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なかなか勝てない馬がいる。今日もその馬が走る。
がんばれ、と声が出る。
まなざしは、ゴールの先を見つめている。

ホワイトバグ 生存不能

2021年11月30日 13時04分42秒 | 読書・文学


アフガニスタンのワハーン回廊と中国・新疆ウイグル自治区のタシュクルガン・タジク自治県を結ぶワフジール峠で、中国の国境警備隊が全滅した。タジキスタン側から登ってきた日本の気象観測隊もまた、猛烈なブリザードのもとで何ものかの襲撃を受ける。果たして極寒の山岳地帯でなにが起きたのか。グリーンランドのギュンビョルン山で同様の現象を目にしたばかりのプロ登山家・甲斐浩一は、連絡の途絶えた気象観測隊の救出に協力するよう政府に求められ、研究者とともにワフジール峠に向かうことになるが―。

「死んでるよ。……みんな死んでる」 世界各地で同時多発的に起きる不可思議な怪現象。 その猛烈な吹雪が過ぎ去ると、死体の山が築かれる――。 プロ登山家の甲斐は連絡を絶った気象観測隊を追うため、アフガニスタン・ワフジール峠に飛ぶが……。 累計132万部突破の「ゼロ」シリーズの著者が描く新たな恐怖! (目次) 序章 絶滅の前兆/ 第一章 死の谷/ 第二章 絶滅の記憶/ 第三章 死の覚醒/ 第四章 ホワイトバグ/ 終章

今回めざすのはグリーンランドの最高峰で、ギュンビョルン山
ワトキンス山脈の景色は、ヒマラヤなどの景色とはまるで異なる。
簡単にいえば、南極を思わせる地平まで続く平らな雪原に、チョコレート菓子の『きのこの山』を所々に置いたようなものだ。
氷河や氷床から『きのこの山』を思わせる頂上部分のみが突き出た山を『ヌナタク』

アフガニスタンのワハーン回廊
標高の高い国境の1つとされるワフジール峠;4,923m
草木はほとんどなく、火星を思わせる乾ききった茶色の大地と山岳風景が続く。辺境のこの地にはアフガニスタンと中国を結ぶ正式の道路もなく、長らく峠は閉鎖されたままだ。
ワフジール峠の中国側の谷は『カラチグ谷』と呼ばれ、訪問者には完全に閉鎖されているが、その地域の住民と牧畜民には通行が許可されている。
峠の国境には、92kmに渡って有刺鉄線の柵が設置されている。
中国のカラチグ国境警備連隊がある。
近年、ワフジール峠はアフガニスタンから中国への麻薬密輸ルートになっている。

パミール高原;「世界の屋根」の意

ヒマラヤ山脈;東西2400km、南北250km
毎年6月、赤道近くのインド洋上で発生した水蒸気は雲となってインドを北上し、ヒマラヤ山脈にぶつかると偏西風に乗って東へ向きを変える。結果、水分を豊富に含んだ雨雲は、中国南部から東南アジア地域に雨を降らせ、これが『アジア・モンスーン』として、豊かな農業地帯を作り上げてきた。
モンスーンの雨雲は、さらに北東方向へ移動し、太平洋の水蒸気を吸い込んで日本列島に停滞する。梅雨前線はこのモンスーンによるもので、日本列島に水の恵みをもたらしてくれる。もしヒマラヤ山脈がいまの半分の高さだったら、偏西風は蛇行せず日本の雨量は現在の半分程度になってしまう。

地球規模でみれば、日本列島の緯度は乾燥地帯にあたる。
世界の主要な砂漠はほぼ日本と同じ緯度に位置している。
私たちが今いる北緯37度線は、新潟県など本州のど真ん中を貫いている。
ヒマラヤの西にあるワハーン回廊にくらべて、東に位置する日本が四季豊かな温帯温柔気候なのはヒマラヤのおかげなのである。
ところが、最近発生している偏西風の大蛇行は日本の気候に大きな影響をもたらす。

このまま人為的な原因により二酸化炭素などの温室効果ガスが排出され続ければ、次の氷期どころかジュラ紀と同じ高温の時代がやってくる。

アフガニスタンとの時差は4時間30分

「温暖化が寒冷化を招く?本当ですか」

インド大陸がユーラシア大陸へ衝突することで起きた、ヒマラヤ・チベット地域の隆起は、偏西風の流れに影響を与えただけでなく、大陸の化学風化を促進した。岩や土の化学風化は大気中の二酸化炭素と反応することで起きる。新生代後期の寒冷化は、ヒマラヤ山脈の活発な化学風化で二酸化炭素が減少したためだ。

大気中の温室効果ガスは、温暖化や海洋のPhを介して、地球表層環境システムに大きな影響を及ぼしてきた。三畳紀:2.45億年前とジュラ紀;1.44億年前の境界では、火山活動の急増により二酸化炭素が上昇して、地球的規模で生物が絶命した。

5度の大量絶滅;ビックファイブ
「最大の絶滅はペルム紀だったはず」
古生紀後期のペルム紀末、2億5000万年前に地球の歴史上、最大の大量絶滅が起こった。

グリーンランドのカンゲルルスアーク空港

オイミャコン;ロシア サハ共和国
『世界で最も寒い定住地』
冬になるとオイミャコンの平均気温は-50℃まで下がり、21時間は太陽が顔を出すことがない。年平均気温は-15.5℃。2018年1月17日には正式に氷点下65度を記録。氷点下60度を超えている日が連続した
凍結してしまうためオイミャコンには水道がなく、かつては住民が牛や馬にタンクを引かせて近くの川まで水を汲みに行っていたが、現在では給水車が各家庭に給水を行っている。
付近では魚が獲れるが、気温が低い時、釣った魚は外気に触れた途端に凍りつく。冬は軒並み-50.0℃以下になるため、細菌やウイルスによる感染症にかかることはほぼ皆無である。


全球凍結』;地球は過去2回、すべて氷に覆われていた


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