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風呂敷

2012-06-23 | 日記
数日前の読売新聞夕刊のコラム『はじまり考』が面白かったのでご紹介します。
以下記事より抜粋

物を包んだりする布が、風呂敷と呼ばれる由縁は室町時代の記録にさかのぼるそう。
日本風呂敷協会によると(…何でも協会ってあるものなんですね。)
当時、上流階級の社交場である蒸し風呂で、大名たちが入浴前に脱いだ衣服を取り違えないよう、
家紋入りの絹の布に包み、湯上りにこの布を足元に敷いて身繕いしたとのこと。

「風呂敷」の名称は江戸時代初期、徳川家康の遺品目録に初めて登場。
この頃には湯船につかる銭湯が普及、庶民は麻や木綿の四角い布で浴衣や洗面道具を包んで通うように。
かくしてこの布は「風呂敷」と呼ばれ、その後日常生活や商売などで包むために使う布全般を指すようになった…
という内容なのですが、『だから風呂敷!ほぉぉ~!』と感心したのは私だけでしょうか。。。

古美術業界の必須アイテムと言える風呂敷。
仕入した品物を持ち帰るのに包んだり、お届けの際の品を包んで先様で荷解きをし、
お品物をお渡ししたら、くるくるっと丸め畳んで持ち帰る。
仕入れなどの時の鞄や車に大概一枚はいれてある、という感じかと思います。
そのため、交換会が新しく発足した際や何十周記念などという時には、
その会の名前が入った風呂敷が記念品に配られたりもします。
深緑や渋い茶色、最近では濃紺色に白の独鈷杵が小さく1つデザインされたとても洒落た物を頂きました。



子供のころは風呂敷というと緑色に白いグルグル模様がいっぱいのドロボー御用達のアレがイメージでした(笑)
本当は唐草模様というきちんとした柄ですが、なんだか残念なイメージが…。

着物での外出時や、お稽古事などで綺麗な色の風呂敷をお使いになる方や、
最近では『モッタイナイ』の意識の高まりもあって、エコバッグ感覚の可愛らしい色柄の風呂敷が売られているのも目にします。

紙と違い、色々な形のモノを包むこともでき、使ってみると意外に便利。
大きさ、色など色々有ります。一度、一枚試してみては如何でしょうか。

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宝篋印塔

2012-06-15 | 仏教美術
ここ数日で小さな庭の中なのに、石塔をあちらへ否、こちらへと移動させた。
今が盛りに咲いている紫陽花や京鹿の子をかき分け、土にまみれつつ、重さに悲鳴あげつつ場所を確保。。。
我が家の草花たち、そして…私の上腕二頭筋と爪にも受難数日間であった。

そこでふと、引出しの中の塔を思い出した。
此方は掌の上、指でつまめる程の大きさのかわいらしさ

 

小さくともこちらも立派な宝篋印塔。
大神神社(おおみわじんじゃ)の神宮寺であった大御輪寺伝来。
全面胡粉塗で、殆んどの相輪は失われているらしい。
底裏にうがたれている孔は舎利になぞらえた籾(もみ)を奉籠するためのもの。

室生寺の籾塔に比べると、基台が低く堂々とした安定感がある。
各々の見どころ、良さが有ると思いますが、
古格…はこちらの大御輪寺の方が勝っているかな、と感じるのですが如何でしょう。
丁寧につくられた木製の塔は小さくともしっかり存在感を示しています。

大御輪寺籾塔   鎌倉時代後期  >ご売約。ありがとうございました。 






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