先日、本屋で目にとまり気になったのだけど
買わないで帰ってしまいました。
次回その本屋に行ったら売り切れていたようで、
そうなると欲しくなるのです。

だから、別の本屋で一冊だけあった時には
思わず買ってしまいました。
その本は著:星野仁彦「発達障害に気づかない大人たち」
という新書です。
帯には「子どもたちではありません あなたのことです!!
ADHD・アスペルガー症候群・学習障害・・・
全部まとめてこれ1冊でわかる」とあります。
まだ、ぺらぺらと一読しただけですが、
「発達障害」について今まで読んだ本の中では
とても秀逸な本だと思います。
専門家でもない私にもわかりやすかったからです。
35年も前からこの分野を専門としてきた
医者でもある著者の星野氏は「はじめに」から
自らが発達障害であると宣言。
その自分の体験や医者としての臨床経験をもとに
発達障害をわかりやすく説明しています。
発達障害は脳の発達の凹凸が原因であるので
知能的に発達していると見過ごされることが多く
見えにくく、わかりにくい障害なのだそうです。
今までは発達障害というと「知能の遅れがある人」
というイメージが一般の人にはあったので
知能が高い人を発達障害と思わない人が多いようです。
発達障害があるのに
(知的にはなんにも問題ないので)
「障害を持っていること」を見過ごされてきて
大人になっている人も少なくないようです。
しかし、そのように大人になっている人は
発達障害ゆえ、人間関係で困ったことや、
問題行動を引き起こしやすいようです。
本当は脳の機能発達の問題なのに
様々な問題行動は「わがまま、自己チュー、怠け者」
といった個人の性格に片付けられやすく、
「本人の努力不足」と周囲から理解や協力も
得にくい障害でもあるとのことでした。
そして、「本人の性格のせい」とされるがゆえ、
周囲の理解や協力も得られず、
第2次障害や合併症など深刻な事態が
おこりやすくなるそうです。
だからこそ「大人の場合は本人が現実に気づいて
自分を見つめなおすことが改善への第一歩」
と著者はいいます。
見つめなおした上での具体的な治療方法に
ついても書かれておりました。
なにより、他人事としてではなく、
専門家でもある著者が自分の体験も元にして
いるのですから説得力がありました。
先日、長年子育て支援に関わってきた知人が
「なんでも発達障害のせいにして」と
怒り口調で昨今の「発達障害」という言葉の広まりに
異議を唱えていたの耳にしたのですが、
そんな彼女にも今度勧めようと思ったくらいです。
大人の発達障害について書かれている本ですが、
子どもの発達障害を理解する上でも役に立つと思います。
子育て支援をする人たちにお勧めしたいと思いました。