する。過去の粛清事実が明るみになり、ケティヴァンを精神異常者に仕立て上げ父の名誉を守ろうとするアベル。アベルは澄んだ瞳の美しい息子トルニケからケティヴァンに懺悔する事が筋と抗議されるが、立場を守る為にトルニケを否定する。トルニケは家族の罪に絶えられず自殺。残されたアベルは己の罪を認めトルニケの遺体に縋り嗚咽する。しかしながら両親の粛清された事実以外はケティのヴァン妄想に過ぎなかった。映像は始めに戻り老女が道を尋ねる。教会へ続く道はこの道で良いか?ケティヴァンは答える。「ヴァルラム通りは教会へ続いていないと…。
 哲学、普遍的史実、不条理、イデオロギーをさらりと科白に含ませ、幻想的映像はストレートな表現方法は時代が許されずカムフラージュなのだろうか?寧ろ比喩的な表現方法が文学的、芸術的になり、受け手側には重荷を背負うことなく(あと味の悪さななどはない)鋭敏な感覚が抉り刻まれる。ロシアの近代から現代までの歴史背景に拙い私の知識において、バックボーンを調べる切っ掛けにもなった。時間があれば再度、岩波ホールに足を運び、この映画を観たい。




我が至上の愛  アストレとセラドン

2009-02-01 | film
(銀座テアトルシネマ)2009/2/1

2008/フランス映画

監督・脚本 エリック・ロメール

出演
アンディー・ジレ
ステファニー・クレイヤンクール

 美しい絵画が可動する宛ら、映像が流れていく。エリック・ロメールの真骨頂とも言うべき作品であるが、反して87歳の男性の感性なのだろうか?と少し懐疑的になってしまうほど女性的感覚。美青年役アンディー・ジレの美しさを引き出す撮影・演出方法はお見事。非現実的で草や霞を食べて生きている様な人達の生活は「愛」を語り感じる事。日常の超現実から2時間近く開放され、甘美な夢の世界の出来事を垣間見れる。感覚的に感じられ、クスリと笑える映画を久し振りに観た。

★主演のアンディー・ジレが韓国映画「西洋骨董洋菓子店アンティーク」にフランス人ゲイの菓子職人で出演。原作(よしがなふみ)とぴったり。キム・ジェウク(原作では魔性のゲイ菓子職人)との絡みが楽しみ。



英国王 給仕人に乾杯!

2009-01-28 | film
(シネ・シャンテ)2009/1/28
2007年 チェコ映画

監督イジー・メンツェル
原作ボフミル・フラバル
出演:イヴァンン・バルネフ オルドジフ・カイゼル
   ユリア・イェンチ


 この物語の始まりは主人公ヤンが15年の禁固を恩恵を受け14年と9か月で出所でき、幸運だと思った所でドアが閉まり自分の鞄が挟まる。彼は思う、自分の人生は幸運と不運が表裏一体であると…。そして若い時代の回想シーンが交差する。駅でソーセージを売り裕福でないが為に、長者になることを秘かに夢を抱く。わらしべ長者のように、給仕人としての働き口の格を上げていく。飄飄とし、ちゃっかりとして抜け目なく、それでもどこか憎めない母性本能をくすぐるようなヤン。
 映画に登場する役者達はみな上品である。美しい娼婦を羨望の眼差しで見とれるカフェにいる中年男達。金持ちの道楽で美しい娼婦をテーブルに乗せ、車座になり食事をしながら鑑賞する。このシーンが狡猾な人相の男達が、食事をぴちゃぴちゃと音を立て、舐め回すように女性を見ていたら、猥褻で目も当てられないシーンになるのだが、上品で善良な顔をした役者達が演じると微笑ましくも見えてくる。腕利きなメンツェル 監督である。ナチに占領されたプラハの暗黒時代を、穏やかな光の映像を配しユーモラスに描く。良い役者が揃った傑作。

ウォーリー

2009-01-26 | film
(品川プリンスシアター)2009/1/26

2008年/アメリカ

監督:アンドリュー・スタントン
脚本:アンドリュー・スタントン、ジム・リードン

仕草と表情が愛らしい癒しキャラ、ウォーリー君に惹かれてつい映画館に足を運んでしまう。この作品は優しさ・強さと勇気・愛情表現・孤独感・骨惜しみ、腰が重く怠惰な人間達のメタボな姿、環境についてのメッセージがある。次世代社会を担うチビッ子の皆さんにご推奨。

映画を観終わった後、今の子供達に情操教育がしっかりとしていれば、「イジメ」など少なくなるのではと、帰宅途中歩きながら思った。

そして、私たちは愛に帰る

2009-01-23 | film
(シネスイッチ銀座)2009/1/23
2007年/ドイツ・トルコ映画

監督: ファティ・アキン
キャスト: バーキ・ダヴラク、ハンナ・シグラ、ヌルセル・キョセ、トゥンジェル・クルティズ/ヌルギュル・イェシルチャイ/パトリシア・ジオクロースカ

トルコとドイツを挟んで運命の糸が絡み係る人間達、登場人物一人一人が魅力的であるが、歯車が狂い愁嘆が混在する。突然訪れる深い悲しみを相手を許し愛を紡ぐことによって自分が癒されていく。じんわりと涙が流れ余韻に浸れた。