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なかなか勝てない馬がいる。今日もその馬が走る。
がんばれ、と声が出る。
まなざしは、ゴールの先を見つめている。

自然景観の成り立ちを探る

2021年08月14日 11時02分29秒 | 読書・地理地震


フィールドワークから生き生きとした科学の姿を伝える。
従来の学の枠組みを越えて相互の有機的なつながりを探るシリーズ。
地球の年齢に寄り添うような時間のなかで、自然を眺める。

1部(対談・「ジオエコロジー」の目で見る)
2部(中国、天山山脈ウルプト氷河での氷河地形調査
津波堆積物を、歩いて、観て、考える)
3部(小笠原の外来種をめぐる取り組み 地震時の揺れやすさを解析する
自然はわたしの実験室 宍道湖淡水化と「ヤマトシジミ」風穴をさぐる
サンゴ礁景観の成り立ちを探る)

地球温暖化はもうおしまいだということは、まだほとんどの人が知らない。
教育の効果は大きいです。
ずーっと「地球は病気だ。CO2を削減しよう」
ばっかりできたわけですが、はやくやめてほしいです。

日本では丸山茂徳、渡辺正、武田邦彦などが唱えている説で、気候変化の原因はCO2よりも太陽黒点の数に原因があるとする。小氷期のころは太陽黒点はごく少なかったが、その後増加した。今後は減少が予想されるので、温暖化はピークだと考える。

自然の歴史をみると、12世紀ごろ、中世温暖期という非常に暖かい時代があった。
過去にもっと暖かい時代が何回もあった。
日本の学校教育に自然史が抜けているのは、非常にまずいと思います。

気仙沼の南方に位置する大谷海岸
過去5,000~6,000年のあいだに少なくとも4~5回の巨大津波が運んだに違いない津波堆積物がこの崖に露出していることを確信した。

炭素14年代測定
炭素14の半減期が5730年

西暦915年の十和田火山灰
869年の貞観津波
最上位の津波堆積物は、歴史記録にのこされた1611年の慶長三陸津波か
1896年の明治三陸津波のいづれか。

十勝では、巨大津波の堆積物は、およそ6,500年間に15が確認された。
根室では、18層以上が確認された。

これらの巨大津波は、自然現象としては驚くべきたしかな再来間隔をもっていて、
ほぼ300~500年ごとに発生している。

内閣府中央防災会議の専門調査会は、北海道太平洋岸の千島海溝で発生する巨大津波をともなう地震を、おもに津波堆積物の分布データに基づいて「500年間隔地震」と命名するとともに、想定地震のひとつとして検討した。

十勝から釧路、根室にかけて広範囲かつ高所にまで分布する過去の「500年間隔地震」の津波堆積物は、1952年、2003年津波とは比較にならないほど大規模であったことを証明し、十勝沖の千島海溝沿いで発生してきた近年のマグニチュード8クラスの地震とは異なる超巨大地震・津波を想定せざるをえないことを明確に示している。

それでは「500年間隔地震」とは、どのようなものなのだろうか?
その地震の規模は、計算上はマグニチュード8.6と決められた。
しかし、十勝沖から根室沖を越えて、さらに色丹(しこたん)島沖まですべてあわせても、延長距離はせいぜい400キロであり、3.11の震源域の広さや、スマトラ地震の破壊延長1,200キロには、はるかに及ばない。

千島海溝を波源とする超巨大津波は、十勝から根室にかけての沿岸だけでなく、三陸海岸にまで広く伝播したと考えるべきことを示す。

岩手県陸中野田村の海食崖
14回の津波
ここでは、過去およそ6,500年間の全巨大津波を記録している。

1611年に起こった慶長三陸地震は三陸沿岸各地での揺れが小さく、さらに津波は地震発生後4時間を経て襲来しており、「謎が多い」とされてきた。
しかし、この地震が千島海溝で発生し、三陸沿岸へ伝播したものだとすれば、これらの矛盾は説明可能になる。3.11津波は、道東では地震後数時間を経て最大波が到達したところが何箇所もあったが、この逆の現象という理解だ。

「1611年の慶長三陸津波は、千島海溝発の17世紀500年間隔地震」

分布を説明するために想定された地震;マグミチュード8.6では、計算上では噴火湾億の森町には大きな津波は到達しなかった。森町の海食崖に露出している津波堆積物を説明可能な計算;モデルで求めると、想定される地震はマグニチュード8.6より大きくなるに違いない。

根室沖から色丹島沖にかけての千島海溝を波源とする根室ー釧路ー十勝沿岸域の巨大大津波については、北方領土でのデータがほとんどないこともあって、十分に検討・解釈することができない。しかし、津波堆積物(3,4世紀ごろ)からはすでに1500年以上が経過していること、過去100年間の地殻変動(沈降)は釧路から根室半島にかけての地域が日本全国で最大であることにも注意をはらうべきである。

津波堆積物からは、東北地方から北海道太平洋沖にかけての日本海溝、
千島海溝には3つ、北方領土沖を加えると4つの異なる超巨大大津波の波源域があって、それぞれに超巨大地震のスーパーサイクルがあることを示唆する。

14年代測定:山形大学高感度質量分析センター

平川一臣(かずおみ)


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